全員拾ったので後は高速に乗って小田原に向かえばいいだけ
俺は後部座席でべらべら喋っている周りの言葉に耳を傾けずに
人がいない側の方の耳にイヤホンをつけて音楽を聴いていた
「朝ごはん食べてきた?」
唐突にショートから声がかかった
「いや、まだ食べてないでど」
俺がそういうとがさがさとビニール袋を取り出す
「どれがいい?」
この人の喋り方は少し特殊で、テンションが高いときは普通なのだが
そうでないときに言葉に緩急が無く棒読みのように最初から最後まで一気に
しかも早口で喋るのでちょっと不思議である
「ツナマヨ」「昆布」「食べるラー油」
の3種類が目の前に並ぶ
やはり「ツナマヨ」辺りは王道だろう
「昆布」もお子様向けではないが王道だ
「食べるラー油」
という食品は前々から聞いたことはあったが食べた事はなかった
なぜ食べなかったかと言うと
この食品名を聞いた時、その言葉を口にした人が嫌いな人だったからただそれだけ
まあとりあえず1回食べてみようと思い
「じゃあこれを」
と言うと
「辛いよ、大丈夫?」
と、聞いてくるから
「多分」
と答えた
辛いといっても流石に非常識な辛さじゃないだろうと思っていたからだ
包装紙を取り外し海苔をまく
一口目、具があるところまで達することが出来ずにただの海苔まきご飯になる
二口目、まだ見つからない、これは俺の一口が小さいのか具が少ないのかどっちだ
次に食べるとようやく出てきたらしい
少し辛かったが言うほどでもないだろう
おにぎりを食べ終わると同時に新たにタッパーを取り出した
そして一瞬「あれ、おにぎり1個しかくれないのか」と思った俺はどうなんだろうか
次に出てきたのはなにやら漬物らしい
細かく刻んだのを爪楊枝に5,6つ刺してある
浅漬けのようだったが匂いを嗅いだら一発で分かった
「奈良漬」だった
あのお酒っぽい匂いは忘れられない
そして、あれは濃すぎでちょっと食べづらいのだが
「これ私が漬けたのよ」
といって差し出す
「あ、これ店で売ってる奴より薄いですね」
「そうそう、食べやすいでしょ」
と少し自慢げに説明する
1つ前の席に居る紳士にもそれを持っていく
「これ、私が漬けたの」
「へぇー、あ、そうなの?」
とそれを口にする
更にそれを前の人に渡していく
そんなこんなで高速のインターに辿り着く
ETCが入っているのか確認して高速に乗る
後はひたすら東京方面に向かえばいいだけの簡単なお仕事
「じゃあ1時間交代でお願いします」
と、お父さんが仕切る
そうするとショートが
「うちの息子に前12時間運転させたったわ
そんぐらい普通やろ」
とか何とか言っていた
「お父さんは高速は直ぐに休憩したがるんですよ」
というと普段のお父さんを知らないショートは「へー」と
少し嘲笑気味に有り気にお父さんの方を見ていた
高速に乗ると直ぐに「休憩しよう」とお父さんが言い始めた
「もう!?」
と周りの人たちが言っていたが「トイレに行きたい」らしく止まる事に
しかしそこで運転手の交代がされた
2番目はお父さんがすることになった
俺は助手席に座りグラサンは俺のいた席に
何故そこに座ったかと言うとショートの隣だからである
この二人は友達同士らしいので話が弾むのだろうが
俺としては内容が鬱陶しいし、声も大きいので少し嫌ではあった
お父さんは運転席に着く前に俺に「運転する?」って聞いてきたが
早朝に起き、まだ眠気があったので助手席に座って
寝ることにしたのだ
あの時の俺には景色を望む事より睡眠を取る方が大事だった
俺は後部座席でべらべら喋っている周りの言葉に耳を傾けずに
人がいない側の方の耳にイヤホンをつけて音楽を聴いていた
「朝ごはん食べてきた?」
唐突にショートから声がかかった
「いや、まだ食べてないでど」
俺がそういうとがさがさとビニール袋を取り出す
「どれがいい?」
この人の喋り方は少し特殊で、テンションが高いときは普通なのだが
そうでないときに言葉に緩急が無く棒読みのように最初から最後まで一気に
しかも早口で喋るのでちょっと不思議である
「ツナマヨ」「昆布」「食べるラー油」
の3種類が目の前に並ぶ
やはり「ツナマヨ」辺りは王道だろう
「昆布」もお子様向けではないが王道だ
「食べるラー油」
という食品は前々から聞いたことはあったが食べた事はなかった
なぜ食べなかったかと言うと
この食品名を聞いた時、その言葉を口にした人が嫌いな人だったからただそれだけ
まあとりあえず1回食べてみようと思い
「じゃあこれを」
と言うと
「辛いよ、大丈夫?」
と、聞いてくるから
「多分」
と答えた
辛いといっても流石に非常識な辛さじゃないだろうと思っていたからだ
包装紙を取り外し海苔をまく
一口目、具があるところまで達することが出来ずにただの海苔まきご飯になる
二口目、まだ見つからない、これは俺の一口が小さいのか具が少ないのかどっちだ
次に食べるとようやく出てきたらしい
少し辛かったが言うほどでもないだろう
おにぎりを食べ終わると同時に新たにタッパーを取り出した
そして一瞬「あれ、おにぎり1個しかくれないのか」と思った俺はどうなんだろうか
次に出てきたのはなにやら漬物らしい
細かく刻んだのを爪楊枝に5,6つ刺してある
浅漬けのようだったが匂いを嗅いだら一発で分かった
「奈良漬」だった
あのお酒っぽい匂いは忘れられない
そして、あれは濃すぎでちょっと食べづらいのだが
「これ私が漬けたのよ」
といって差し出す
「あ、これ店で売ってる奴より薄いですね」
「そうそう、食べやすいでしょ」
と少し自慢げに説明する
1つ前の席に居る紳士にもそれを持っていく
「これ、私が漬けたの」
「へぇー、あ、そうなの?」
とそれを口にする
更にそれを前の人に渡していく
そんなこんなで高速のインターに辿り着く
ETCが入っているのか確認して高速に乗る
後はひたすら東京方面に向かえばいいだけの簡単なお仕事
「じゃあ1時間交代でお願いします」
と、お父さんが仕切る
そうするとショートが
「うちの息子に前12時間運転させたったわ
そんぐらい普通やろ」
とか何とか言っていた
「お父さんは高速は直ぐに休憩したがるんですよ」
というと普段のお父さんを知らないショートは「へー」と
少し嘲笑気味に有り気にお父さんの方を見ていた
高速に乗ると直ぐに「休憩しよう」とお父さんが言い始めた
「もう!?」
と周りの人たちが言っていたが「トイレに行きたい」らしく止まる事に
しかしそこで運転手の交代がされた
2番目はお父さんがすることになった
俺は助手席に座りグラサンは俺のいた席に
何故そこに座ったかと言うとショートの隣だからである
この二人は友達同士らしいので話が弾むのだろうが
俺としては内容が鬱陶しいし、声も大きいので少し嫌ではあった
お父さんは運転席に着く前に俺に「運転する?」って聞いてきたが
早朝に起き、まだ眠気があったので助手席に座って
寝ることにしたのだ
あの時の俺には景色を望む事より睡眠を取る方が大事だった