◆「愚民の上に苛き政府あり」と福沢諭吉翁が、名著「学問ノススメ」のなかで断言している。いままさに、日本政治は、この言葉通りの状況にある。慶応大学経済学部出身の小沢一郎元代表は、そう痛感しているはずである。日本政治の不幸は、政治のプロ・小沢一郎元代表排除の「愚民政治」と「7つの勘違い」が日本政治を空回りさせ、危うくさせていると言っても過言ではない。
◆①愚民によって選ばれた与野党国会議員の多くは、「総理大臣は、罵倒し非難して、野次り倒せる」と勘違いしている。こう思い込んで疑わないのは、ひとえに日本国憲法の規定についての不勉強にある。第69条の衆議院での「内閣不信任決議案可決」、「内閣信任案否を受けて、内閣総辞職を選んだ場合以外に辞任させることはできない。ただし、訴訟の結果、または議院での懲罰除名の結果、国会議員たる地位を失へば、総理大臣の資格を失ってその地位を失うのは、当然である。
従って、総理大臣自身が、その意思に基づいて辞職しない限り、だれも引き摺り下ろすことはできない。単に辞意を漏らしたり、辞意らしき発言をしたからと言って、その言葉には、法的拘束力はない。これを勘違いして、国会議員が蠢き、走り出すのは、早とちりであり、マスメディアが「退陣」と書き立てるのは、大誤報となる。菅直人首相の6月2日の民主党代議士会において「一定のメドがつけば若い世代への引き継ぎを果たすめ」と発言したのは、これに当る。
ここから、与野党ともに自ら招いた勘違い政局のドツボに嵌ったまま、時間と血税を空費し続けている。私を含めて愚民は、ただ傍観するのみである。
②民主党の岡田克也幹事長、仙谷由人代表代行、玄葉光一郎政調会長(戦略担当相)、安住淳国対委員長、枝野幸男官房長官、輿石東参院議員会長の「6人組」、あるいは、「反小沢」の急先鋒である岡田克也幹事長、仙谷由人代表代行、安住淳国対委員長、枝野幸男官房長官の「4人組」は、「菅降ろし」の急先鋒であるのだが、菅直人首相が「即辞任する」と勘違いして、せっかく野党自民党や公明党などが提出してくれた菅直人内閣不信任案が、可決寸前にあったにもかかわらず、否決してしまった。信任された結果となった菅直人政権をすぐさま引き摺り下ろそうとするのは、どう見ても論理矛盾であった。
さりとて、今度は民主党提出として、再度、不信任決議案を延長国会に提出する勇気は、岡田克也幹事長ら「6人組」にはなく、「座敷牢」にブチ込まれていながら高見の見物としゃれ込んでいる小沢一郎元代表からは「法的には、同一国会に不信任決議案提出は、何回もできるゾ」とからかわれている始末だ。辛いのう。
③岡田克也幹事長、仙谷由人代表代行、安住淳国対委員長、枝野幸男官房長官の「4人組」は、「自民党と公明党の要求通り、『4K』の1つ子ども手当を廃止すれば、公債特例法案に賛成してもらえる」と勘違い、「マニフェストは、財源確保の点で見通しが甘かった」と謝罪までさせられた。
ところが、「外堀を埋めれば、内堀から本丸までも」という具合に攻め続け、ついには、「子ども手当の名前も下ろせ」「残りの3Kも止めろ」と民主党のアイデンティティまで否定し、要求は際限がなく、このまま言いなりになっていると、「民主党を解党しろ」と言われかねないムチャクチャぶりである。
最近は、「予算をもっと削減しろ、しなければ、公債特例法案には賛成できない」と新たな言いがかりをつけてきているという。さすがの愚民の間からは、「防衛費も含めて全省庁予算を一律2割カットすればいい」という正論が飛び出している。自民党は、早期に衆院を解散・総選挙に追い込めば、谷垣禎一総裁の下で大勝できると取らぬ狸の皮算用、こちらも相当の勘違い症候群に罹っていて、救い難い。
⑤民主党の若手国会議員も、かなり勘違いしている。「鳩山由紀夫前首相、菅直人首相、小沢一郎元代表」のいわゆる「トロイカ(3頭立て馬車)」中心の政治に終止符を打ち、若返りを図るべきだと騒ぎ始めている。その首謀者が、代表選に名乗りを上げている馬渕澄夫前国土交通相だ。「トロイカ」を一気に葬り去ろうという策動である。
だが、馬渕澄夫前国土交通相は、つい先ごろまで、民主党最大派閥を率いている小沢一郎元代表に面会して、協力を求めていたはずなのに、ここにきて、「トロイカ」中心の政治に終止符を打とうと叫び始めたのは、小沢一郎元代表から色よい返事をもらえなかったのであろう。
