図書館にずらっと並んだポプラ社の江戸川乱歩・少年探偵シリーズ。おどろおどろしいカバーの絵にワクワクした、そのカバーもオリジナルなまま文庫化されたのが、まず嬉しい。

大好きなジャケットのレコードが紙ジャケ仕様でCD発売されたような感じですか?
柳瀬茂の挿絵もちゃんと付いてます。

とかなんとか言っちゃってるけど、実のところ、私、江戸川乱歩の少年小説は一切読んだことが無いんです。

子供心にも子供が探偵の真似ごとをして活躍するというのが嫌で許せなかった。背伸びをして探偵小説を読むなら、探偵は立派な大人であって欲しいと思ったのです。シャーロック・ホームズや怪盗ルパンにはほんのちょっと入れ上げたけれど江戸川乱歩はダメ。食わず嫌い。だから名探偵コナンも食わず嫌い・・・

今回、初めて読んでみて、想像以上な子供向け文体や説明が意外でした。
小学4、5年生向け。6年生になるとちょっとダルいんじゃないか?
物語は流石、江戸川乱歩。
青銅の魔人の不気味さ。戦後間もない東京・銀座の深夜に登場する。まるでいなかの原っぱのように寂しい銀座の夜。

青銅なのにふと消えてしまったり、四つん這いになって駆け出してみたり・・・

魔人に囚われた昌一君と妹は青銅魔人のアジトで小魔人にされてしまう・・・

怪人二十面相のトリックが暴かれた後の執こい活劇も魅力のひとつなんですね。
「思い出の青銅の鎧」って表現に受けた。

読後、Hero-Nに下げ渡して勧めたら、ほぼ一気に読んでました。
私の小学生時代よりうんと多くの本に触れているHero-Nですが、途中、話がどうなったか解らなくて、何度もページを戻ったそうです。やはり童話とは訳が違うか。
このシリーズ、最低でもあと2冊くらいは読みたい・・・



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