「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

Jリーグ村井チェアマン勇退と野々村氏就任のニュース

2022年03月28日 07時57分11秒 | Jリーグ・三大タイトル
先日、Jリーグ村井チェアマンが勇退して、コンサドーレ札幌社長の野々村芳和氏が就任することになったというニュースに接しました。

村井チェアマンは在任8年とのことで、やはり「そろそろ」ということなのかなぁ、と受け止めました。このブログでも村井チェアマンのことを何度か取り上げた記憶があります。

一つは2017年2月15日の書き込み「サッカースタジアムは社会の静脈装置なのです」。
ちょうどこの時期は「新スタジアム建設ラッシュ」ということで、北九州、大阪・吹田、長野、京都などのスタジアムが話題となったのですが、それに寄せて村井チェアマンが語った言葉です。
その時の書き込みですが、少し長くなりますが名言を転載します。

「社会では喜怒哀楽をあらわにできる場所が少なくなっている。スタジアムは大声で応援し、笑い、泣く場所。消化不良の物を浄化して帰ってもらう、社会の静脈装置としての機能を意地でも守っていきたい」

わかりやすく言えば、日頃のうさをはらし、勝っても負けても愛するチームの試合を多くのサポーターと共有したことで得られる爽快感を味わう場所、それがスタジアムです、そういう場所は社会にとって絶対必要ですし、絶対守っていかなければなりません、ということでしょうか。

確かに、試合を観戦したあとでスタジアムを後にした時というのは、コンサート、観劇などと同じ非日常空間から出てきた気分で、試合を見る前の気分とは明らかに違います。それが勝利のあとならば、なおさらです。

サッカーを愛する人々が集える「我が町のスタジアム」が球技専用スタジアムとして増えていることも、Jリーグ25年目の歴史の賜物です。
(中略)
Jリーグ村井チェアマンの視点には常に社会性・公的貢献の視点があるように思います。このブログでも、そういった考え方をできるだけ多くの皆さんに共感していただきたいと思っています。最近では、昨年4月5日に「AED背負い仲間の命救った甲府サポーター」という書き込みで紹介しています。

サッカーを愛してやまない私たちは、こうした社会性・公的貢献という部分についても常に意識していきたいと思うのです。

(転載部分は以上です)
また2016年7月22日には「Jリーグ放送権ビックバン」という書き込みでネット配信事業者DAZNと10年間の放送権契約を結ぶこととして、巨額の収益をもたらすこととなった件を書きました。

この時も『Jリーグの村井チェアマンは、今後の試合の視聴形態を「お茶の間から街にでる」と評したそうです。(中略) スタジアムにwifi環境が整えば、タブレットやスマホで試合解説を楽しみ、さらにはデータを確認しながら目の前の試合を楽しめるという、これまで夢だったことが現実になります。』

いまスタジアムでの観戦スタイルの多くが、リアルタイムでDAZNの画像をみながらという状況に確実に変わっていることと思います。

このほか、長らく「ナビスコカップ」として親しまれてきたJリーグカップのスポンサーがアメリカ・ナビスコ社の撤退により「ヤマザキビスケット社」に変わることを契機に、同社の主力ブランドである「ルヴァン」を使用して「ルヴァンカップ」に変更することになった際、同社のほうは、翌シーズンからの変更で構わないとしていたところを、村井チェアマンが「いや、それでは御社に申し訳ない、今年からすぐ変更しましょう」と申し出て、諸準備を突貫工事で進めたということもありました。

このように、本質を大切にしてきた村井チェアマンの姿勢は、外野席から見ているだけの当方にさえもはっきりと伝わってきました。

村井チェアマンの次のステージが楽しみです。

そして野々村氏、何と言ってもJリーグ選手経験者がとうとうチェアマンになる時代がきたということ。それもレジェンドなどネームバリューで就任するのではなく経営手腕という実力で選任されたということ、Jリーグの組織としての方向性が正しいことがよくわかります。

【ここからは2022.10.31に補筆しました】
野々村新チェアマンは就任の挨拶で「サッカーという一つの作品」として価値のあるものを力を合わせて作り上げたい、と述べました。

プレーレベル、スタジアム環境、サポーターの熱量、それらが一つになった「サッカーという一つの作品」になります、というわけです。

至言だと思います。
野々村新チェアマンは「サッカーという作品」を小さい時から鑑賞し続け、自らも演技者として作品づくりに参加してきた、サッカーの町・清水の方です。

折しもJリーグ観戦者の平均年齢は42.8歳になるそうです。ご夫婦とお子さんという典型的な「家族でサッカーを応援し続ける」世帯の姿です。

野々村新チェアマンには、ぜひ「家族パス」「家族年間シート」という特典メニューで「サッカーという作品」を何世代にもわたって鑑賞し続ける家族を応援してあげて欲しいと思います。

