看護師というのは国家試験を合格しないと、仕事ができません。
そして、国家試験の受験資格の最大の難関は臨地実習でした。
臨地実習の攻略の方法については色々なサイトで書かれているのでご自分に合う、方法を選択されることをお勧めします。
しかし、どのサイトを読んでいても、看護師臨地実習の突破の仕方の核をついていないと感じてしまいます。
それは、あくまで「臨地実習指導者」としての見地からしかみていないからかもしれません。
看護実習指導員つまり看護教員という視点で書いているのはこのブログだけではないでしょうか?
看護実習については各養成機関の実習要綱によって千差万別です。
(ですから、自身の養成機関の要綱にあった実習攻略サイトを参考にされることがいいのかもしれませんね。)
実習で一番大切なのは「看護展開」つまり「看護アセスメント」です。
手技が下手でも「看護展開ができていれば必ず合格する」これが看護実習の肝です。
ですからIM理論によって、看護展開の方法についてシンプルに解き明かしていきたいと考えています。
これからも、読者の皆さんの一助になればと思います。
話を元に戻しますが、ここからは看護師国家試験についてのお話になります。
第108回の看護師国家試験が平成31年2月17日(日曜)に実施され、平成31年3月22日に合格発表となります。
まずは過去五年のデータをこちらから転載いたします。
そして合格に必要なボーダーライン必修問題についてです。
そして午前・午後問題についてです。
続いて、「自動車運転免許の合格率」について見ていきましょう。
引用はこちらからです。
全国平均で平成26年度では72%です。
100点満点中90点以上で合格ですから、合格するためには模試で100点取れるレベルでないと厳しいのが自動車運転免許です。
しかし、それでも72%の方が合格しているという事実から、実際は同じ問題ばかりが出題されていると免許をお持ちの方ならわかると思います。
これは余談ですが、私が県警の交通課で勤務していたころ、運転免許センターの試験問題を作成する仕事をしていた人が上司にいました。
「どのように問題を作るのか?」
という話題になったとき、「合格率を上げないよう、かつ下げないよう、さらに不適切問題にならないように作る」
と教えてくださいました。
意味がわからなかったので突っ込んで質問すると、「前例踏襲主義だよ」と話していました。
これが国家試験のポイントです。
「前例のない問題は”不適切問題になりやすい”」のです。
つまり、「前例のある問題の文言の前後を入れ替える」のが国家試験作成担当の仕事なのです。
つまり、「単なる言葉遊び」ですね!
自動車運転免許と看護師国家試験と何か関係あるのか?とお考えになる方がいるかもしれませんが、実際の過去の看護師国家試験で例を見てみましょう。
まずは「不適切問題」についてです。
不適切問題の中には”悪問”があり、”採点除外問題”という言い方をします。
・・・・・・・・・・・・・・・(キャリスタ看護 2017年度(第107回)午前 第1問〜第60問 看護師国家試験 過去問・解答)
平成27年(2015年)の病院報告による一般病床の平均在院日数はどれか。
1. 6.5日
2. 16.5日
3. 26.5日
4. 36.5日
・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
正解は2の16.5日です。
しかし実際は16.2日なのです。
そして不適切問題とした理由は以下の通りです。
・・・・・・・・・・・・・・・(※採点除外等の取扱いをした問題)
【採点上の取扱い】正解した受験者については採点対象に含め、不正解の受験者については採点対象から除外する。
【理由】問題として適切であるが、必修問題としては妥当でないため。
・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
必修問題として妥当でない理由が明記してありませんね。
おそらく、この問題を必修問題としてしまうと、合格率が下がってしまうくらい正解者が少なかったからでしょう。
いわゆる「悪問(あくもん)」というやつです。
こういった問題が毎年いくつも見られますから、過去問をしっかり勉強してきた受験生の方は、こういった初めて見る問題に遭遇したら
「あ、悪問かもしれない」
と注意してください。
問題として適切であっても、正解率が下がる問題は「採点除外問題」となるため、
”こういう前例のない問題に頭を悩まし時間を費やすのは無駄だ”
ということです。
こういった問題に正面から取り掛かると、試験時間がいくらあっても足りないですし、試験時間中自信がなくなり「不安」になってしまいます。
(必修としての悪問ですから、学生の自信を奪うには良問でしょうが)
つまりこのように点数調整がされます。
これは採点側としてはとてつもなく頭を悩ませる作業ですね!?
