Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

Jason's Library 「建築家」から「ソフトウェアアーキテクト」

2005-05-15 | Software
 ちょっと建築づいていますが,その勢いに乗って.

 「建築家」というのは,単に「建物を設計する」だけではなくて,「哲学者」「思想家」としての側面があると思う.そういう部分も含めて,日本を代表する27人の建築家のインタビューを集めた本書はとても興味深い内容である.駆け出し時代のことや,仕事へのこだわり,建築以外のこと,未来へ視座など色々と示唆に富んでいる.
 建築だけでなく,なにかの「計画」「設計」「デザイン」などに興味があるすべての人に.

建築家という生き方―27人が語る仕事とこだわり

日経BP社

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 もう一冊は,建築とソフトウェアのアナロジーの視点で,ソフトウェアシステム構築における思想家==ソフトウェアアーキテクトについて,そのプロフェッショナルとしての仕事についてまとめている.狭い範囲のソフトウェア工学とは違ったエッセンス興味深いが,建築とソフトウェアのアナロジーにこだわりすぎて,建築とソフトウェアの違いについての視点も必要かもしれない.
 情報システムの「計画」「設計」に興味のあるすべての人,職業としてのソフトウェアの設計等に興味のあるすべての人に.

職業としてのソフトウェアアーキテクト

ピアソンエデュケーション

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Jason's Library 「建築構造力学」「超高層への果てなき闘い」

2005-05-15 | Environment
 前の記事の補足.

 武藤 清先生の「建築構造力学」の古典的教科書と,プロジェクトXのDVDです.
 特に,建築構造,耐震建築に興味のある方に.

大学課程建築構造力学

オーム社

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(表紙の画像がないのが残念ですね.)


プロジェクトX 挑戦者たち 第3期 Vol.4 霞が関ビル 超高層への果てなき闘い

NHKエンタープライズ

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(番組は見ましたが,こちらのDVDは私自身は持っていません.あしからずご了承ください.)
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霞ヶ関ビル,貿易センタービル... 「本番テスト」されていません.

2005-05-15 | Environment
 昨日の高層マンションの話しのづつき.

 我が国最初の高層ビルは,1968年にできた,地上36階,地下3階,147mの 霞ヶ関ビル だ.施主は三井不動産,建築施工は鹿島建設であるが,構造設計は,東京大学工学部名誉教授の武藤清先生らによるものである.所謂「柔構造」の耐震建築である.
 この武藤先生の「柔構造理論」は,関東大震災でも壊れなかった, 上野の寛永寺 五重塔(寛永16年1639年の建築) にヒントを得たものであるのはよく知られている.この「霞ヶ関ビルの建築ストーリー」は, NHKのプロジェクトX にもとりあげられている.
 二つ目の高層ビルは,1970年にできた,地上40階,地下3階,152mの世界貿易センタービル(浜松町)だ.そのあとは,新宿副都心にも沢山の高層ビルができた.

 私の記憶が正しければ,1968年の霞ヶ関ビルの竣工,東京の高層ビルは,一度も震度5以上の大きな地震を経験していない.たとえ,武藤先生の理論や,その理論に基づく構造シミュレーションと設計が正しくても,実際の建物トータルとして,設計どおりに出来上がっているか?動的な構造や耐力は設計どおりになっているかどうかはわからない.

 同じ理論で設計されたいくつかのビルは,阪神の震災の中でちゃんと生き残った.しかし,東京や神奈川,埼玉の建物は,一度も「本番テスト」はしていない.また,阪神の震災でも,実際の施工の違い==工事の実装の出来不出来によって,多くの建物が倒壊したことも忘れてはならない.
 大地震で,一度も「本番テスト」されていないのは,最新設計の免震ビルも同じだ.

 私がソフトウェアの道に進んだのは,シミュレーションの面白さに取り憑かれたためだ.実験が難しいからこそシミュレーションが行われている.しかし,シミュレーションだけでは判らないことは沢山ある.
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