今週は単純にドラマとして見る分には引き込まれるものが
ありました
記憶も曖昧になり、子供?に対する愛情だけで全てを占め
ている秀吉
手の震え、老いた顔の表情、覚束ない体、時にはっきりする
言葉、竹中・秀吉の演技につい見入ってしまいました
「わしは間違っていたと思うか?」と秀吉に聞かれ、「殿下は
信長公に拘り過ぎたのです。」と官兵衛、強権的な政治手法
を暗に批判
「秀頼と豊臣家を頼む」と秀吉に哀願される官兵衛ですが、
握り締めていた手を離し「天下とはその器たるべき者が治める
べきと存じます」と…
6才では天下を治める事は出来ないとはっきり否定している様
なもの
その言葉を聞いた秀吉は「わしが死んだら豊臣を滅ぼすつもり
であろう」と増々疑心暗鬼に…
しかし「世の乱れを収めたかっただけだ」と返答する官兵衛の答
えに秀吉も納得したようですね
「官兵衛は変わらない、いつまでたってもお人好しだ」と秀吉に言
われる官兵衛ですが、表情は満更でもなさそうです
帰り際「すまなかった、おぬしの思うような天下人にはなれなかっ
た!!」と深々と頭を下げる秀吉
あり得ない話ですが、個人的には妙に感動的なシーンでした
史実とはかなりかけ離れているようですが、プロセスを描くのが歴
史小説であり映像だと思うので、これもありかなとも…
「露とおち 露と消えにし わが身かな 難波のことも 夢のまた夢」
秀吉辞世の句と言われていますが、秀吉が本当に詠んだのかは別
にして中々意味深な歌です
そのまま詠めば卑賤の身から天下人となったが、自分が死んだ後、
豊臣の天下が続かない事を悟っているような歌です
どんな人でもいつかは朽ちる、平家物語の盛者必衰と同じ人生観を
感じます
ドラマでの官兵衛は清廉潔白、欲の無い人物として描かれています
が、官兵衛も戦国武将
武人としての性を消す事など出来る訳がありません
秀吉が亡くなってから吉川広家に「面白い時代が来た」と言っている
くらいですから、乱世を望んでいた事だけは間違いなさそうです