繁華街へ、映画を見に行った。
交通手段はバスだ。
行きの時間を確認する。
丁度いいバスに乗り、映画館近くのバス停で降りる。
映画の開始まではまだ時間があった。
おかしい。
さっき時間は確認したはずなのに。
繁華街といっても、他に興味のあるものはない。
ぶらぶらと店を見て回るが面白くない。
適当な時間に映画館に戻る。
が、今度は上映が終わっている時間だ。
見逃してしまった。
やむを得ず、バスに乗って帰ることにする。
バス停に着いたが、さっき降りたバス停とずいぶん違う気がする。
まず繁華街じゃない。
どう見ても住宅街の一角だ。
空き地の角にバス停が立っている。
不思議に思いながらもバスを待つ。
すぐに来たバスに乗った。
バスはガラガラだ。
一つ前の座席には、小学生の頃のいじめっ子が乗っていた。
何でこんなところでかち合うのか。
いじめっ子が後ろを振り返り、
「映画見れなかったんだろ?」
と煽ってきた。
無視する。
家に着くまで憂鬱だな、と思った。