LAW and Tecnologyの51号にまねきTV最高裁判決の調査官解説が掲載されています。
1 送信可能化権の意義
送信可能化権は、自動公衆送信装置を前提とするものですから、「自動公衆送信装置」の意味を確定する必要があります。この点、本解説は、「公衆性」の有無について、行為主体との関係で判断すべきであり、装置自体の機能として、「1対多」の送信を行うものに限定されず、機械自体が、「1対1」 . . . 本文を読む
1 Law and Technology 51号にロクラクⅡ最高裁判決の調査官解説が掲載されています。
調査官とは、最高裁判事が判決を下す際に法律的調査を行うことが職務であり、その解説は、最高裁判決の射程範囲等を考える際の重要な資料になっています。
2 判決の射程範囲
この解説では、本判決の射程範囲が「判決設定事例」に限定されることが強調されています。「判決設定事例」とは、「放送番組等の複製 . . . 本文を読む
椙山先生のフェアユースに関する最新論文です。
結論は、日本版フェアユースを導入すべし、ということです。賛成です。
主たる理由は、
① 技術革新等に伴う新しい著作物の流通モデルを適法化する必要があるが、立法では困難かつ無意味(議論しているうちに真似される)。
② 実情に応じた結論が導ける柔軟なルールが必要。
③ 裁判所に対する不信は極論。
(注)にある「権利再生」というアイディアは面白い . . . 本文を読む
第2部:保護範囲について
1 複製と翻案は択一的認定で良いとのご主張です。賛成です。
2 侵害と創作性の程度について
創作性のある部分のみを対象に侵害の有無を判断する見解(田村説)もありますが、利用の程度も考慮すべきとのご指摘です。賛成です。
3 翻案物と原著作権について
先行作存在の抗弁を提唱されています。先行作と同一の作品を偶然に(依拠することなく)創作(偶然の暗合)しても、文化の発 . . . 本文を読む
第1部は、現行著作権法の主要課題です。現在、立法提案をするグループの準備中ですので、参考になります。ポイントは以下のとおり。
1 登録制度
現在、著作権は無登録で保護されますが、一定期間経過後に権利を主張するr者は、何らかの更新登録が必要との制度が言及されています。
2 公衆送信権
「放送」とのバランスから、「公衆」の範囲が広すぎるという指摘がなされています。横道ですが、「原則は広く、例外 . . . 本文を読む
機能性著作物に関する一考察
第1 はじめに
近時、類似商品の製造販売等に関する相談を受ける機会が多数あった。相談の内容は大きく二つに分けることができる。第1のパターンは、「ライバル会社が自社のヒット製品の類似品を安価で製造販売しているので、これを抑えたい」というものであり、第2のパターンは、「ライバル会社から、「貴社製品は自社製品の類似品であるから、その製造販売の差止めを求める . . . 本文を読む
間接侵害についての高部判事の論考です。ロクラク・まねきTV最高裁以前のものです。
クラブキャッツアイ事件判決は事例判決であることを指摘し、同判決(カラオケ法理)の射程範囲を拡張することに疑問を呈されています。
この問題は立法的解決が必要との見解です。
今こそ、再読に値する論文といえましょう。 . . . 本文を読む
奥邨准教授の「著作権の間接侵害論の再検討」という講演を拝聴しました。
ロクラク事件の判決文の読み方として、「放送番組等の複製物を取得することを可能にするサービスにおいて・・・」という部分が判旨に含まれるとすると、ロクラク事件最高裁判決の射程範囲は放送番組等に限定できるのではないかというお話があり、参考になりました。
判決文のどの部分が判旨として下級審に対して拘束力を持つかは、重要な問題ですね。 . . . 本文を読む
11オートバイレース写真事件
平成21(ネ)10051
職務著作の成立を認めたものです。
12 共同研究報告事件
平成21(ネ)10051
「法人等の発意」の要件に関し、業務に従事する者の職務の遂行上、当該著作物の作成が予定又は予期される限り、当該要件は充たされると述べています。 . . . 本文を読む
13 ペ・ヨンジュン写真事件
平成21(ワ)4331
パブリシティ権侵害の判断枠組みについて、知財高裁(ピンクレディー事件)とは異なる判断をしています。今後の動きが注目されます。
14 世界の車窓事件
平成22(ネ)
棚木さんによると、114条3項に基づく賠償額の算定に関し、過失相殺を肯定した(反対:加戸)ところに注目すべきとのことです。
15 図書館等 . . . 本文を読む
9 鑑定証書事件
平成22(ネ)10052
本件は、鑑定証書を作成する際に、絵画の縮小コピーを添付したというものです。
本判決は、引用の抗弁の成否について、明瞭区別性・主従関係をファクターとすることなく、①利用目的、②方法・態様、③著作物の種類・性質、④著作権者に及ぼす影響の有無・程度等を要素として、引用が、「公正な慣行に合致するか否か」の判断の際に考慮すると述べました。
また、棚木さんに . . . 本文を読む
平成22(ネ)10033:
請求棄却
著作権法26条の3に規定する貸与権の経過措置について丁寧な説明があります(14ページ)。
該当条文は、著作権法附則4条の2、16年改正法附則4条です。 . . . 本文を読む
知財部裁判官(棚木さん)による著作権裁判例の紹介です。
1 TVブレイク事件
平成21(ネ)10078
棚木さんによると、著作権侵害行為の主体の認定に関して、「行為の内容・性質」をメルクマ-ルとしてあげている点において、ファイルローグ事件に近いとされています。
また、同判決は、プロバイダ自身が侵害行為の主体であることを理由としてプロバイダ責任制限法の適用も否定しています。
2 弁護士のく . . . 本文を読む
7 駒込大観音事件
平成21(ネ)10047
本件は、著作者同一性保持権の侵害の救済方法に関して、地裁と高裁の判断が分かれました。
高裁は、一切の事情を総合考慮した上で、原状回復は否定し、謝罪広告のみを認めました。
8 オークションカタログ事件
本件は、フリーペーパーのカタログに、オークションのプレカタログとして原告の製作した美術品の画像を掲載したこと等が問題とされたものです。
本判決 . . . 本文を読む
3 破天荒力事件
平成22(ネ)10017
本件は、第1審で複製権侵害が肯定、第2審で否定されたものです。
棚木さんによると、「思想や感情の表現との峻別、ありふれた表現にすぎないか否かの判断の難しさ」が現れているとのことです。
4 研究論文事件
平成22(ネ)10004
これも地裁と高裁とで判断が分かれたものです。
棚木さんによると、「他の表現の選択が可能であっても、そのことから、当 . . . 本文を読む
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