午前中は穏やかな日差し。午後から雨。ちょいと雪が混ざってた。まあ、積もらないので、どーでもいい。
風は冷たいんだけどねー。
シャーレで飼われている培養細胞の間でミトコンドリアが移ってるということは知られてたけど・・・がん細胞のスキルだったんね・・・
がん細胞は正常細胞と異なる代謝をします。昔、オットー・ワーブルグ博士が見出した現象で、確かノーベル賞を取った。1931年です。すんごい昔。だが、今でもこの発見を補強したり修正したりいろんな研究ががん研究者の間でなされている。100年近く科学に影響を与えてきてるんだからすごいことなんです。
がん細胞は急速に増殖しているので大量のエネルギーを消費する。グルコースも大量にだ。しかし、それは嫌気的な乳酸発酵という形であってミトコンドリアによる酸素を使った好気的代謝ではない。乳酸発酵なので細胞から乳酸を排泄してる。んなわけでがん細胞組織は酸性だ。
がん細胞がミトコンドリアを使ってないかというとアミノ酸や有機酸を代謝して細胞質で行われる嫌気的発酵とは別にネルギー生産をしている。一時期、がん細胞によってどんなアミノ酸が好まれるか見つけるのがはやったりしてたな。さらに自分が排泄した乳酸を取り込んでピルビン酸に変えてミトコンドリアで代謝している。がん細胞では細胞質の嫌気的代謝とミトコンドリアによる好気的代謝が断絶している。というか、互いに勝手に代謝してる・・・まあ、元々別の細胞だったもんなぁ。
この記事の研究では、「がん細胞を離れて周囲の免疫細胞にがん細胞のミトコンドリアが移って悪さをする」というがん細胞における更なるミトコンドリアの機能が分かったということ。キラーT細胞に移ってたというから貪食で移ったということでもなさそうです。ミトコンが自分で移ったんだろうな。宿主細胞側からのレギュレーションからは外れてるんだし・・・。
ちなみにT細胞が樹状細胞から抗原提示を受けて爆発的にエフェクターT細胞となってクローンが増殖する際の代謝はワーバーグ博士が見つけたがん細胞のような代謝をすることがわかっていて、そもそもがん化のための代謝ではなく、増殖に特化した細胞の代謝として元々用意されている仕組みなんではないかとも思われます。てなわけで、T細胞にはがん細胞のミトコンドリアを受け入れれる素養があるのかもしれません。
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