11月15日(金)、 KLオランダ航空で関空を出発し、アムステルダムのスキポール空港でEUへの入国審査を受け、ストラスブール行きに乗り換えた。
関空から同じ飛行機で来た大勢の日本人はどこかへ消えてしまった。沖留めの、トンボのような形の小さな飛行機に乗り込んだのは、欧州人と中東系の人たちだけのようだ。
ストラスブールのローカルな空港に着陸して、沖留めのバスに乗ったときから、不安顔の日本人を、多分、関空から同じ飛行機であったと思われるフランス人のマダムが、気さくな笑顔と、流ちょうな日本語で、空港を出るまで助けてくれた。
日本のファンだと言う。 ストラスブールの大聖堂広場にある観光案内所で、ボランティアで働いているそうだ。 夫や子どもたちが迎えに来て、楽しそうだった。
どこを回るのかと聞くから、ストラスブール→ランス→アミアン→シャルトル、そしてパリ。カテドラルを見て回るつもりだと言ったら、「すばらしい。フランスで一番、良いところです。私の考えですが」と言ってくれた。
こちらの人は、自分の故郷、或いは、今、住み着いている場所が、世界で一番良いところだと思って、誇りにしている。そういうところが、素晴らしい。
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空港に着いたのは午後6時前だったが、日はとっくに暮れている。
ストラスブールはもともと、イル川の中州にできた町。
そのイル川のそばに建つホテルを予約してある。ネット予約のときに、少し値段は高いが、「窓からサン・トーマス聖堂ビューの部屋」という部屋を選んだ。サン・トーマスについては知らないし、「地球の歩き方」にも出ていなかったが、せっかくなのだから、4つ星、5つ星ホテルでなくても、観光に便利で、眺めの良いホテルを、というのがモットーだ。予約のとき、ついでに、「サン・トーマスが見えるか、イル川が見える部屋にしてもらえたら、私はハッピーである」と、念のため書き添えた。
タクシーを降り、冷え込みに震えながらホテルの玄関を入ると、殺風景な受付には、ストラスブール大学のアルバイト学生といった感じの、モヤシのように背だけ高い、頼りなさそうな若者がいて、鍵を渡してくれた。
部屋の窓を開けると、家並の向こうに、ライトアップされたサン・トーマスがあった。
翌朝、もう一つの窓から見ると、落ち葉のイル川もあった。
イル川のむこう岸は、世界遺産の街並みである。
※ サボっていたこともあるのですが、さらにその後、パソコンがトラブって、旅の2号目がおそくなってしまいました。