「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

なでしこジャパン「あと少し」「あと、ほんの少し」でした。

2023年08月11日 18時28分18秒 | サッカー・ユース年代、女子
なでしこジャパン、準々決勝・スウェーデン戦、信じるに足る試合をしてくれました。「あと少し」「あと、ほんの少し」でした。スウェーデンは、おそらく最強チームでしょう。準々決勝で当たりたくはない相手でした。

それでも、なでしこジャパンは立派に戦いました。スウェーデンをギリギリのところまで追い詰めました。
選手たちは決して満足できないことでしょう。悔いの残る選手もいたでしょう。それでも顔をあげて帰ってきてください。

心から健闘を称えたいと思います。

【8月11日追記】今朝のスポーツ紙、負けはしましたがスポニチ紙は1面で報じてくれました。「パリにつながる血の涙」、そう例えたのは金子達仁氏、かつて「ドーハの悲劇」で男子が流した「血の涙」に匹敵する経験ではなかったか? と感じたのだそうです。

つまり、男子サッカーは、あの「血の涙」を流し、さらにジョホールバルでやっとの思いでW杯出場を勝ち得た経験によって、その後の日本サッカーの成長と進化につながった、なでしこたちも、今回の経験が、未来のなでしこサッカーの成長と進化のスタートラインに立ったのだと結んでいます。

当ブログは、今回のチームが10歳台の選手から、W杯出場4度目の熊谷紗希選手まで、バランスのとれたチーム構成で世界経験の豊富な選手たちばかりということで、一つのピークにあるチームではないかと思いましたが、フル代表の円熟度という点では、もう少しパワーと試合巧者の経験が必要だったと思います。

まさに今回のスウェーデンが、その点で1枚上でした。けれども、決して勝てない相手ではないことも確かです。世界レベルは常に進化しています。3連覇を目指したアメリカさえも、対戦相手が悪ければベスト16で姿を消してしまう世界です。

そう思って、選手たちには精進と経験を積んで欲しいと思います。金子氏が喝破したように、今回があって4年後、8年後に成長と進化した姿を見せてくれることを待っています。

なでしこジャパン!! 顔をあげて胸を張って帰ってきてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なでしこジャパン、また大きな自信を手にしたと思います。

2023年08月05日 18時56分06秒 | サッカー・ユース年代、女子
2023年女子W杯決勝トーナメント1回戦なでしこジャパンvsノルウェー戦が終わりました。3-1で勝利、先制点をとり、同点に追いつかれた後半まもなくの勝ち越し、そして終盤のダメ押し、試合運びの面からもいい勝ち方でした。

何よりも、これまでの圧倒した試合から一転、強豪であり高さという武器もあるチームを相手の一発勝負、試合後、池田監督も話していたように「しびれる」試合を経験して、また2点目を決めた清水選手が「同点にされても誰一人ネガディブになっていなかった」中で、きっちりと勝利をモノにしたことで、また一つ大きな自信を手にしたと思います。

試合をネットで速報したスボーツ報知の岡島記者は「結果的に、失点こそしたが、なでしこの高さ対策は見事の一言だった。」と絶賛しています。すなわち「 日本は「いかに弾くか(競り勝つか)」ではなく、「いかに(クロスを)上げさせないか」の土俵を選択した。クロッサーとなり得る選手のキック方向に必ず1人が立つことで、さほど突破力のない相手選手はプレーの選択肢が限定された。」とのことです。

そんな中、後半パワープレーを仕掛けてきたノルウェー、決定的なシュートをGK山下杏也加選手が片手一本で防ぎました。これまで仕事の場面が少なかった山下選手、集中力を保つのが難しかったと思いますが、よくぞ止めてくれました。GKからFWまでイレブン全員が大きな自信を手にした試合でした。

次の準々決勝は3連覇をめざすアメリカかスウェーデンのどちらかとのこと。応援する側がネガティブなことを考えたり、次の対戦相手を考えて弱気になっているのが申し訳ないところです。選手たちと同じ気持ちでポジティブに勝ちに行きましょう。

今回、選手交代が田中美南選手に代えて植木理子選手を入れただけでした。宮澤ひなた選手も藤野あおば選手も、前半から走りずめで相当疲れていると思いましたが、それでもピッチに残していたのは、役割を果たし続けるスタミナを信じてのことだと思います。現に終盤の3点目は、藤野あおば選手のラストパスを受けた宮澤選手、この二人によるゴールでした。脱帽です。

これで布陣は盤石になったと思います。
11日(金)16時10分からの放送で、勝利のエネルギーを日本から送ります。

【追加記述】
ここからは、当「サッカー文化フォーラム」の視点での書き込みです。題して、
「火中の栗を拾ったNHKさん、拾った栗はまさにホクホク」
どうです? なかなか洒落たタイトルだと思いませんか?

