映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『趣味の問題』

2007年06月27日 | Weblog
趣味の問題 - goo 映画
ふつう

ベルナール・ラップ 監督
ジャン=ピエール・ロリ、ベルナール・ジロドー、フロランス・トマサン、シャルル・ベルリング、アルチュス・ドゥ・パンゲルン、ジャン=ピエール・レオ 出演

洗練された趣味を持ち、美食家として知られるフランス経済界の実力者フレデリックは、ある日ニコラという魅力的な青年に出会い、彼を自分の毒見係として雇う。極度の人間不信で食事アレルギーのフレデリックは、ニコラの卓越した味見の才能を見抜き、彼を自分の完璧な分身に仕立て上げようとする。

設定に無理がありすぎる。小説であれば作家の筆力で、映画であれば映像や脚本の力や演技の力で観る者をねじふせるのだが、そこまでには至っていない。

映画の趣味があう、食事の趣味があうなど、一分野に関しての同一化はあるかもしれない(それでも完全一致となると難しいだろうが)。しかし、それをほぼ全分野にまで広げようとするフレデリックの意図がわかりづらい。単純なホモ・セクシャルだけでは納得いかないのだ。おそらく、ナルシズムの外部対象を作ろうとしたのだろうが、そんなの端(はな)から無理である。それをねじふせる力はなかった。

あと、あんな侍の刀は見たことがない。