ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

砂浜幻想

2012-01-02 17:27:12 | Weblog
電信柱をヒュウヒュウ鳴らして
細い路地を立て込んだ家々を縫って
雪混じりの烈風が吹きすさぶ
海辺のこの漁村

灰の空に白波の立つくすんだ蒼

太陽は南中に近く
早い雲間に隠れては照る
円満に輝いては鋭い雲は
鉤爪を伸ばしては
天道を翻弄した

強くあるいは弱く
浜辺の光度が変わり続ける
光のリズムが出来上がり
海岸が流動に晒されて

波・光・風
音波光波に満ち満ちて

凍えた体に烈風は染み渡る
このまま砂地に倒れこみ
胎児の格好をして
夢を織る

ランタンに点火したような
明るさで…

妖精たちが光の輪に集まりだした
ヒュウヒュウと風の音と
スースースー寝息が混ざる
灰の風に暖色の息
灰の海辺に春の広野が見えて

防寒具に包まれて
砂地で寝ころぶ

我 一人
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