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戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

硫黄島、小笠原の地形(2)

2009年04月05日 | 硫黄島・小笠原村
硫黄島写真館のおさピー様から、コメントをいただきました。
ありがとうございました。
訪島が近づくにつれ、気候などが気になるようになります。
5月も、もう猛暑だと思います。今後とも、いろいろと
教えていただけますようお願い申しあげます。

父島の地形と比べると

一方の硫黄島は、かなり砂浜が多いです。
上陸地点の釜岩は、戦前は島だったものが隆起で地続きになった
地点ですから、平らな浜で島とつながっています。

島全体が1枚の写真におさめられる距離から見る硫黄島は、
最高点は擂鉢山の169メートルですが、
写真だと、ほとんど、平らな低い島に見えます。


2008年06月26日投稿の
「小笠原丸が島を離れる時2008(5) コメントへのお礼」の写真が、
ちょうど、左右いっぱいに写真1枚に島全体が入る距離からの
もので、右端が島の南部の擂鉢山で、左端が島の北東部という位置からの撮影です。
島の中央やや左側から、ちょうど、見ることができた虹が出ているのが
写っています。

あの写真が、奥の遠い方に擂鉢山という位置関係であることもあり、
ほとんど、まったいらに見えます。

ところが、離れて海から見る標高が低そうに見える島ですが、
場所によっては、砂浜からすぐに、段丘状になっていたりなど、
上陸してみると、大小さまざまな
かなりの高さの起伏があることが分かります。


鶉石が取れる浜、擂鉢山のふもとの東側の
揚陸海岸もそうです。
その浜まで降りるのにかなりの坂になっています。


三つの映画、
・「史上最大の作戦」(1962年、豪華キャストによるノルマンディー上陸作戦の映画)
・「硫黄島の砂」(1949年) (史上最大の作戦にもジョン・ウェイン主演)
・記憶に新しい 「父親たちの星条旗」

どれにも、激しい揚陸作戦の場面があります。
史上最大の作戦では、ジョン・ウェインは、内陸から攻めるパラシュート舞台の指揮官役で、激しい、上陸の場面の主役は、ロバート・ミッチャム。

ノルマンディーについては、ペイパーバック「D-Day」を図書館で借りて
読みました。
また、どの舞台がどんな動きをしたかについて、英語のサイトですが、
詳しく解説されています。
http://search.eb.com/dday/browse?browseId=237168

映画「史上最大の作戦」では、ノルマンディー上陸作戦は
敵の虚をついて実施されていますが、それでも、
守備部隊を殲滅して、守備網を突破するのに、
激しい戦闘が展開された様子が描かれています。

硫黄島上陸作戦では、
米軍が、予想をはるかに超える犠牲者を出しました。
これまで、読んだ記事などによると、米軍側も硫黄島の
様子は知っていたので油断はしていなかったものの、
事前に「擂鉢山の形が変わった」といわれるほどの
艦砲射撃など砲撃を加えていたので、
日本側の戦力が、あれだけ、残っているとは
考えていなかったのだろう、と思われます。

戦闘の様子については、
検索すると、いろいろな記事がありますし、
「父親たちの星条旗」の本にも詳しく書かれています。


あの、揚陸海岸が、波打ち際から段丘まで、
ほんの数十メートルの幅だったろうと思うと、
あそこに、押し寄せた、上陸艇から降りてきて
狭い浜に密集して、段丘突破に向かおうとした兵士たちは、
映画の場面にあるとおり、「狙い撃ち」だったろうと思われます。

それぐらい、あの浜は狭く、
硫黄島には、実は、戦闘にとっては、決定的だったと
思われる様々な「標高」があります。
ということが、島に行ってみると分かります。
決して、「平らな島」ではありません。


この写真は、珍しい角度からのものだと思います。
島を離れる時に小笠原丸が一周してくれるので
撮影できる角度です。

高さはそれほどでもないですが、
砂浜がなく、段丘がそのまま海におちている様子が
分かると思います。

島の、ちょうど、擂鉢山の反対側北西端を回っている時の撮影です。
なので、擂鉢山が写っていない島全景の写真、というわけです。

向かって右側に擂鉢山が見えている角度から、だんだん、擂鉢山が
小さくなり、この擂鉢山が見えない角度になってから、
しばらくすると、やがて、また、今度は、向かって左側から擂鉢山が
現れます。

どんどん、擂鉢山が大きくなり、揚陸海岸沖を小笠原丸は進み、
今度は、擂鉢山しか見えない角度に回り込みます。
その頃には、夕日も沈んでいて、暗い擂鉢山の裏側が見えるという
時間、位置になります。

父島、硫黄島、南硫黄島のそれぞれ標高と、
父島と硫黄島を海から見た様子と、実際に上がってみて感じる高さと、
広さと高さの割合、縮尺というものについては、
いろいろと考えさせられました。
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