映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『美しき運命の傷痕』

2007年02月18日 | Weblog
美しき運命の傷痕 - goo 映画
よい

ダニス・タノヴィッチ 監督
エマニュエル・ベアール、カリン・ヴィアール、マリー・ジラン、キャロル・ブーケ、ジャック・ペラン、ジャック・ガンブラン、ジャン・ロシュフォール、ミキ・マノイロヴィッチ、ギョーム・カネ 出演

ポーランドの巨匠クシシュトフ・キエシロフスキの遺稿を『ノー・マンズ・ランド』で鮮烈なデビューを飾った新鋭ダニス・タノヴィッチ監督が映画化。

過去に家庭で悲劇を味わった三姉妹が成長し、それぞれの人生の中で過去の悲劇の影響(反復)が見えてくる。長女は夫の浮気、次女は親の介護と孤独、三女は不倫で悩んでいる。

ダニス・タノヴィッチ監督のすごいところは、前作『ノー・マンズ・ランド』でもそうだったが、どんなに悲劇的な状況でも喜劇を忘れない。この作品の中でもユーモラスな表現がいくつもある。いきなりの詩の朗読はなんだったのだ? あれは誰でも愛のくさい告白だと思ってしまう。車掌さんもいい。

飽きることはないが、前半は人間関係を把握するのに手間取り、後半になって一気にミステリアスなストーリーが明らかになってくる。冒頭の象徴的な託卵シーンの直後が理解できたのは、おわりになってからだった。

映像も美しい。この監督も螺旋階段が好きなようだ。

オフィシャル・サイト

http://www.utsukushiki.jp/