「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

Jリーグ30年記念企画第二弾「日本代表人気は、果たして10年後、20年後も続くのかどうか?」

2022年05月30日 21時42分36秒 | サッカー日本代表
Jリーグ30年記念企画として、5つのテーマでJリーグの未来、日本サッカーの未来を考えていくシリーズ。第二弾は「サッカー人気を占うバロメーターとも言える日本代表人気は、果たして10年後、20年後も続くのかどうか?」です。

これは、「日本サッカー協会が「500億円超」の巨額収入でも漏れるガラパゴス化懸念の声」というJBpress臼北信行氏のネット記事に触発されています。
記事では、2026年W杯から出場国が現行32ケ国から48ケ国に拡大されるに伴うアジアからの出場枠の大幅増により、アジア予選のスリル感がなくなり、それが日本代表人気低下、ひいてはサッカー人気低下につながるのではないかと懸念しています。
前項のテーマである「スタジアムの8割ぐらいが年間シートで埋まるには」とも大いに関係してくる懸念です。

これまで続いてきた日本代表人気、1993年に「ドーハの悲劇」を経験した日本代表は、その後、人気が衰えるどころか、すべてのW杯に出場を続け、サッカー人気のバロメーター役を果たすほどに定着してきました。

それが、アジア予選の出場枠が増えれば、これまで「絶対に負けられない戦い」という背水の陣で臨んできた環境が緩み「どうせ、アジア予選は楽勝っしょ」ということで、日本代表に対する関心が薄れサッカー人気が薄れるのではないかというわけです。

果たして10年後、20年後にも日本代表は、サッカー人気のシンボルとして存在し続けられるのでしょうか?

少なくとも、W杯に出たことのない国から、出場権を得て世界の舞台で戦う代表、というレベルの日本代表ではなくなると考えなければなりません。

10年後、20年後には、世界の舞台で、ベスト8の壁を破り、世界のベスト4に名を連ね、20年後には優勝が視野に入るレベルになっていくのが日本代表の存在意義です。

これまでのW杯の各大会、会期がほぼ1ケ月ぐらいの中で、半分を過ぎると日本の出番は終わり、あとは海外サッカー好き、W杯好きの人たちだけの期間になっていました。

10年後、20年後には、その期間にも日本の出番が続くという変化が出てきます。そのようにならなければならないわけで、もし、これまでのように大会の半分で出番が終わってしまえば「さっぱり強くならないな」と言われて人気は落ちるということになります。

それから、アジアの出場枠が増えたからといって楽勝と考えるのが、そもそも間違っています。欧州をご存じですか? あの地域は出場枠を12も持っているのです。

欧州全体で、イギリスのように国として1チームではなく3チーム出場できるところも含めて約50ぐらいのチームで12の枠を争うわけですが、強豪国、あるいは何度か出場しているような国が20ケ国ぐらいあります。

そういう中で毎回、12の枠をめぐってしのぎを削っていますから、常連国がいつも勝ち上がるとは限らず、今回カタールW杯への出場権を逃したイタリア、アメリカW杯への出場権を逃したフランス、日韓W杯とロシアW杯への出場権を逃したオランダといった悲劇に見舞われる強豪国が出ているのです。

翻ってアジアを見た場合、各国のレベルは、この10年で格段に高くなっており、今後、ますます高いレベルで予選を戦わなければならなくなります。しかも、おそらく組み合わせ方式も、これまでのように最終予選で2位までに入れば当確、3位でもプレーオフなどといった緩いものではなく、各組1位のみ当確、2位チームでプレーオフといった現在の欧州予選スタイルになる可能性があります。

そうなると、日本代表は相変わらず「1敗もできない胃の痛くなるような戦い」にさらされる可能性があります。これからのほうが、むしろW杯連続出場記録が途切れるリスクが高くなるかも知れません。

イタリアもフランスもオランダも、出場できない大会があっても、本大会で優勝したり決勝まで進むチームです。10年後、20年後には、日本もそのような国になっていればいいということです。

日本代表人気の維持に関しては、前回のテーマで提言した「年間シート」方式で販売するプランを日本代表にも導入していければと思います。

日本代表の試合はなるべく全国で見られるようにという配慮があることと、年間の試合数が少ないことが特殊要因ですが、そこを工夫するのが智恵というものです。

「日本代表人気は、果たして10年後、20年後も続くのかどうか?」というテーマで書き込んだ今回ですが、実は人気が続くかどうかは、ひとえに日本代表が強いかどうかにかかっています。

それについては、第四弾で、「W杯でベスト8の壁を破り、ベスト4さらにはファイナリストになる日本代表、それは今のトップクラスの選手たちの延長戦上にあるのでしょうか?」というテーマで考えることにしています。

次回、第三弾は「サッカー界にとどまらず日本のスポーツ界で「パワハラ」問題が後を絶たない原因は「暴力を振う指導者が寂しく、孤立している人だから」という驚くべき指摘と、サッカー指導者の未来像について」考えたいと思います。
お楽しみに。