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自分に合うウイスキーを求めて(特別編 白州蒸溜所ツアー第三話)
【ちょっと一息】ウイスキー三昧な一日 第三話
「白州蒸溜所 五感で楽しむシングルモルトツアー」の 第二話では、レストランとバーの様子をお伝えしましたが、第三話は、工場見学についてご紹介します。いくつかの蒸留所の見学コースを見ていますが、白州蒸留所の見学は、日本一、だと思っています(これはお世辞ではなく)。
そもそもシングルモルトの原料は何か、それは
「二条大麦」
なんですね。この大麦が、琥珀色の美味しいウイスキーに変化する過程を、この工場で見ることができます。
キルン(乾燥塔)を模したウイスキー博物館に集合。
この日の女性ガイドの方、凄く声がとおるんですよね。良かったですよ。ありがとうございました。
さあ、スタートです。
蒸留所の建物の入口を入るなり、麦芽でしょうか、甘い、温かい香りが充満。嬉しくなりますね。
0.原料
・大麦には二条大麦と六条大麦があるんですが、ここでは二条大麦を使います。二条大麦はデンプン質が多いからです。
・水(仕込水)ですが、ここでは「サントリー天然水南アルプス」を使うんですって。
1.製麦
・浸麦槽(スティープ)で、大麦を水に浸して、発芽させます。その時に発生する酵素でもってデンプンを糖に変えます。
・発芽した大麦をコンクリートの床に広げ、発芽が均一になるように木製シャベルで攪拌を繰り返します。
・さらに発芽の進行を止めるために麦芽乾燥塔(キルン)で火を焚き、乾燥させます。このときにウイスキーの香りに影響を与えるピートを一緒に焚きます。
*ここ白州蒸留所では、専門の麦芽製造業者(モルトスター)より仕入れているのでこの工程はありませんでした。白州はあまりピートを焚かないようです。
2.糖化
・乾燥させた麦芽を粉砕し、それを糖化槽に入れ、65度のお湯を加えて攪拌し、発酵に必要な糖液(ウォート)を抽出します。
3.発酵
・ウイスキー作りの醍醐味の一つ、発酵。糖液にイースト菌を加えて、発酵槽に移します。
・イースト菌が糖をアルコールと炭酸ガスに分解します。発酵槽の中で、ぶくぶくと泡を発てて、呼吸をしています。
・ここで、アルコール度は6~8%のもろみが出来上がります。
4.蒸留
・出来上がったもろみを銅製単式蒸留釜(ポットスチル)へ移して、加熱、沸騰させるんですが、沸点の低いアルコールが先に気化します。
・ポットスチルには、初留釜と再留釜があり、加熱→気化→液化、そしてもう一度、加熱→気化→液化を行い、アルコール度の高い(70度)、不純物の少ない蒸留酒(ニューポットと呼びます)を取り出します。
・ちょうど、手前の初留のポットスチル(ストレートヘッド型)で加熱していました。
・ポットスチルにもいろいろな形(首の微妙なラインや長さ)や大きさがあります。サントリーの蒸留所には、ストレートヘッド型、バジル(ボール)型(胴体の上の部分にボールのような膨らみがある)、ランタンヘッド型(胴体とヘッドの間にくびれがある)の3つのタイプがあるようです。
・ポットスチルの形でも出来上がりの味わいが異なるんですって。
5.熟成
・樽(カスク)が積み重なって保存されている貯蔵庫を周ったんですが、入った途端、ウイスキーの香りが鼻を包み、幸せな気分になりました。
ここは普段の見学の場合は、撮影禁止なんですが、このツアーではOKでした。
・生まれたてのニューポットに加水してアルコール度数を63度に落として樽詰めします。3年、5年、10年、15年、30年と年を重ねていくと、樽の成分が溶け出して、ウイスキーに色合いや風味、味わいを加えていきます。
・樽材はミズナラ、スパニッシュオーク(シェリー酒熟成に適する)、アメリカンホワイトオーク(バーボン熟成に適する)、形もいろいろあります。
そうそう、貯蔵庫の奥に透明ガラスの扉でさえぎられたコーナーがありました。扉には「オーナーズカスク」と書いてありました。樽ごとお買い上げで、世界にたった一つのシングルカスクモルトを作ってくれます。オーナー直筆のサインをはじめ、蒸溜所名、カスクナンバー、ヴィンテージ、アルコール度数などを記載したオリジナルラベルのボトルを化粧箱に入れてお届けしてくれます。
・最高額は、なんと
2600万円(1981年蒸留)
・一度熟成させた樽は再度、再生して熟成にまわします。再生をリチャーと呼びます。職人が樽内に焦げ目をつけるために燃やすんですね。見学コースに入っており、結構、迫力がありましたよ。最後には、水をかけて一瞬で消してしまうんです。職人の方が
「ほーら、どーや!」(関西弁ではないと思いますが)
という感じで仕事を終えられる姿が格好いい!
