森と水辺の散策紀行

東京近郊の森や丘陵、山に川など、
ぶらり気ままに散策しています。

タナゴの聖地?へ

2011年12月30日 | 釣りや魚に関すること
関東におけるタナゴ釣りの聖地は「霞ヶ浦」ではないのでしょうか?
タナゴ初心者の私は未だ行ったことはありませんが、色々なタナゴが
釣れるようです。   ※最近は以前ほど釣れない話も聞きますが。

タナゴ釣りの聖地が霞ヶ浦なら、私にとってタナゴ自体の「聖地」は
埼玉県の比企郡滑川町と勝手に思っています。
ここは国の天然記念物「ミヤコタナゴ」で有名な町であることは広く
知られています。

埼玉で絶滅したと思われていたミヤコタナゴがこの町の溜池で発見され
てから町を挙げて保護活動を行っているようです。

もともと東京都内で発見されたことで「ミヤコ」の和名がついた魚で、
外来種のタイリクバラタナゴがやっと釣れるくらいの現在の都内では
野生のミヤコタナゴに会える可能性はもう無いでしょう。

実はタナゴ釣りを始める前からミヤコタナゴのことは知っていました。
子供が小さいときによく行った井の頭公園に小さな淡水魚水族館が
あって、そこにミヤコタナゴが保存展示されていたからです。

説明文に二枚貝に産卵する珍しい魚だと書いてあったのを覚えています。
タナゴ釣りを始めてタナゴの種類や生態を知れば知るほど天然記念物の
ミヤコタナゴが特別のものであることを再認識しました。

さて「聖地」と言いましたが、イメージとしては
霞ヶ浦はタナゴのアミューズメント。いわばディズニーランド(遊び)。
滑川町はタナゴの古都、いわば京都(学び)といったところでしょうか。

ということで今日は京都旅行、いや滑川旅行に行ってみました。
滑川町には滑川エコミュジアムセンターというのがあってミヤコタナゴが
展示されているそうですが、今日は年の瀬で休館日です。

もっともミヤコタナゴを見に行ったのではなく、野生のミヤコタナゴが
生息できた町を訪れたいと思ったいましたので問題ありません。

昼頃に滑川町に着いて、あても無く車を走らせていると、田園風景が
広がってきました。
するとナビに池のようなものが点在している場所が現れたので、そちらの
方向にハンドルを切りました。

雑木林脇の道をしばらく走ると眼下に池が見えました。車を止めて良く
見ると釣り人が見えます。
狭い道ですが、なんとか道路脇のスペースに車を止め池に下りてみました。
さほど大きくない人造の池に釣り人が5人くらい。皆ヘラ釣りのようです。
タナゴ仕掛けの人は居ません。



公園のようになっているが遊具等は無く池と雑木林。クヌギなどの広葉樹が
多く、夏はカブトムシやクワガタで賑わいそうな場所です。
風が強く、佇んでいると広葉樹の枯葉がキラキラと銀色に輝きながら水面に
次々と舞い落ちてきて、何とも幻想的な光景でした。

車に戻り来た道を戻ると一瞬、木の影から別の池が見えました。車から降りて
池への入り口を探しますが、道端は笹が生い茂りとても下りて行けそうでは
ありません。
諦めて車に戻ろうとしたとき、僅かに笹と笹の間が開いている場所が目に
入りました。
覗き込むと狭いが通路のようになっています。笹が垂れ込め笹のアーチが続い
ているような感じですが、その先の様子は分かりません。
かなり薄気味悪いし、イノシシに注意の看板も出ているので迷いましたが、
折角の聖地です。下りてみることにしました。



笹のトンネルを下りてゆくと池の端に辿り着きました。
先ほどのコンクリート護岸の人造湖ではありません。野池というか沼というか、
独特の雰囲気をかもし出しています。



水面を見ると薄氷が張っていますが底は見えました。このあたりはまだ浅いです。
もっと進めば深くなっていくのでしょうが、何とも神秘的な雰囲気に正直圧倒さ
れてしまいましたし、風で竹や木々もざわめいています。
もしかしたら夏は釣り人達で賑わう場所なのかもしれませんが、今日は人を寄せ
付けないものを強く感じましたので、早々に来た道を戻ることにしました。

振り返りながら、こうゆう場所がある町だからこそミヤコタナゴは生き延びた
のだろうかと思いました。

この池には来年の春にでももう一度来てみようと思います。
たった半日の「聖地」訪問でしたが、不思議な充実感を得た一日となりました。



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