今は看護師国家試験対策を生業としている予備校も多数存在しますから、不適切問題に対してクレームをどんどんつけてきます。
「過去の問題を参考にした」と説明すれば、言い逃れができます。
しかし、前例がない問題を突然出題すると批判は必至です。
ですから、国家試験作成側としても「意表をついた問題は作りにくくなっている」ことがお判りでしょうか?
さらに、看護師養成機関が使う教科書も教科書検定をパスしています。
その教科書内から看護師国家試験問題を作成するわけですから、重箱の隅を楊枝でほじくるような問題、つまり「難問・奇問」はせいぜい1~2問程度しか出せません。
つまり、極論すれば、「看護師国家試験は毎年同じ問題が出題される」のです。
一言一句同じというわけではありませんが、毎年恒例の問題ばかりなのです。
その例を簡単に説明いたします。
・・・・・・・・・・・・・・・(キャリスタ看護 2017年度(第107回)午前 第1問〜第60問 看護師国家試験 過去問・解答)
第 15 問
肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。
1. CRP
2. 尿素窒素
3. アミラーゼ
4. ALT〈GPT〉
・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
正解は「4. ALT〈GPT〉」ですね。
これをどのように作り替えるかというとこうなります。
・・・・・・・・・・・・・・・(例題)
問題15
ALT〈GPT〉とはどの器官の検査数値を表すか?
1. 心臓
2. 膵臓
3. 腎臓
4. 肝臓
・・・・・・・・・・・・・・・(以上例題)
お判りでしょうか?
さらにもう一つ作ってみます。
・・・・・・・・・・・・・・・(例題)
第 15 問
肝障害の指標と”関係ない”血液生化学検査の項目はどれか。
1. CRP
2. AST(GOT)
3. γ-GTP
4. ALT〈GPT〉
・・・・・・・・・・・・・・・(以上例題)
良く良く見ると、同じ内容の問題なのです。
CRPを知っていれば即答ですし、 、肝機能検査3項目を知っていれば回答できますね!
看護師国家試験はこのように同じ問題を視点を変えてグルグル回しているだけなのです。
ですから、『知識よりも過去問を10回繰り返すこと』が試験対策として重要なのです。
ここまで見てみると、看護師国家試験は
『不適切問題になるのを避けるために、なんだかんだ言って、毎年恒例の問題ばかり』
ということが理解できたと思います。
では、どうして「不合格になる人が出るのか?」という問題について見ていきましょう。
答えはシンプルです。
『体調管理ができていないから』
の一点です。
体調管理とは一体なにをすることでしょうか?
それは以下の通りになります。
①身体面の問題
風邪をひいてしまって脳が働かなかった
②心理面の問題
緊張して前日に眠れず脳が働かなかった
この2点です。
それぞれの対策について見ていきましょう。
まずは、「①身体面の問題」についてです。
取り組んでいただきたいのは「運動、スポーツを毎日すること」です。
一番のお勧めは「ランニングと筋トレ」です。
球技、格闘技のようなフィジカルコンタクトの激しいスポーツは怪我をする恐れがあるため、普段からやっている方は問題ありませんが、突然始めることはオススメしません。
そして、運動することによって脳に酸素を取り込むことができます。
ですから、より脳が稼働しやすくなります。
一石二鳥ですね。
続いて、「②心理面の問題」についてです。
心理・精神面の対策は以下のようにします。
まずは、看護師国家試験の合格率を知ることです。(再度転載します)
そして「絶対基準」として60%得点率があれば合格します。
このデータからも「100点満点目指して勉強していれば知識的には問題ない」ということがわかると思います。
しかも予備校が実施する予想問題集、模試はやたらと難しいと思います。
何故でしょうか?
