室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

サッカーW杯負けて

2006-06-25 12:20:37 | Weblog
 サッカーW杯での日本の予選敗退の結果に色んな人が色んな事を云っている。
いつも、オリンピックや高校野球や大学駅伝などを見るたびに思うのだが、本大会に出られた選手は、厳しい予選を勝ち抜いた精鋭たちなのだ。出場しなければ非難や怒声を浴びせられる事もない。選手は観客の代表なので、選手を非難する事は、自分を非難するのと同じだ。
 日本は国策でスポーツをやっている訳ではないし、商業主義で(ゼロとは云えないが)やっている訳でもない。また、スポーツだけを心の拠り所として(中にはそれに近いサポーターもいるかもしれないが)やっている訳ではない。それぞれの自由意志でやっている健全さを誇っていいと思う。でも、それでも出場したからには勝って欲しい。
 前回のトルシエ監督の時はチーム内のルールに厳しく縛られた事への反発が強く、ジーコ監督は自主性を重んじる方針が手放しで歓迎された。しかし、それが今、無策と云われている。私たち日本のクラシック音楽教育を受けてきた者は、日常、大変厳しいレッスンを受けていて、ある日、外人の先生のレッスンを受けるとやたらと褒められ、良い気分にさせられて、のびのび演奏できる、という体験をしているものだ。これは、日本の先生が良くないのではなく、日常の先生達の指導で、自分に対する厳しさを学び、より高い向上心を持って臨んだ故に、いきすぎた堅さをほぐされ、開放され、自由さを得られるのだ。これがのびのびした表現につながる。何も無い初めから個性の尊重も何も無い。つまり、高い意識と向上心、それに日本人の場合、危機感を持って進んで行く事が肝要だと思う。それでやって来て負けたのなら仕方ない。ジーコ監督に言わせると「プロ意識が足りない」のだから、まだまだという事なのだろう。
 マスコミやスポンサーにも踊らされて、日本中がフィーバーさせられたけれど、見る側も受け止めるべき事は受け止めないといけないと思う。・・と偉そうに云ってみたが、私自身、最近、高い意識と向上心、弱まってるなあ。危機感だけ、かな・・。