福田和也氏はen-taxi(談春「赤めだか」連載)の編集に携わっていたり、気になる存在でしたが、今回初めて読みました。
決して、今更ながら器量を大きくしたいという志で読んだわけではない。
立ち読みした冒頭の
「人間の見方が、薄っぺらになっている。(中略)昨日までの人気者が、あっという間に、踏みにじられる。
さきほどまでもち上げていた人を、一刀両断して何の疑問も感じない。その変わり身を恥じる事もない。」
「今日の世間に(高橋)是清が生きていたら、女性問題だけでボロボロにされてしまうでしょう。表舞台に登場することすら出来ないかもしれない。」
に大いに共感を持っったので読んでみようと思った次第。
ただ、何故そのような環境に陥ってしまったのか、マスコミを初めとする現代の風潮、環境を鋭く抉る内容ではなかったのは肩透かし。
しかし、過去の大人物たちの知らざるエピソードがふんだんに紹介され、読み物としては大変面白かった。
中には何処が大人物なのか不明(今の小粒なそこそこの人物とどう違うか)なものもありましたが・・・・
そんな環境の現代日本において、少しでも大人物に近づこうと、ご自身の物書き、評論の仕事に対する姿勢を語る件り。福田和也氏は決して大人物ではないけれど、自分自身の心意気のため、この部分が尤も感動的ではあった。
この人の他の本も読んでみても良いと思った。
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