夏は涼しく省エネを…なぜ白い屋根にできないのか、一戸建ての多くが黒っぽい色(松島修)
日刊ゲンダイDIGITAL より220813
沖縄の白瓦屋根
【富を拡大するインテリジェンス2.0】
本質の理解は富を拡大します。
日本人は本質的なことや根源的なことを抜かして議論することが多いので的外れになりやすいです。本質が分かれば、お金を使わなくても、頭を少し使うことで富は拡大します。頭を使うといっても極めて簡単なことなのに皆が気づいていないだけのことです。一例を解説します。
現在、猛暑のため電力不足が指摘され、エアコンの節電が推奨されています。
また、東京都では地球温暖化対策として新築一戸建てに太陽光パネル設置を義務付けることが議論されています。
太陽光パネルを設置するには100万円単位で費用が発生します。利権もからんできそうです。
しかし、まず、お金をかけずに環境に配慮する施策は屋根を白系の色にすることです。白色は太陽光を反射し、黒色は太陽光を吸収します。
現在、日本の一戸建ての屋根の多くが黒っぽい色になっています。瓦の色のイメージからだと思います。黒系の色の屋根だと、断熱しても夏場の部屋はかなり暑くなり、エアコンで冷やす必要があります。
しかし、黒系から白系の色にするだけで部屋の温度は数度も下がります。白系の屋根にするだけで夏が涼しくなると同時に、冷房用の電力消費量が減るため、一番電力不足が深刻になる夏場の電力消費量を抑えることが可能です。
家の新築時やリフォーム時に屋根の色を白系にすることを義務化ではなくても推奨するだけで余計な費用負担なしに簡単で効率的な環境対策ができます。
■行政も本質的な理解を
聞けば当たり前、でも、ほとんどの人が白系の屋根にせず、政府も白系の屋根を推奨しないのは皆が本質的なことを考えていないからです。
今回、地球温暖化の本質には触れませんが、家についてもっと本質的なことは夏場でもエアコンを使用しないで済む設計にすることです。
全ての分野で本質の理解が欠如しているので頭を使うことが大事です。
ちなみに、太陽光パネルの温度が上昇するほど発電効率が落ちていくので、屋根の色を白系にすることでパネルの温度を下げたり、屋根の形によっては白い屋根からの反射で発電量が増える効果もあります。
立地によっては近隣から屋根が白すぎて迷惑ということもありますが、反対に目の前の屋根が黒いのは嫌だと思っている人もいらっしゃると思います。景観ガイドラインなどにより屋根の色が白系にできない地域もありますが、これは白い屋根にするようにガイドラインの変更も可能だということです。
本質の理解が富を拡大します。
(松島修/投資助言会社社長)
💋近年,特にそう思う、壁のふくめ放熱効率のよい白系がええんちゃうと思ってたが、やっぱり。