意外や意外、平沼赳夫前経済産業相が、「あくまで反対」と節を曲げず「真の政治家」を証明した

2005年10月12日 17時58分33秒 | 政治
郵政法案が衆院可決、参院へ 200票の大差で (朝日新聞) - goo ニュース

 郵政民営化関連法案が11日の衆院本会議で、自民・公明両党などの賛成多数で可決、参院に送られた。民主、共産、社民など野党各党は、反対した。賛成三三八、反対一二八の二〇〇票差だった。参院で可決成立するのはもう目前である。
 小泉首相が、「郵政民営化」をライフワークとし、しかも「節を曲げず」に孤軍奮闘してきた執念の結果であり、信念を貫いて、ここまでもってきたことに敬服する。
 ドイツの社会科学者・マックスウェーバーが、「職業としての政治家」という著書のなかで、政治家の資質について「しつこさ」であると書いているけれど、小泉首相は、「しつこさ」にかけては、天下一品である。まさに政治家中の政治家といえよう。
 「しつこさ」というのは、コツコツと巨岩に穴を開けて行くような、大変な作業である。それを「まだやっているよ」というように皆から呆れられ、馬鹿にされても、諦めず、ただ一人になっても、「しつこく」コツコツと打ち砕いていく。ときには絶望的になりそうな作業である。「しつこさ」というより、「執念深さ」と言い換えてもよかろう。
 それに引き換え、情ないのは、郵政民営化法案に反対し、「刺客」まで送り込まれて、「自民党から除名処分」や「支部長剥奪」などの脅しをかけられて、今度は、やすやす「賛成票」に投じた議員たちである。「反対」を公約として有権者に訴えて、当選してきていながら、このザマは何だ。信念のカケラもないではないか。
 無所属の前回反対票組12人のうち、野田聖子、堀内光雄、保利耕輔、江藤拓、今村雅弘、武田良太、古川禎久、保坂武、森山裕、山口俊一ら11人があっさりと、今回賛成票を投じて、小泉首相の「軍門」に下り「恭順の意」を明らかにしたのである。投票してくれた有権者に対してではなく、「小泉首相一人」に色目を使う「卑しい態度」である。この「変節」をどう見るか。
 マックスウェーバーのいう「政治家の資質」からみて、まったく「資質欠如」というしかないだろう。「政治家としての資質に欠ける」のであり、その証明が本会議場で、天下の衆目が集中しているなかで、証明されたからには、即刻、議員辞職してもらわなければ困る。こんな議員は、政治家ではない。
 これに反して、あくまで「反対」を貫いた「平沼赳夫前経済産業相」が、意外にも男を上げた。首相候補の一人との下馬評を受けながら、一方で「グズ」という批判を浴びて、首相には相応しくないと悪評も受けてきたけれど、今回の投票行動では、小泉首相とは正反対の立場ながら、あくまで「反対」を貫き、「節を曲げない政治家」を実証してみせたのである。「しつこさ」という政治家の資質を持っていることが、国民の目に明らかになり、一気に「株」を上げたようである。
 それに引き換え、小泉首相の「言いなり」「右向けと言われれば右に向く」ようなまるで金魚の糞のような政治家が、いかに多いことか。それも若い「小泉チルドレン」たちの「金魚の糞」ぶりは、目を覆いたくなるほどの体たらくである。
 これからのこのように、「命令」されるままの政治行動を取っていくつもりなのであろうか。これでは、前途が暗くなってしまう。これからは、これら「小泉チルドレン」を「金魚の糞組」と呼ぼうではないか。
 この点、あくまでも反対の姿勢を通した「国民新党」「新党日本」の老人議員たちに喝采のエールを送ろう。「偉い!」
 老体にムチ打って熱い湯に使って、じっと痩せ我慢を続けている姿こそ、美しい。まさしく「マックスウェーバー」の「しつこさ」を実践する姿であり、「真の政治家」と言えるからである。
 ちなみに、11日夜、日本テレビ番組で「日本のシンドラー・杉原千畝」を放映していた。リトアニア領事としてヒトラーに迫害されたユダヤ人2000人のビザを発給し、6000人の生命を救った外交官である。外務省本省のファシストたちの反対を押し切って「人道」を貫いた「正義の人」として描かれていた。
 戦後、外務省は杉原千畝を「解雇通告」して迫害している。にもかかわらず、いまや「日本の名誉」「日本の誇り」として自慢のタネにしている。なんたる「変節!」ここでも「恥を知れ」と言いたい。
 他人の作品だが、ここで一句。
 「物言えば唇寒し、秋の風」
コメント (1)
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