実習において「基礎」と「領域」で分けられています。
簡単に言ってしまえば基礎とは「ADL」を見るだけ、つまり「ADLをいかに上げていくか?」
を看護展開していくことが「基礎看護実習」の狙いとなります。
「領域実習」とは「疾患を抱えながらADLを上げていく」⇒「セルフケアレベルを上げるか?」
が入ってきます。
しかし、ぶっちゃけると、基礎の考え方さえできていれば「領域実習」の看護展開は難しくありません。
別の言い方をすれば「基礎」+「退院指導」=「領域実習」
とすら考えることができるのです。
「退院指導」とは「疾患管理⇒セルフケア」のことです。
領域実習で受け持ちが決まったら「この人にはどのようなことを退院指導させてもらおうか?」という視点を持って展開していくことが看護実習らしいですね!
ここで特殊領域を加算していくと「老年」「小児・母性」「終末期・精神」があります。
これらは基礎の「ADL」を見ていくのはもちろんのことなのですが、「QOL」の向上も看護展開に含めていくと
「お!?この学生分かっているな!」
となるわけです。
精神の場合「ICF」が加わりましたね!
私はソーシャルワーカーの経験があるため、ICF目線で展開指導ができますが、ワーカーの経験のない人はどうしても医療・看護目線でしか展開の指導はできません。(だから何?というわけではありません)
日常生活動作、ADLとは、
『食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指す。基本的日常生活動作、日常生活活動とも言われる。』
とあります。
看護展開の指導としてのキーポイントは
受け持ち患者の『入院前のADLと受け持ち時のADLとの比較』からスタートします。
ぶっちゃけ、看護目標とは「受け持ち患者のADLを入院前まで回復させること」なのです。
この関わりのことを「セルフケアレベルを上げる」関わりとも呼びます。
ですから以下の
①『食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴』行為が入院前はどれくらいできていたのか?
の情報収集と、
②現在疾患や痛み、治療による制限によって『食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴』行為のセルフケアレベルがどれだけ低下したのか?
という①と②の情報収集さえできてしまえばよいのです。
①と②の情報収集をします。
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①入院前 |
②現 在 |
食事 |
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更衣 |
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移動 |
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排泄 |
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整容 |
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入浴 |
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次に、①⇒②のセルフケアレベル状態まで低下してしまった原因を「食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴」ごとに原因、根拠を書き出していきます。
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①入院前 |
②現 在 |
①⇒②になった理由 |
食事 |
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更衣 |
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移動 |
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排泄 |
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整容 |
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入浴 |
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そして、セルフケアレベル低下を助長させている、その原因をND(看護問題)として挙げ、解決できるように「看護計画を立案する」のです。
目標としては、「②⇒①の状態にまで戻すこと」になりますが、突然回復することはできません。
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①入院前 |
②現 在 |
②⇒①に戻すために取り組むべきこと |
食事 |
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更衣 |
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移動 |
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排泄 |
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整容 |
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入浴 |
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ですから、「長期目標」と「短期目標」とを掲げ、「短期目標」をコツコツクリアしていけるように日々の行動目標を作成していきます。
その過程を「SOAP」に記載してくれるだけで実習は合格なのです。
(過去にIM理論として、老年分野の考え方などについても書いています。そちらも参考にしてください)
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実習で一番大切なのはコミュニケーションだと思います。
次に、理論立てて、計画を立案し、ケアに入る、それを展開していくことにあります。
「なぜ?」を追及していく姿勢が実習では重要になります。
論理的な考え方を求められます。
「ケアに必要なのは感性」だと思いますが、実習に必要なのは「論理的思考と十分な準備」以外ありません。
私は学生時代、このような内容を論理的に教わらず、単位だけ取得して看護師資格を取得しました。
しかし、指導する立場となり「どうすれば学生は理解できるだろうか?」と考えていると、このような
「シンプルな構造」が分かってしまったのです。
理論とは実践を小難しく文章化、体系化するものではありません。
使えなければ本当の理論ではないのです。
私がこのような考え方、思考方法になれたのは、こちらのサイトを読み「縦も横も矛盾がない考え方」を学んだおかげです。
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