参院選挙後、小沢一郎前幹事長の大逆襲が始まる

2010年07月04日 17時49分44秒 | 政治
◆民主党の小沢一郎前幹事長が、参院選挙運動が終盤に近付くにつれて、菅直人首相ら主流派との対決姿勢を強めている。小沢前幹事長は、選挙の結果、菅首相が掲げた「54議席」に届かず、事実上の敗北となった場合、菅首相ら主流派の責任を追及して、退陣を迫り、9月末の代表選挙に立候補して、自らの政権樹立に向かう構えだ。「54議席」以上を獲得し勝利した場合、小沢派を率いて離党し、自民党の一部や他党と連立して、新政権を樹立するという。いずれにしても、参院選挙後は、小沢前幹事長の「大逆襲」が始まる。
◆菅首相らの主流派は、菅政権があくまでも9月末の代表選挙までのいわゆる「選挙管理内閣」にすぎないことを忘れている。小沢前幹事長は、早くから「ポスト鳩山」を言っていたのであり、代表選挙を無投票にもできた。しかし、それでは民主的ではないとの考えから候補者を擁立させて自主投票にしている。これはあくまで演出であった。従って「選挙管理内閣」であれば、消費税アップといった大きな政策課題を打ち上げても、9月末の代表選挙の結果、新しく本格政権が誕生すれば、元も子もないにもかかわらず、いかにも長期安定政権になりそうに見せかけている。これは、大いなる錯覚である。
◆そこで、注目しなくてはならないのは、小沢前幹事長の息のかかった候補者が、選挙の結果、何人当選できるかである。前回参院選挙では、小沢派が増殖しており、今回の参院選挙で小沢派が増えれば、民主党は、参院議員に大きく振り回されることになる。法案が衆院を通過できても、参院で否決されれば成立しないからである。国会運営には、老獪な政治家が求められる所以である。
◆菅首相と仙谷由人官房長官らは、早速、普天間飛行場移設先である辺野古での滑走路建設の工法、着工時期などを決めなくてはならず、それには前提として沖縄県知事の許可を得なくてはならない。その際、反対住民と工事関係者、あるいは警官隊とが、激しくぶつかる恐れがある。ヘタをすれば、市民派首相が、反対住民を弾圧するという皮肉な結果を招きかねない。さらに、夏休み期間中、小沢前幹事長が、次の一手を考え、かたや菅首相側では、小沢派切り崩し工作に必死となる光景を見せつけられることになるかも知れない。
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