今大会の日本での放映は、どこの放送局も高い放映権に見合うリターンが見通せず、大会が始まるギリギリまで決まりませんでした。最後はNHKさんが「なでしこジャパン」の試合だけ拾って放送することに決まったわけですが、まさに公共放送として日本サッカー協会からの要請を受ける形での決断でした。
いわば「火中の栗を拾った」形でしたが、その拾った栗が、なんとホクホクのおいしい栗だったわけで、当のNHKさんもホクホクだと思います。

一方の民放各社、一番ストーリーとしておいしい形になった絶好のコンテンツを逃したことになり、さぞ地団駄を踏んでいることでしょう。ひと昔前なら「この大会はウチがとるべきだ」と上層部に粘る気骨のテレビマンがいたと思いますが、テレビの時代が長い長い下り坂にある今日、そこまで粘れるテレビマンはもういないかも知れません。

ここまで来ると、世間を煽ることでは民放局に引けを取らないNHKさんのこと、いろいろな番組を使って「なでしこジャパン」の快進撃を煽ってくれます。
昨夜、夜9時からのニュースでも15分ぐらいの特集を組んでくれました。
「また世間の関心を高めたい」という大和撫子の健気な思いが、少しづつ実りつつあります。
次の試合を乗り切れば、さらに2試合できることが決まります。神様にお願いしてでも次の試合を勝たせてあげたいと思います。

テレビ放送の話題と来たら次はスポーツ紙の話題もしましょう。今大会、グループリーグの初戦、2戦は勝ってもスポーツ紙で1面に持ってきたところはどこもなかったと思います。これまでの経験から確認しなくても大丈夫だと思います。
しかし3戦目も勝って3連勝でグループリーグを突破した時は、さすがにどこかはトップに持ってくるでしょうと買いに走りました。案の定、スポーツ報知と日刊スポーツが1面を飾ってくれました。

そして今回、ノルウェー戦に勝った試合については、さらにスポーツニッポンも加わって3紙がトップを飾ってくれました。
さぁ、次勝てば当然サンスポさんも来ないわけにはいかないでしょう。
という次第でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年目にして初めて通して観たDVD「六月の勝利の歌を忘れない」

2023年08月04日 18時03分40秒 | サッカー日本代表
当「サッカー文化フォーラム」がこれまで収録したサッカー関係の試合映像、テレビ番組映像等の映像記録の整理も最終段階に来ました。2003年終わりぐらいまではVTRによる収録で、ほぼHDDへの変換収蔵を終えました。その後の分は多くがDVD収録とスカパーチューナーに紐づけられたHDDへの収録です。

ここに来て、DVD収録とスカパーチューナーに紐づけられたHDD収録の分を再生点検して、意外なことが判明しました。それはDVD収録分の多くが再生不調になっていることです。
理由をいろいろと調べていますが決定的なことがわからず立ち往生状態です。DVDへの収録は2004年から本格的に始めており2015年あたりまで続けました。最終的にこの期間の映像をどの程度、HDDに収蔵し直せるか未知数ですが、かなりの量のDVDが死蔵品になる可能性が出てきました。

そんな中、DVDの中で市販品の未開封品が何枚か出てきました。
その中の一つがタイトルでご紹介した「六月の勝利の歌を忘れない」という2枚組のDVDです。いきなり名前だけ聞いて即答できる方は、かなりの「サッカー通」といっていいでしょう。
「21年目にして初めて通して観た・・」というところで、今年から引き算して「あぁ~ 2002年W杯の記録映画だな」と思い当たった方、正解です。
当「サッカー文化フォーラム」も、これまで持っていた知識は「岩井俊二監督による2002年W杯日本代表の戦いを記録したドキュメンタリー映画」という程度でした。果たして、どんな内容の映画なのか、さっぱりわからずに、21年目にして初めて2巻を通して観た次第です。

いい機会ですので、以前観たことがある方にも、まだ観たことがない方にも、内容をご紹介したいと思います。
この記録映画のタイトルがどうして「六月の勝利の歌を忘れない」という名前になったのか、どなたが付けたのかネットで検索したらすぐ出てきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふたたび「なでしこジャパン」真夏の日本列島に感動の予感。

2023年08月04日 12時58分52秒 | サッカー・ユース年代、女子
グループリーグ2023年女子W杯、「なでしこジャパン」がグループリーグを圧倒的なスコアで勝ち上がりました。
第3戦のスペイン戦は「なでしこジャパン」のボール支配率が、わずか23%だというのにスコアは4-0。「なでしこジャパン」が放った枠内シュート5本のうち4本を決め切った勝利でした。
しかも3戦をクリーンシートで乗り切っています。

