JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

西村賢太 「どうで死ぬ身の一踊り」

2012-02-18 | BOOK


2011年、いろんな発見がある中で、ダントツ、ピカイチが西村賢太という作家さんでした。
西村賢太さん文庫本2冊目は5月に読了したもの。

「墓前生活」

「どうで死ぬ身の一踊り」

「一夜」

の短編3編・・・

「墓前生活」はFAXの裏に清造全集に使おうと書きおいていたものが元とか。彼女が褒めてくれた文章です。
ここでは西村さんの重要な側面、ただごとではない藤澤清造への傾倒がとても興味深く楽しめるし、西村賢太の正気と狂気を知るには重要な作品と思われます。
藤澤清造。もちろん未知の方ですが、この人がこれだけ傾倒するのであれば何としても一読したい。
有名になってもなかなか全集の発刊とはならないようですが、西村効果で「根津権現裏」が文庫になったではありませんか。
西村文庫完読後の楽しみができた。

何のその どうで死ぬ身の一踊り -藤澤清造

それでもやっぱり西村さんは女の人との関わりが出てくると俄然面白さが増すのです。

「どうで死ぬ身の一踊り」
こちらは輪をかけてただごとではない状況。
一旦は逃げ出した女を未練がましく引き寄せようとする。その手腕に期待していると、女の方も女であっさり涙なんか見せちゃったり・・・、もうどうにもなりません。溜まりません。随喜の涙。
そして食卓での事件へと発展。
「暗渠の宿」のラーメン事件、今回はカレーライス事件。お楽しみください。

「一夜」では、ズワイ蟹事件です。鯖寿司もあるし焼き鳥だってあるのです。
女に対して反省もあり、楽しい一時をとの思いがあるのに。嗚呼、何故こうなってしまう。身勝手DV男の言い分にエールを送りたくなります。駄目になるのが明白なだけに・・・
(まだ手離せねぇ)(今はまだ、手離せねぇ)・・・

なんて面白いんでしょう。

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