醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  1035号   白井一道

2019-03-24 12:36:43 | 随筆・小説



    税金は無償の愛




句郎 税金は無償の愛だと同志社大学の先生である浜矩子さんが書いている文章を読んだ。
華女 国民は皆、無償の愛を施し合って生きているということなのね。それが本来の国というものの在り方だと思うわ。
句郎 生活に余裕のある人が無償の愛としての税金を喜んで支払う社会が本当の社会のように思うな。
華女 昔、定時制高校に勤めていた時、毎月五千円を学校に贈ってくれる匿名の人がいたわ。まさに無償の愛の施しを何年にもわたって行っていたのよ。
句郎 そのお金はどのように使ったの。
華女 職員会議で話合い、雨が降り出してきた日の傘にしようと言うことになり、生徒たちに傘を貸し出すことにしたような記憶があるわ。一番生徒たちのためになることは何かということを話し合って決めたことだったわ。
句郎 自分を大事にしてくれた学校、自分に生きていく力を授けてくれた学校、自分を無条件で受け入れてくれた学校、この学校がいつまでも続いて行ってほしいと願い、学校へ無償の愛としてお金を送り続ける。このようなものが税金であってほしいね。
華女 本当にそうだと思うわ。一所懸命働いて税金を払いたい。税金を払うのが喜びであるような社会になるといいなぁと思うわ。
句郎 安倍政権は必ずしも税金のすべてが国民のために使っていない現実を知った浜矩子さんは安倍政権を批判する意図をもって税金は無償の愛だと書いたのではないかと思う。
華女 きっとそうだと思うわ。沖縄の辺野古に日本の税金で米軍のための新基地を何兆円ものお金をかけて造ることに沖縄県民は反対の意思表明をしているのにもかかわらず、沖縄県民の民意を無視して辺野古の海に土砂を投入しているのよね。この現実を知った沖縄県民は税金を支払うことが沖縄県民を苦しめることだと思うのではないかと思うわ。沖縄県民が嫌だと言っている辺野古米軍新基地建設のための税金は支払いたくないと思うようになるのは当然なことだと思うわ。
句郎 政府は国民の中の一部、強い力を持つ人々の意向を受けて、それらの人々のために税金を使っている。さらに政府は国民から税金を搾り取ろうとしている。だから誰でもが税金は支払いたくないと思うようになる。
華女 欠陥だらけのF35戦闘爆撃機を100機もアメリカから日本政府は購入を検討しているのでしょ。そんな人を殺すための戦闘機などを買うことはもってのほかだと思うわ。
句郎 防衛費だと言って戦闘爆撃機を買うのではなく、北朝鮮や中国と仲良くするための外交に重点を置くべきだよね。全国知事会は国民健康保険財政に一兆円の財政支援を要求しているのだから戦闘爆撃機を買うのを止め、国民健康保険財政健全化のために税金を使うべきだと思うな。
華女 安倍政権は国民のために税金を使うのではなくアメリカの防衛産業のために税金を使っているのかしら。
句郎 そうなのかもしれない。最近知った言葉にインフレーションタックスというカタカナ言葉がある。インフレーションを起こすのは国民から税金を徴収することだということのようだ。
華女 インフレーションは国民から税金を徴収することだと言うの?
句郎 政府は今年度も多額の借金をする予算案を通してしまった。インフレーションは政府の借金を目減りさせてくれるからね。
華女 インフレーションは私たちのいくらもない預金を目減りさせるということね。
句郎 インフレーションは政府が国民の預金を奪う合法的な強盗なのかな。
華女 自民党政府は本当に国民のための政治をしているのではなく、一部国民のための政治をしているということなのね。
句郎 残念ながら今の日本政府は国民のための政治をしているという振りをしているが、実際は圧倒的多数の国民のための政治はしていない。だから自民党は48回衆議院総選挙において全有権者の20%弱の得票しか得ていない。その前の総選挙では全有権者の17%ぐらいの得票しか得られていない。
華女 自民党は一強多弱なんて言われているわよね。でもそれほど自民党は全有権者の支持を得ているわけではないのね。
句郎 自民党は政治的無関心層に支えられている。

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