◇2013 BOOKS 45◇
『つれづれノート13 庭を森のようにしたい』 銀色夏生
何度読むのを止めようかと思ったか、あまりに自己中心的な生活と言動に嫌気がさした。
しかし、我慢して読むと、だんだんと13冊目にして夏生さんの心の芯を知ってきたような気がした。
心に引っかかった文があった。
「ひとりの人の人生を、長い間、主体的にプロデュースできるとしたら、自分しかいない。自分だけは、自分の思い通りに動かせる。環境と能力をみきわめながらじっくるとコマを進めるのは楽しいだろう。今の自分を不幸だと言ったりグチをこぼしたりすることは、自分のプロデュース能力の欠如を公言するようなものだ」
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はっきり言って、僕は自分のプロデュースに失敗した、と思った。仕事面については、自分の思い描いたようにはならなかったし、否、自分が本当に何かを思い描いたどうかも怪しい。今の会社に勤めて20年経つが、20年をかけていろんな物を放り出してきた。一生懸命にやることや期待すること希望を持つこと向上心、そして成し遂げる喜びも。残念ながらもう修復できそうにもなく、ただ、何も考えず時間が過ぎていくのを待つのみの毎日。
気持は暗い。