JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

高橋 敬一 「昆虫にとってコンビニとは何か?」

2008-01-19 | BOOK
Hero-Nが学校で借りてくる本といったら
発見 (栗林さんの虫めがね (1))といった本ばかり。
子供の頃、特別虫に興味を持たなかった私奴も影響されてこんな本を買ってみた。

高橋 敬一 / 朝日新聞社(2006/12)
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昆虫と人間。時に対立し、時に思いがけず協調する「昆虫と文明」の関係を、28の事例で紹介。各章の見出しは全て「昆虫にとって○○とは何か?」
コンビニ、車、ゴルフ場、排水、スーパー、名前、昆虫マニア、戦争・・・

こんな本を読んでちょっとばかり知識を得て、Hero-Nに自慢のひとつでもしてやろうという魂胆。

著者はカメムシ採集人。オオムラサキやギフチョウのような目立つ虫だけが昆虫ではありません。と断り、出てくる虫はカメムシ系やらクソムシ系やら、聞いた事も無い小さな虫たち。その名前といえばナガヒラタチビタマムシ、オオシマクシヒゲムシ、アマミクチキクシヒゲムシ、キボシヒゲブトコメツキ、アイヌコメツキダマシ、マエアカクロベニボタル、イシガキコバネジョウカイ・・・・と
この中に筒井さんや椎名さんの作り出した架空の生物の名前が紛れ込んでいても気付かない。

昆虫を通して文明論になっていたりするのでなかなか面白い。

自然保護についての記述
「人間生活に欠くことのできない資源および環境を確保する人間のための自然保護。もちろん一向にそれでかまわない。
また、自分が生きてきた環境へのノスタルジーにすぎない。
環境破壊の果てにたどり着く未来が今の私達から見てどんなにひどいものであっても、その時代に生まれ育った人間には、さほど悪い物には映らないだろう。」

それにしても昆虫マニアっていう人たちが居るんですなぁ(そりゃ居るだろうけど)著書自身も昆虫マニア。
夜のコンビニに毒ビンをポケットに忍び込ませ、忍び寄る甲虫マニア、ガマニア。鋭い眼光でガラス上に動く2ミリ程度の虫を見極め、捕獲し、何事もなかったように買い物をして帰っていく。
これご本人の事なんじゃないでしょうか。実にリアルでブキミ・・・

ところどころ数の論理でもって、大勢に影響が無いといった感じの記述があり潔い。車を走らせるといったいどのくらいの昆虫を殺す事になるのか・・・
1キロ走ると100頭くらいにぶつかる。でも、そんなの関係ねぇ。

ある時は地に這い蹲り、木片や枯葉を引っ掻き回すといった非常に低く近距離の目線から、たちまち高みに昇り人間社会、地球環境といった神の目線まで到達する視点の高低差がとても楽しめる一冊。
だからといって、急に昆虫に興味を持ち、次から次へと昆虫本を読み漁っていくという事にはならないんですけど・・・

さて、Hero-Nと糞虫の仲間の生態について語り合おうか・・・

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