試験対策予備校の仕事とは
受験生を合格させることが目標なのですが、合格率を上げることだけでは事業が成り立ちません。
受講してもらう必要があります。
そのためには、「受験生の不安を煽り続ける必要がある」のです。
つまり「不合格になるかもしれない」と思わせ続けるため、高額な参考書を購入してくれたり、予備校に通ってくれるのです。
しかし、過去問とかけ離れたレベルでは受験生にばれてしまうため1割から2割増しの難易度の模擬試験を作成したり、予想問題集を作ります。
過去問だけでは当然解けないため、受験生は不安になり、予備校に通ったり、参考書を買い漁ります。
看護師国家試験を受験した方ならわかると思いますが、毎年同じ問題です。
話を元に戻しますが、「②精神面の問題」についての具体策です。
それは生活習慣を「夜型から朝型に変更する」だけで解消します。
実際の試験開始時間に脳が働くように生活習慣を変えてしまうのです。
試験当日の時間はこちらです。
午前問題 9 時 50 分~12 時 30 分
午後問題 14 時 20 分~17 時 00 分
(計 5 時間 20 分)
実際の試験当日の受験生の生活の流れについて見ていきましょう。
4時00分 起床
5時00分 バス送迎場所に集合
5時30分 試験会場に向けて出発
6時30分 試験会場到着
8時00分 会場に移動
9時00分 試験会場に着席
9時50分 試験開始
17時00分 試験終了
となります。
この生活リズムを試験当日まで毎日行うことで「心理面の問題」は解決します。
つまり、看護師国家試験を受験される人は「毎朝いかなる理由があっても朝4時00までに起床すること」が試験当日ベストパフォーマンスを出すために必要なことなのです。
「早起きしてもやることがないんですけど」
ありますよ。
前日の復習+暗記をしてください。
そして、ウォーキングでもランニングでも良いので体を起こす習慣を行ってください。
そして、9時30分頃から12時00分まで「過去問を解答する」
午後14時30分から17時まで「過去問を解答する」
つまり「日中は試験さながらの練習をする」ことに専念してください。
具体的な過去問の解答の仕方ですが、私はまず「とりあえず一通り解答すること」をお勧めします。
まずマークシート方式の問題は、答えが分かりにくく作ってあるため
・1発で答えがわかった問題だけマークシートに解答する
・答えを絞れなかった問題は、マークシートは空欄にして、問題に◎をつけておき、一通り解答しおわってから再考するためにとっておきます。
午前問題は2時間30分はありますから、
①90分で解答を終え、
②答えが絞れない問題を30分、
③見直し15分、
④マークシートのずれがないか15分
というペース配分で解答していきます。
とにかく、「全問目を通すこと」をし「難問・奇問は飛ばしていく」「飛ばしたことをメモしておいて、後半ゆっくり考える」「マークシートのずれのチェック」これだけです。
息抜きはテレビとを見てはいけません。
ゲームも絶対いけません。
脳が働かなくなります。(とくにテレビCMを観ることは最悪です。)
・スマホは大丈夫ですが、スマホゲームはNGです。(アンインストールしましょう。)
・Youtubeなどは時間を決めて1回30分以内にしましょう。
テレビを見るくらいなら、大好きな音楽を聴きながら、運動をしたほうがいい。
さらに、散歩をしながら休憩中に大好きな動画を見たりするほうが効果的な時間を過ごすことができます。
・読書もお勧めします。
これを試験当日まで続けてみてください。
1日に過去問を1年分解答しますから、過去10年分を10日で解答できますね!
・就寝時間ですが、20時までには入浴を済ませ、布団に入るようにしましょう。
20時までに眠気を感じるように生活リズムを変えていかないと試験前夜、緊張して眠れず、試験当日寝不足で脳が働かず、凡ミス、ケアレスミスを連発して不合格になりかねません。
つまり、「試験前日の夜に睡眠をとれるような練習」をしなくてはなりません。
週1日は休む日を決めてください。
休日は、朝4時に起きて、前日の復習と暗記は必ずやってください。
日中は好きなように過ごして大丈夫ですが、『スマホゲームはしない』、『テレビは見ない』ようにしてください。
スマホ、ネットは大丈夫です。
「心理面の問題」の具体的な対策についてまとめます。
・毎朝4時に起床する
・毎晩20時までに就寝する
・日中は本番さながらの設定で過去問を解答する
・夕方は自己採点する
・テレビは一切みない
・スマホゲームはアンインストールする
・運動をする
・前日の復習+暗記は毎日する
この取り組みを国家試験当日まで続けてみてください。
看護師国家試験の合格率は88%、つまり90%近く合格します。
自動車運転免許は72%です。
「看護師国家試験は頭の良しあしで合格率は決まらない」ということです。
①過去問をしっかり勉強し
②生活リズムを整え、体調管理をする
ことで確実に合格することができるのです。
是非、試験当日までこれらのことを実践してみてください。
このブログの読者の皆さんが試験当日に本来の力を発揮されることを願います。
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