ボリュームたっぷりのハンバーガーランチをジーンと食べた後、
今夜、泊めてもらうジーン宅へと向かった。
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家に着いて、私が今晩お世話になるベッドルームへ案内してくれた。
そこで、ジーン、ベッドの下から、大きなクリアボックスを出してきて、
父、Joe Lubin の新聞切り抜き記事や、記念メダル、はいていたトランクスまで、昔の思い出をいっぱい見せてくれた。
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実はランチの時、ジャッキーが、ボクシングを始めたこと、
昨日、飛び込みで、ボクシングジムで練習できたこと、を話した時、
ジーンは、びっくりして、「なんとー!僕の父親は、アマチュアでは、全米一番にもなってるし、プロでも何勝もしてるボクサーやってんで。奇遇やあ!」と。
ジャッキーもびっくりして、「それ、マジー? すごい!」
と、話が盛り上がっていたのだった。
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新聞の記事が、これまた凄い。
”Lubin の全米決勝戦勝利に1,7000人の観衆”とある。
これまた、私とは全然比べもんにならない。スケールが違う。
本物中の本物。
恐れ入りました。
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私の息子と同じ年、17歳のジーンの息子スカイラーと、
ジーンのガールフレンド、ジョディとの4人で、
まるで、美術館のようなレストランで夕食を楽しんだ。
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ジーン宅へ帰ってから、飲み会となった。
ジーンは、私からのみやげ、越の寒梅を飲んで、
" Very good ! "
私は、ジーンに買ってもらった大好物のバーボンウイスキー、Maker's Mark を飲んで、
「めっちゃ、うまい!」とお互い国の味を讃え、楽しんだ。
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そうこうしているうちに、ドアをノックする音が、
ジーンが出迎えた人は、何と手にギターケースを持ってやってきた。
「こちら、友人のトム。」
「こちら、日本から来た、友人のジャッキー。」
と、ジーンが紹介してくれ、
握手で挨拶を交わした。
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しばらく、ジーン、ジョディ、トム、ジャッキーの4人で、飲んで楽しんでいると、
トムが、ギターを取り出して、これから、私のオリジナル曲を歌わせてもらいますと。
チューニングをしながら、これから歌う歌の説明をし始めた。
そして、綺麗な声で、歌い出した。
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何とジーン、私のために、こんな演出まで用意していてくれたんや。
素晴らしい弾き語りを聞きながら、心地よいバーボンの酔いも手伝い、喜びがどんどんこみ上げてきた。
「やっぱり、シカゴに来て良かった。」
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その後、明日は仕事があるというので、トムとジョディは帰り、
音楽大好きな二人は、CDや、レコードまで出してきて、それを聞きながら、お酒を交わし、
音楽や政治、戦争に至るまで、話が尽きなかった。
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500円で買ったCDのビリー・ホリデイの歌声が、
何回も何回も、夜2時近くまで、
二人の心の奥底に、溶け込んだ。
- 次編につづく -