いよいよ明日からノックアウト方式です。一発勝負は何があるかわからない世界ですが、今回の「なでしこジャパン」には日本列島を感動の夏に染めてくれる予感があります。

夢の途中で大会を去らなければならない結果になることも、勝負の世界ですのでありますが、今回の大会は、それ以上の予感がしてなりません。

なぜなら、今回の「なでしこジャパン」には、そう思わせるだけの、いくつのも理由が揃っているからです。

まず「守りの戦術」が徹底していることです。初戦のザンビア戦で、このチームがいかにその戦術を練り上げてきたかが示されましたし、第3戦のスペイン戦も相手にボールを支配される試合展開でも、守りに破綻をきたしませんでした。

もちろん、熊谷紗希選手、南萌華選手というワールドクラスのセンターバックが強いこともありますが、池田監督が徹底してきた前線の選手も含めての「守りの戦術」が浸透していなければ長丁場の大会では持ちこたえられません。

このあとの見所は、まだ許していない先制点を許した試合での復元力が一つ、もう一つは高さのあるチームと対戦した時のCK、FKといったセットプレーの対応です。次の相手、ノルウェー戦では、この点が鍵を握るでしょう。

次の理由は、試合ごとに成長していくチームの特長を備えている点です。現在、大会得点王の宮澤ひなた選手を筆頭に、植木理子選手、遠藤純選手、藤野あおば選手といった選手が試合ごとに自信をつけ成長しているのがわかります。
こうしたチームが勢いに乗り、素晴らしい結果を残すことにつながるのが、大きな大会ではよく見られるパターンです。

3点目は、ユース年代で世界大会優勝を経験している実力派の選手たちが中盤の守りを固めている強みがあります。男子日本代表で「中盤」といえば、攻撃的な魅力にあふれたイメージが強いポジションですが、なでしこジャパンでは、長谷川唯選手と長野風花選手が中盤の底を固める役回りです。二人とも攻撃的なポジションをこなすチームの司令塔的なイメージの強い選手ですが、そうした選手が中盤の底を固めるのは強いチームのパターンでもあります。
また杉田妃和選手、清水梨紗選手も中盤の左右のサイドを主戦場にしてチーム全体のサイド攻撃に欠かせない選手です。

4点目は、20歳後半にして初めてワールドカップ出場のキップを掴んだ田中美南選手と猶本光選手の、さすが実力者ならではの躍動ぶりです。
二人ともこれまでW杯メンバーになっていなかったのが不思議なぐらいで、特に田中美南選手は確実視されていながらの落選でした。けれども二人とも黙々と実力をあげていく強靭な精神力を持っています。
この二人が本来の力を発揮してくれるとすれば、代表のパワーはいやがうえにも増すというものです。楽しみです。

5点目は、各世代の選手たちがバランスよく配置されていて、若いが故に浮足立つこともなく、年齢が高いが故にスタミナ切れを起こす心配のないチーム構成になっています。
また、控えの選手たちが集中を切らすことなく、またピッチで活躍している選手たちへの貢献を惜しまない姿勢が、チームの一体感や長丁場の大会での選手層の厚さにつながっていることも大きな特徴です。

6点目は池田監督、宮本ともみコーチをはじめとしたスタッフと選手たちの相互信頼、そして采配の確かさです。初戦のザンビア戦のDF陣に、なんと20歳になったばかりの石川瑠音選手を配したのです。昨年のU-20女子W杯ではDFの主力として日本の準優勝に貢献したとはいえ、フル代表ではさる2月の国際大会でデビューを果たしたばかりの選手。

実はザンビアのエースストライカーが最近対戦したばかりのドイツとの親善試合で勝利の大役者となるなど、絶対に封じなければならない選手ということで、石川選手を指名したのです。石川選手は監督の期待に見事に応える働きぶりで「なでしこジャパン」の初戦大勝に貢献しました。この采配一つをとっても、池田監督を中心とした「なでしこスタッフ」のスカウティングの確かさ、選手起用の大胆さが伺える例でした。

このように数多くの理由があげられる今回の「なでしこジャパン」。まさに真夏の日本列島に感動の予感がします。
なぜ、今回、このようなチームが出来上がったのかを辿りますと、ちょうど、2011年大会優勝のなごりがチームから消え、着々と力をつけてきたアンダーカテゴリーの選手たちがチームの主力になってくるという、まさに世代交代が完了した時期であることが大きな要因です。

キャプテンの熊谷紗希選手が若干20歳のDFとして2011年大会優勝メンバーとなり、今回は、その経験を持つ唯一の存在としてキャプテンの立場からチームをけん引しています。他の選手たちにとって2011年優勝は、プレッシャーとして意識する出来事ではなく「私たちの世代もふたたびあの栄光を、そしてWリーグの認知度を少しでも高めなければ」という新たなモチベーションで大会の臨んでいます。

歴史の巡り合わせなのでしょう。4大会ぶりに「なでしこジャパン」に大きなウェーブが来たのだと思います。
まず明日のノルウェー戦、強い気持ちでぶつかって欲しいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする