日本語おもしろ発見

日々の生活から

さようなら・・・「好去」と「好在」

2009-12-07 16:28:26 | 日記
 私がハングルもろくに読めないのに、韓国に仕事を得て、その地に向かったのがもう10年も前のこと・・・

 文字の素晴らしさ(たとえば、規則さえわかれば、意味がわからなくてもとりあえず、声に出して読むことができる)にも感動しましたが、日本語にはない表現のあいさつの言葉にも驚きました。

 たとえば、別れのあいさつの「さようなら」ですが、韓国語では、その場に残る人と、立ち去る人では、言う言葉が違います。

 その場を去る人が、その場に居残る人に言うのは、”? ???.” (無事に、安寧に、いてね)

 その場に居残る人が、その場を去る人に言うのは、"? ??." (無事に、安寧に、行ってね)

 これは、私は非常に面白い表現だと思いました。なぜ、よく覚えているかというと・・・当時、日本からいらっしゃった筑波大学の先生から、韓国語で何か面白い表現はないかと聞かれたので、私はこれを答えたからです。(しかし、筑波大学の先生はそんなことは百も承知と言う感じで、他にないかとさらにお尋ねになりました・・・)

 日本でも中国でも、現在では、このように残る人と、去る人であいさつは変えません。

 しかし、中国でも唐の時代の初めのころの口語では、このような区別があったようです。

 その場を去る人が、その場に居残る人に言うのは、「好在(hào zài)」

 その場に居残る人が、その場を去る人に言うのは、「好去(hào qù)」

 唐の初めのころには、このような違いがあったということ、韓国語では、現在もそのような違いがあること、万葉集にも、「好去」という表現が見られ、当時の人は、日常生活に、中国の言葉をおそらく取り入れていただろうということを思い、懐かしいというか、面白いというか、楽しい気分になりました。^^
コメント
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