しかし、馬渕澄夫前国土交通相はもとより、前原誠司前外相、野田佳彦財務相、小沢鋭仁元環境相ら代表選出馬に意欲的な若手政治家は、いずれも経験不足のため、統率力、政治力ともに菅直人首相以下だ。それが、2013年8月末までの衆院議員任期満了までに総理大臣になれなければ、2度とチャンスはめぐってこないと焦っているのだ。あくまで私利私欲にすぎない。愚民の幸せは、これっぽっちも考えていない輩である。だから、勘違いも甚だしくなる。
⑥若手国会議員のなかでも、松下政経塾出身の前原誠司前外相(8期生)、野田佳彦財務相(1期生)樽床伸二元国対委員長(3期生)、原口一博元総務相(4期生)、玄葉光一郎 - 政調会長(8期生)らの勘違いは、救い難い。朝日新聞が8月5日付け朝刊「オピニオン面」(11面)の「耕論」欄で「松下政経塾に任せられるか」という見出しをつけて、「松下幸之助が政経塾をつくって32年。政権交代を出身者たちが担い、『ポスト菅』候補にも名を連ねる。だが、ひ弱さも漂い、政治は混迷を深めている。彼らに任せて大丈夫か」と疑問と批判を投げかけている。
⑦与野党ともに、「内閣支持率が急落・低下すれば菅直人首相は、退陣せざるを得なくなる」と思い込んでいた。これが大きな間違い、勘違いだった。
NNN(日本放送)網が8月7日発表した世論調査結果によると、菅直人内閣の支持率は、「15.8%」と横ばいで相変わらずの超低空飛行、政党支持率では、民主党18.5%とこれもまた、超低空飛行。読売新聞は8月7日付け朝刊「政治面」(4面)の「政(まつりごと)なび」欄で、政治部の河島光平次長が「『青木の法則』と菅政権」と題して、面白い文章を掲載している。「青木」とは、自民党の青木幹雄元参院議員会長のことである。「青木の法則」とは、青木幹雄元参院議員会長が唱えた説である。それは「内閣支持率と与党第1党支持率の和が50%を切れば、首相はほどなく退陣する」と「内閣支持率と党内の首相支持率の和が100%ならば政権は安定する」の2種類あるという。
この法則に照らせば、「内閣支持率15.8%+与党第1党支持率18.5%=34.3%」ということになり、法則通りならば、「首相はほどなく退陣する」という結果になっているはずである。河島光平次長は「今の政治に『青木の法則』が通用しないのは、時代の変化ゆえと言うより、本来は政権を担うほど成熟していない政治家が権力の中枢に座つてしまった危うさゆえと言えるかもしれない」と結んでいる。まさしく、その通りだろう。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
米国債格下げは、「ドル時代終わりの始まり」、新基軸通貨「アメロ」への切り替えのチャンスとなり、ディビッド・ロックフエラーが策動する「悪の戦争経済」に突入か?
◆〔特別情報①〕
いよいよ現実化してきた。それは、基軸通貨の「ドルから新通貨アメロへの転換」である。はっきり言えば、米国は、すべてがガタガタである。このことが、基軸通貨ドルの立場を最悪にしている。スタンダート&プアーズが米国債の格付けを最上級の「AAAが、から「AA+」(前日のブログでAA-、日本と同じと書いたのは、間違いなので、訂正する)に格下げされたからと言って、いまさら驚くまでもない。とっくのむかしに権威は失墜していたにすぎないのだ。
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『自・社連合が小沢一郎への逆襲をはじめた』1994年7月30日刊
もくじ
3章 社会党が"野合連合"をした裏にあった台所事情
―官房機密費の蜜の味を求めた社会党―
議員半減で、台所が火の車になった社会党
社会党は、平成五年七月十八日の総選挙で歴史的な大敗北を喫し、衆議院議員の数が、半減し、打撃を受けた。このため、台所は、またたく間に火の車となった。というのは、社会党は、元来は労働者の政党であるという党の体質から自民党のように企業献金をアテにできないため、党の収入源を国会議員の歳費や立法調査費に依存してきたからである。
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四王天延孝陸軍中将の名著「猶太(ユダヤ)思想及運動」 No.126
第三章 ロシヤ革命と猶太
前回からの続き
附記
此の農民搾取の方法は那翁一世当時迄フランスに於ても略同様のことが行はれたのであつて、ナポレオン一世は千八百〇六年五月三十目に勅令を出して日く、
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新刊本が増刷(4刷)となりました。全国一般書店にて好評発売中!
「孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学」(PHP文庫)
板垣英憲著(←amazonへジャンプします)
ソフトバンクを3兆円企業に育て上げた稀代の起業家・孫正義。その成功の原動力となったのが、自らの人生・経営哲学を「25文字」の漢字に集約した「孫の二乗の法則」である。これを片時も忘れないことで、孫は幾多の苦難を乗り越えてきた。では、私たちが自分の仕事や人生に活用するにはどうすればいいか。その秘訣を本書では伝授する。「孫の二乗の法則」を本格的に解説した唯一の書、待望の文庫化!(本書カバーより)
◆①愚民によって選ばれた与野党国会議員の多くは、「総理大臣は、罵倒し非難して、野次り倒せる」と勘違いしている。こう思い込んで疑わないのは、ひとえに日本国憲法の規定についての不勉強にある。第69条の衆議院での「内閣不信任決議案可決」、「内閣信任案否を受けて、内閣総辞職を選んだ場合以外に辞任させることはできない。ただし、訴訟の結果、または議院での懲罰除名の結果、国会議員たる地位を失へば、総理大臣の資格を失ってその地位を失うのは、当然である。
従って、総理大臣自身が、その意思に基づいて辞職しない限り、だれも引き摺り下ろすことはできない。単に辞意を漏らしたり、辞意らしき発言をしたからと言って、その言葉には、法的拘束力はない。これを勘違いして、国会議員が蠢き、走り出すのは、早とちりであり、マスメディアが「退陣」と書き立てるのは、大誤報となる。菅直人首相の6月2日の民主党代議士会において「一定のメドがつけば若い世代への引き継ぎを果たすめ」と発言したのは、これに当る。
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だが、馬渕澄夫前国土交通相は、つい先ごろまで、民主党最大派閥を率いている小沢一郎元代表に面会して、協力を求めていたはずなのに、ここにきて、「トロイカ」中心の政治に終止符を打とうと叫び始めたのは、小沢一郎元代表から色よい返事をもらえなかったのであろう。
しかし、馬渕澄夫前国土交通相はもとより、前原誠司前外相、野田佳彦財務相、小沢鋭仁元環境相ら代表選出馬に意欲的な若手政治家は、いずれも経験不足のため、統率力、政治力ともに菅直人首相以下だ。それが、2013年8月末までの衆院議員任期満了までに総理大臣になれなければ、2度とチャンスはめぐってこないと焦っているのだ。あくまで私利私欲にすぎない。愚民の幸せは、これっぽっちも考えていない輩である。だから、勘違いも甚だしくなる。
⑥若手国会議員のなかでも、松下政経塾出身の前原誠司前外相(8期生)、野田佳彦財務相(1期生)樽床伸二元国対委員長(3期生)、原口一博元総務相(4期生)、玄葉光一郎 - 政調会長(8期生)らの勘違いは、救い難い。朝日新聞が8月5日付け朝刊「オピニオン面」(11面)の「耕論」欄で「松下政経塾に任せられるか」という見出しをつけて、「松下幸之助が政経塾をつくって32年。政権交代を出身者たちが担い、『ポスト菅』候補にも名を連ねる。だが、ひ弱さも漂い、政治は混迷を深めている。彼らに任せて大丈夫か」と疑問と批判を投げかけている。
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この法則に照らせば、「内閣支持率15.8%+与党第1党支持率18.5%=34.3%」ということになり、法則通りならば、「首相はほどなく退陣する」という結果になっているはずである。河島光平次長は「今の政治に『青木の法則』が通用しないのは、時代の変化ゆえと言うより、本来は政権を担うほど成熟していない政治家が権力の中枢に座つてしまった危うさゆえと言えるかもしれない」と結んでいる。まさしく、その通りだろう。
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3章 社会党が"野合連合"をした裏にあった台所事情
―官房機密費の蜜の味を求めた社会党―
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社会党は、平成五年七月十八日の総選挙で歴史的な大敗北を喫し、衆議院議員の数が、半減し、打撃を受けた。このため、台所は、またたく間に火の車となった。というのは、社会党は、元来は労働者の政党であるという党の体質から自民党のように企業献金をアテにできないため、党の収入源を国会議員の歳費や立法調査費に依存してきたからである。
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