ドナウ川の白い雲

ヨーロッパの旅の思い出、国内旅行で感じたこと、読んだ本の感想、日々の所感や意見など。

ナマハゲと、北緯40度の入道崎へ …… 本州最北端への旅 (2)

2016年08月14日 | 国内旅行…本州最北端への旅

              ( 飛行機で秋田へ ) 

< 第1日 男鹿半島をめぐる >

 飛行機で、伊丹空港を出発し、秋田空港に着いた。

 空港でレンタカーを借りて、男鹿半島へ向かう。

 明朝、五能線の始発駅である東能代駅から 「しらかみ1号」 に乗る予定。そのため、今日は男鹿半島に遊び (ドライブして)、半島の西端近くの温泉に一泊する。

 男鹿半島と言えば、遠い昔、学校で教わった「八郎潟の干拓事業」。ただそれも、言葉の上だけの知識で、その後、歳月を経て、ナマハゲという奇祭があることも知ったが、くわしいことは何も知らない。

 ナマハゲもさることながら、今回、男鹿半島に立ち寄ったのは、日本海に突き出した男鹿半島の、そのトン先の大間崎。そこに立つ大間崎灯台を見たかったからである。

         ★

 寒風山は、男鹿半島の真ん中あたりに位置する。

 パノラマラインのヘアピンカーブをゆっくり走って、標高355mの山頂に到着。一面の草原状の起伏が美しい。

 入場料を払って回転展望台に上がってみるが、曇天のため、日本海の眺望は良くない。晴れていれば、絶景だろう。

 眺望は良くなかったが、展望台の中で、少し勉強をした。

 そもそも寒風山は火山の島だった。噴火による成長もあったが、北側に米代川、南側に雄物川が日本海に流れ込み、その土砂の堆積によって、陸続きの半島になった。

 半島の付け根にあたる寒風山の東に、汽水湖の八郎潟が取り残された。

 琵琶湖に次ぐ大きな湖であった八郎潟は、干拓事業により広々とした田となって、湖はわずかに残るのみとなった。 

 (寒風山展望台付近からの日本海の眺望)

         ★ 

 せっかく男鹿半島へ来たからには、ちょこっとでも「男鹿のナマハゲ」に触れたい。旅に出る前に「なまはげ館」という施設があることを知り、寒風山からナマハゲの里へと向かう。 

 道路は快適で、やがて、こんもりとした山中に「なまはげ館」があった。

 そのすぐ先には、なぞめいた雰囲気の漂う神社があったので、まず土地の神さまにご挨拶する。

 真山神社という。

 この神社の奥に、真山 (マヤマ 567m)、本山 (モトヤマ) という峰続きの山があり、平安時代ごろから山岳信仰・修験道の場となった。真山神社の奥宮も、真山にある。

 故に、今も、神仏混合、山岳信仰の風を残す神社である。

 ナマハゲは、この「お山」から、大晦日の晩に降りてくるそうだ。

       

    ( 真山神社の門と本殿 )

 参拝を済ませ、木立を隔てた「なまはげ館」に入ると、たくさんのナマハゲたちが迎えてくれた。

 

 恐ろしい鬼の顔をもち、包丁(或いは、鉈)を手にして、蓑を着たナマハゲは、真山、本山の神々の化身とされる。ゆえに、各家では、災禍を祓い、豊作・豊漁・吉事をもたらす神として、丁寧にお迎えする。

 村里に現れたナマハゲは、大音声を発しながら、怠惰な子どもや嫁を探し、家に侵入してくる。一家の主人は正装して迎え、怠惰な子も嫁もいないと弁明し、お酒と料理を出して帰っていただく、という行事である。

  

     ( 「なまはげたち」 )

  「なまはげ館」を出て、ナマハゲの行事を実演して見せる「男鹿真山伝承館」に入った。

 他の観光客とともに、囲炉裏のある座敷の端に座って待っていると、突然、家が揺れ動くような音をたて、ナマハゲが怒鳴りながら入ってきた。

 次々にふすま、障子を開け、家中を探し回る。すごい迫力だ。 

 そして、家の主人との問答 (怠け者はいないかという詮議と、そのような者はいないという弁明) となり、お酒を出して、来年も、また来てくださいと送り出す。

   (「伝承館」のナマハゲの一場面)

 伝承館のそばに、トイレがあった。清潔で、ウォッシュレットだった。

  

   (「伝承館」のトイレ)

          ★

 天気が良ければ、男鹿海上遊覧船に乗って、船から男鹿半島を眺めるつもりだったが、あいにくの曇天なので、あきらめて入道崎に直行する。

 パーキングに車を置くと、すぐに、入道崎灯台があった。

 灯台から先へ、草原が日本海へ向かって開けている。「灯台のある岬50選」の一つ。

 そこここに、マーガレットの白い花が咲き乱れていた。

 

 ここは、北緯40度の線上にあるそうだ。碑があり、40度のラインを示す石が、点々と草原に並んでいる。40度は、北京、そして、マドリッドとほぼ同じ緯度のようだ。

 

 

  青い海があれば、申し分ないのだが ……。

  夜は、近くの温泉宿に泊まった。

 

 

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