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知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

震災で欠勤する場合の対応

2011-03-29 19:13:21 | 震災

まず、震災が原因で欠勤する場合の解雇が可能でしょうか。 
この点、雇用契約は、労働者が労働を提供し使用者がその報酬(賃金)を与えることをその主たる内容とします(民623)。
震災が原因で労働者が欠勤する場合、労働者は前記労働提供義務を履行しないこと(履行不能)を意味しますが、震災は不可抗力ですから、労働者が労働契約上の債務不履行責任を負うことはありません。したがって、労働者が欠勤したとしても震災が原因であれば、使用者はその欠勤を理由に解雇することはできません。
次に、震災が原因で労働者が欠勤する場合の給与支払義務について考えます。
この点、他方で使用者に帰責事由のない履行不能の場合には、労働者は賃金請求権を有しませんので(民536)、使用者には労働者に給与を支払う義務もありません。休業手当(労基26)も「使用者の責に帰すべき事由による休業」の場合にしか支払われませんので、震災という不可抗力の場合には支払われません。計画停電の時間帯の休業についても同様に解されます。
もっとも、雇用調整助成金等の助成金を受けられる可能性もあり、不断の情報収集が必要です。

 


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