恐るべし新華僑の台頭、「老華僑」と「新華僑」との対立が顕著に

2007年10月02日 21時48分42秒 | 政治
◆第九回世界華商大会(主催:日本中華総商会・中華年組織委員会)が九月十五日、十六日の二日間は神戸国際会議場で、十七日は大阪国際会議場で、「和」をテーマに開催され、世界三十三カ国・地域の華商約三千六百人が参加した。
板垣英憲事務所から記者として派遣した。その報告によると、世界の華僑・華人が、急速に力を伸ばしているということである。東アジアに位置する日本は、うかうかしていられない。報告の一端を紹介しておこう。
この大会は一九九一年にシンガポールで開催されて以後、二年に一度、華僑・華人に縁のある都市で開催され、日本では初めてであった。中国側から全国政治協商会議の賈慶林主席、王毅駐日大使らが出席した。これまでの大会では、開催地の元首である大統領が来賓として姿を現して挨拶しており、前回、韓国ソウル大会では、盧武鉉大統領が祝辞を述べている。
◆だが、今回は、安倍首相が突然辞意を示して、「機能性胃腸障害」を理由に入院した直後の開催だったため、日本側来賓のうち、政府与党からは、公明党の冬柴鉄三国土交通相、自民党の二階俊博総務会長がそれぞれ来賓として姿を見せた以外は、自民党総裁選挙で当選が確実視されていた福田康夫元官房長官が、ビデオ放映でメッセージを送るに止まった。華僑・華人たちはいまや、急成長する中国経済を根底から支えて、東アジアやASEANをはじめ世界三十三国に張りめぐらす「ネットワーク」を強化し、「覇権」を確立しつつある。
その重要な時節にもかかわらず、いかに「政治空白」のなかにあるとはいえ、日本の政府与党のまなざしは、冷ややかでさえあった。会場のあちこちからは「日本の政治指導者は、華僑・華人と和を結ぶせっかくのチャンスを無にしている」とガッカリするやら、不満やら声が噴出していたという。
◆もう一つ、面白い報告があった。大会では、世界に散らばるいわゆる「バンブーネットワーク」のなかで、「老華僑」と「新華僑」との対立が顕著になってきていることが浮き彫りにされていたという。
「老華僑」は、古くから海外に移住して、それぞれの地域に溶け込み、財力で根を張ってきて生きている。これに対して、「新華僑」は、中国政府から公費でアメリカなどに留学して、学問、知識、技術を身につけて、そのまま移住先で起業し、財力を得て発言力を強めている。中国政府は年間3000人規模でハーバード大学をはじめ、イエール大学、プリンストン大学、スタンフォード大学といった超一流大学に送り出している。
◆だが、大半は、帰国しない。アメリン「老華僑」と「新華僑」とは交流が希薄なうえに、「新華僑」は、世界経済を牛耳ろうという意識が強く、同じ民族でこじんまりまとまろうとしている「老華僑」の生き方に批判的であり、「世界覇権の確立」に意欲的であるという。この意味で「恐るべき新華僑の台頭」とも言えるだろう。
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コメント (1)
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