煙の漂う樽の香りを嗅ぐことができました。焦げ臭さはなく、甘い香りがして、うっとりでした。
6.瓶詰め
・熟成が完了した樽入りウイスキーをミックスして加水して40度にして瓶詰めして出荷します。加水しないものをカスクストレングスといいます。
*見学はありませんでした。
ということで、ウイスキーの製造工程をご紹介しました。
続く(第四話)。
「白州蒸溜所 五感で楽しむシングルモルトツアー」の 第二話では、レストランとバーの様子をお伝えしましたが、第三話は、工場見学についてご紹介します。いくつかの蒸留所の見学コースを見ていますが、白州蒸留所の見学は、日本一、だと思っています(これはお世辞ではなく)。
そもそもシングルモルトの原料は何か、それは
「二条大麦」
なんですね。この大麦が、琥珀色の美味しいウイスキーに変化する過程を、この工場で見ることができます。
キルン(乾燥塔)を模したウイスキー博物館に集合。
この日の女性ガイドの方、凄く声がとおるんですよね。良かったですよ。ありがとうございました。
さあ、スタートです。
蒸留所の建物の入口を入るなり、麦芽でしょうか、甘い、温かい香りが充満。嬉しくなりますね。
0.原料
・大麦には二条大麦と六条大麦があるんですが、ここでは二条大麦を使います。二条大麦はデンプン質が多いからです。
・水(仕込水)ですが、ここでは「サントリー天然水南アルプス」を使うんですって。
1.製麦
・浸麦槽(スティープ)で、大麦を水に浸して、発芽させます。その時に発生する酵素でもってデンプンを糖に変えます。
・発芽した大麦をコンクリートの床に広げ、発芽が均一になるように木製シャベルで攪拌を繰り返します。
・さらに発芽の進行を止めるために麦芽乾燥塔(キルン)で火を焚き、乾燥させます。このときにウイスキーの香りに影響を与えるピートを一緒に焚きます。
*ここ白州蒸留所では、専門の麦芽製造業者(モルトスター)より仕入れているのでこの工程はありませんでした。白州はあまりピートを焚かないようです。
2.糖化
・乾燥させた麦芽を粉砕し、それを糖化槽に入れ、65度のお湯を加えて攪拌し、発酵に必要な糖液(ウォート)を抽出します。
3.発酵
・ウイスキー作りの醍醐味の一つ、発酵。糖液にイースト菌を加えて、発酵槽に移します。
・イースト菌が糖をアルコールと炭酸ガスに分解します。発酵槽の中で、ぶくぶくと泡を発てて、呼吸をしています。
・ここで、アルコール度は6~8%のもろみが出来上がります。
4.蒸留
・出来上がったもろみを銅製単式蒸留釜(ポットスチル)へ移して、加熱、沸騰させるんですが、沸点の低いアルコールが先に気化します。
・ポットスチルには、初留釜と再留釜があり、加熱→気化→液化、そしてもう一度、加熱→気化→液化を行い、アルコール度の高い(70度)、不純物の少ない蒸留酒(ニューポットと呼びます)を取り出します。
・ちょうど、手前の初留のポットスチル(ストレートヘッド型)で加熱していました。
・ポットスチルにもいろいろな形(首の微妙なラインや長さ)や大きさがあります。サントリーの蒸留所には、ストレートヘッド型、バジル(ボール)型(胴体の上の部分にボールのような膨らみがある)、ランタンヘッド型(胴体とヘッドの間にくびれがある)の3つのタイプがあるようです。
・ポットスチルの形でも出来上がりの味わいが異なるんですって。
5.熟成
・樽(カスク)が積み重なって保存されている貯蔵庫を周ったんですが、入った途端、ウイスキーの香りが鼻を包み、幸せな気分になりました。
ここは普段の見学の場合は、撮影禁止なんですが、このツアーではOKでした。
・生まれたてのニューポットに加水してアルコール度数を63度に落として樽詰めします。3年、5年、10年、15年、30年と年を重ねていくと、樽の成分が溶け出して、ウイスキーに色合いや風味、味わいを加えていきます。
・樽材はミズナラ、スパニッシュオーク(シェリー酒熟成に適する)、アメリカンホワイトオーク(バーボン熟成に適する)、形もいろいろあります。
そうそう、貯蔵庫の奥に透明ガラスの扉でさえぎられたコーナーがありました。扉には「オーナーズカスク」と書いてありました。樽ごとお買い上げで、世界にたった一つのシングルカスクモルトを作ってくれます。オーナー直筆のサインをはじめ、蒸溜所名、カスクナンバー、ヴィンテージ、アルコール度数などを記載したオリジナルラベルのボトルを化粧箱に入れてお届けしてくれます。
・最高額は、なんと
2600万円(1981年蒸留)
・一度熟成させた樽は再度、再生して熟成にまわします。再生をリチャーと呼びます。職人が樽内に焦げ目をつけるために燃やすんですね。見学コースに入っており、結構、迫力がありましたよ。最後には、水をかけて一瞬で消してしまうんです。職人の方が
「ほーら、どーや!」(関西弁ではないと思いますが)
という感じで仕事を終えられる姿が格好いい!
煙の漂う樽の香りを嗅ぐことができました。焦げ臭さはなく、甘い香りがして、うっとりでした。
6.瓶詰め
・熟成が完了した樽入りウイスキーをミックスして加水して40度にして瓶詰めして出荷します。加水しないものをカスクストレングスといいます。
*見学はありませんでした。
ということで、ウイスキーの製造工程をご紹介しました。
続く(第四話)。
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