【補筆分は以上です】

野々村新チェアマンが、新たな立場でも札幌社長時代と同様の手腕を発揮してくれることを大いに期待したいと思います。




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一番強いクラブ川崎Fが日本代表選手を多く輩出している自然な姿

2022年03月27日 21時10分34秒 | サッカー日本代表
カタールW杯出場を決めた日本代表、その転換点となったことについて、中盤を厚くしたシステム変更のことが言われています。
そのシステム変更と同時に起用された中盤の選手に田中碧選手と守田英正選手がいます。また先日のアウェー豪州戦でヒーローとなった三笘薫選手、彼の最初のゴールをアシストした山根視来選手、そして、鉄板センターバック不在の2試合を見事に埋めた谷口彰悟選手、さらには出番こそなかったものの招集常連になりつつある旗手怜央選手、彼らはすべて川崎Fで近年のJリーグ制覇に貢献した選手たちです。

やはりいま日本で一番強いクラブ・川崎Fが、日本代表を多く輩出している、自然な姿だと実感できます。
過去30年間、やはりその時々で一番強いクラブの選手が日本代表の主力を構成してきています。Jリーグスタート直後のヴ川崎、のちに磐田、鹿島と変わり、いま川崎Fということです。
この先、川崎Fが引き続き日本代表の主力となる選手を輩出し続けられるか、はたまた別のクラブがJリーグの覇権を奪還し、日本代表の主力選手輩出元の座も奪うか注目していきたいところです。
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森保監督でW杯出場権を獲得できたことを考えてみます。

2022年03月26日 21時14分27秒 | サッカー日本代表
森保監督は、W杯出場権獲得をめざして就任した監督の中で、途中交代なしに出場権を獲得した、はじめての日本人監督になりました。

Jリーグがスタートした1993年以降、W杯出場をめざしてアジア予選を戦った日本人監督は森保監督で3人目、最初の加茂周監督は失敗に終わり途中から指揮を執った岡田武史監督が日本にW杯初出場をもたらしました。

岡田監督は、オシム監督の急病によって、またもや途中から指揮を執り自身2度目のW杯出場を果たしました。

2018年ロシアW杯のアジア予選はハリルホジッチ監督のもとで突破して出場権を得ましたが、本大会の2ケ月前に更迭され、本開会の指揮を執ったのは西野朗監督でした。
岡田監督にしても西野監督にしても、途中から指揮を執りチームを立て直す力量は、並大抵のことではありませんが、W杯のアジア予選という長丁場を乗り切るのも大変なことです。

これまで、W杯予選免除で本大会を率いたトルシエ監督は別にして、アジア予選を戦い抜いたジーコ監督、ザッケローニ監督という外国人監督のもとで途中交代なしに出場権獲得に至ったことがありましたが日本人監督のままでアジア予選を戦い抜いたというのは歴史的なこととなりました。

これは今後も続くW杯への挑戦において、かなり節目になる出来事だと思います。なぜなら、これまでは外国人監督を招く時代が20年以上続き、森保監督の起用は日本サッカー協会としては、大きな決断だったからです。

森保監督就任から3年半、これまで決して盤石の采配を続けてきたわけではありません。戦術的な面、選手起用面など時として疑問を投げかけられることもあり、協会が万が一の更迭プランを持ったこともあったはずです。

特に昨年の東京五輪以降、相変わらずベテラン選手偏重とも思える頑固な起用方針が続き、世代交代を叫ぶ周囲からのバッシングが監督だけでなく起用されたベテラン選手にまで及ぶこともありました。

もし、これが外国人監督のもとであれば、チームの一体感が徐々に崩れ、結果にも表れたことでしょう。森保監督のもとで結局戦い抜けたのは、監督に対する選手たちの信頼感、リスペクトが非常に強くチームとしての一体感が強まりこそすれ、弱くなる状況にならなかったことがあげられます。

加えて重要な理由と思われるのは、選手たち自身の「W杯出場継続に対する強い責任感」「最後の1秒まであきらめずにファイトし続ける強靭な意思と体力」といった質的な進化があったことです。
「自分たちの代でW杯出場継続を絶対途絶えさせたくない」という覚悟とも思える責任感には、ただただ頭が下がる思いですし、やはり、選手たちのこうした強靭な気持ちなくして、本当にW杯出場権獲得は難しいものなのだと思い知るばかりです。

日本代表選手の多くが海外の厳しいリーグで、自らの生き残りを賭けて戦い抜いている中で、こうした国を背負う代表としての強靭な責任感と、それを支える強靭なフィジカルを身に着けているのだと、あらためて敬意を抱きます。

日本サッカー協会は、これで、今後も日本人監督でW杯予選を戦っていくのだという自信を得たことと思います。選手から絶大な信頼を得ている森保監督と、国を背負う代表としての強靭な責任感を持つ選手たちのおかげで、それが可能になったようです。

私の中では、早くもカタールW杯終了後、勇退するであろう森保監督の次を担う人をあげたい衝動にかられますが、それは控えておきたいと思います。
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カタールW杯、今からあまり目標報道しないほうがいいのでは?

