Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

尖閣諸島

2005-05-05 | Weblog
 きさらぎけいすけ氏のblogの 5/4の記事は尖閣諸島の話題 であった.
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「漁船なら尖閣諸島まで行く事は可能だが、上陸すれば、軽犯罪法違反になる。尖閣諸島は石垣市登野城であるが、現在は、国がお金を払って借りており、上陸禁止にしているので、無断に上陸すると軽犯罪法に触れる事になる」
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 恥ずかしながら,不勉強で,これは,全く初耳であった.
 そこで,少し google で検索してみたところ, Yellow Hiro's TOPIC No.2-94 尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題 というWebページをみつけた.

 これによると,政府による借り上げは2003年から行われている.
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2003年01月01日 Yomiuri On-Line
 日本固有の領土にもかかわらず、中国、台湾が領有権を主張している沖縄・尖閣諸島をめぐり、日本政府が同諸島最大の「魚釣(うおつり)島」など3島の民有地を年間約2200万円で借り上げていたことが分かった。

 昨年10月に賃借権を登記しており、3島の転売に歯止めをかけ、第三者の上陸を阻止するなど、国として領土を安定的に管理しようとする意図があるとみられる。領土問題で国が民有地を借り上げるケースは過去に例がない。国の管理強化策は、尖閣問題に毅然(きぜん)と対応していこうとする政府の姿勢を示すものと言えそうだ。
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 また,灯台については,以下のような経緯で国の所有となったらしい.
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2005/02/09 The Sankei Shimbun

 細田博之官房長官は9日午後の記者会見で、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島(中国名・釣魚島)に日本の政治団体が建設した灯台について、所有者が所有権を放棄したため国有財産とし、同日から海上保安庁が保守、管理すると発表した。

 細田氏は灯台が船舶の安全航行に役立っている現状を指摘し「機能を維持することが適当だと判断した」と述べた。その上で「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いはない。まったく問題はない」と強調した。

 灯台は日本の政治団体が設置、石垣市の漁業者が形式上の所有者となっていた。細田氏は魚釣島が本来、上陸禁止になっていることもあって所有者側から「保守、管理は国でやってほしい」と申し出があったと明らかにした。ただ所有権放棄の詳細な経緯について公表は控えた。
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 それにしても,普段「歴史」についてウルサい,中国や台湾だが,日本が1895年から領土としていいる島について,100年近くたってからとやかくいってくるのは,いかがなものだろうか?
 尖閣諸島は,第二次世界大戦後,米国の管理下におかれ,72年の沖縄返還に伴い日本に返還された.またその返還は,国連で問題となっていないようだ.このことが,尖閣諸島が,戦前も戦後,沖縄返還後も日本の領土であることを歴史的に示しているとは考えないらしい.

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Jason's Library  何故日本人の発明した抗ガン剤が使えないのか!

2005-05-05 | Medicine
 連休中は,普段よりも多めに本を読んでいる.これは,そのうちの一冊.

 週刊現代の「読む抗ガン剤」の連載や,「がんのWeb相談室」で知られている,平岩正樹先生の比較的最近出版された本である.

 本文の冒頭から「抗癌剤がどうして効くのかということは,ほとんどわからない.」と言い切る潔さが良い.
 私は,10年ほど前に,父親を食道癌でなくしているが,父が癌とわかった直後から,当時の様々ながん治療について大分勉強した.しかし,先端医療の分野では,10年前は「昔」である.
 本書のおかげで,この10年数年の間に,抗がん剤による治療は技術的,臨床的に大幅な進歩をとげたことがわかった.

 また,臨床の世界では,やはり勉強不足の医者が多いこともわかった.
  New England Journal of Medicine
  Lancet
などの,海外の一流と云われる論文誌に発表される論文を読んでいない医者にかかっては,「助かる命も助からない」ことが多いようだ.


 さらに,この本を読んではっきりわかったことは,日本の癌治療における行政上の課題である.

  1) 癌治療や脳神経の病気のような治療に使う新薬の承認を簡略化すること.

  2) 日本人の発明した新薬は,日本で承認すること.
  # 日本人が発明した新薬で,ヨーロッパでは使えて,日本で承認されていない
  # ものが複数あるらしい.

  3) 国内で未承認薬でも,米国,EUなどでは,効果のある知見がでているもを
  患者本人の希望で使う場合の手続きを簡略化すること.

  4) 癌治療などの難しい処方,投薬には,ある程度の「技術料」をつけること.
  # 現在は,なんと,輸液管理量の900円だけらしい.

  5) 腫瘍マーカーの検査を抗がん剤治療のサイクルの現実にあわせるために,
  5回/月程度まで味認めること.
  # 現在は,月1回までしか認められていないらしい.

  6) 国立の医療技術ガイドラインセンターを作り,インターネットで情報を
  開示すること.
  # 米国では, National Guideline Clearinghouse (NGC) が,色々な医療の診療指針を出している.


 250ページの手頃な厚さの本だが,色々な意味で勉強になった.これを機会に,抗がん剤についてもう少し勉強してみよう.

 癌治療だけでなく,広く医療に感心のある様々な人に,オススメの一冊である.また,癌治療などの先端医療に問題意識のある,国会議員の先生方に是非読んでいただきたい一冊といえる.


 また,本書は,女性や若い世代向けの雑誌などで知られている 祥伝社 から,この春,新しく創刊された,「祥伝社新書」シリーズの最初の一冊である.今後の展開が期待される.


抗癌剤―知らずに亡くなる年間30万人

祥伝社

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コメント (8)
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