2022年03月26日 20時40分36秒 | サッカー日本代表
一昨日のアウェー豪州戦を勝ち切りカタールW杯出場を決めた日本代表について、メディアの報道は「カタールではベスト8以上を目指す戦いとなる」といった論調が目立つのが気になります。

まだ出場国すべてが出揃ったわけでもなく、当然のことながらグループリーグの対戦相手も決まっていない中で、いくらこれまで3度にわたり決勝T1回戦で敗れてきたからといって、今度はその壁を打ち破り、ベスト8以上を目指すという目標があるからといって、いきなりそれを打ち出すのは「早とちり」もいいところです。

過去の日本は、グループリーグ敗退と決勝T1回戦進出を交互に繰り返して、その流れから言えば、今度はグループリーグ敗退の番だと言ってもおかしくない状況です。

つまりW杯本大会は、それだけ予測不能な難しい場だということを、しっかり認識していれば「ベスト8以上を目指す戦い」などと安直に言えるはずがないのです。

もしメディアが「ベスト8以上を目指す戦い」と言うなら「過去の日本は、グループリーグ敗退と決勝T1回戦進出を交互に繰り返してきたものの」という事実を述べた上で「今度はグループリーグを突破して、さらに、過去3度にわたって跳ね返された決勝T1回戦の壁も打ち破るところまで行って欲しい」という、現時点では何の根拠もない願望として言って欲しいものです。

そして、それがグループリーグの対戦相手が決まった段階で、相手を見据えて、まずグループリーグを突破できるのか、突破するにはどうすればいいのか、という具体論に入って欲しいものです。


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29年前の10月以来のラジオ実況で豪州戦を聴いています

2022年03月24日 18時56分14秒 | サッカー日本代表
今日3月24日(木)、今年秋開催の「カタールワールドカップ」アジア最終予選の豪州戦がアウェーで行なわれています。ご存じのようにテレビ放映権がとれず、DAZNでのネット配信だけの映像とのこと。
テレビ時代の人間ですので、いまだにDAZNには未加入です。

そんな中、ニッポン放送がラジオ実況をしてくれて、いま聴いています。
こうして日本代表の天王山とも言うべき試合をラジオで聴くことになったのは、29年前の10月以来です。その試合というのは、1993年10月のアメリカW杯アジア最終予選の最終戦イラク戦です。そう「ドーハの悲劇」となった試合以来です。
その試合、今回のようにテレビ放映がなかった訳ではなく、NHKも民放も放映してくれましたが、肝心の私が出張のため帰宅が放映時間に間に合わず、やむなくレンタカーのラジオで聴いたという次第です。

ここまで書いた時、後半44分、三笘薫選手がゴールという絶叫が響きましたぁ~~~~。
VARによる検証も乗り越えてゴールが認められました。
アディショナルタイム4分を消化中です。
シドニーにパワーを、エールを送ってくれと叫んでいます。

あと1分半のアナウンスです。
そして、また三笘薫が一人でドリブルで切れ込んで2点目、これで相手の息の根を止めました。
ここで長いホイッスル。

29年前のラジオ実況の悪夢を振り払い、新世代が決めてくれました。
7大会連続W杯出場、凄いことです。
25年間、四半世紀、日本はW杯本大会に出続けることになりました。

それにしても、森保監督の選手起用の頑固さにはお手上げですが、決められれば言うことがなくなってしまいます。
おめでとうございます。

【2月27日追記】ヒーローとなった三笘薫選手の「笘」の文字、最初は「苫」という字にしました。文字変換で最初に出てくる字にギモンを持たずに書き込んでいました。
ところがネット上では「三笘警察」という人たちが、ネット上に溢れる三笘選手関係のコメントを点検して「苫」をつかっている場合には「笘です」と指摘して歩いているそうです。
それを読んで当方もキチンと訂正しておいた次第です。
思いがけず勉強になりました。
まぁ「三笘警察」というよりは「三笘つづり方監視員」と言って欲しいです。ちなみに「苫」というのは菅や茅などで編んだ今でいうシートのようなもので小屋や舟の雨露よけに使ったそうです。「笘」のほうは文字を書く竹の札のことだそうです。やはり草かんむりと竹かんむりでは大違いなのですね。
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