小型の和船を構えて、時々、釣りに出ている後輩。
私の船の近くに、係留している。
以前から「どこで釣りして良いのか、ポイントが分からない」と、話していた。
近場メインの釣りで、沖に出ていく事は殆ど無い。
「今度、一緒に近場のポイントを巡るか」と、相談に乗る。
「行きます」と、勢いの良い返事が返ってきた。
日高さんは、彼が中学生の頃から知っていた。
高山さんは、以前から台風の時や、みんなで船対策する時には、必ず手伝いに来てくれる。
二人共に、大切な船仲間でもある。
色々な職場があるが、私の市役所時代の後輩でもある。
朝は、8時30分集合で、ゆっくりと船を出す。
「浅いポイントから、回っていくよ」
「竿出しして、海底もチェックするよ」
「了解です」
浅い岩場に、砂地になっているポイント。
それぞれの特徴や、風、波の様子などを説明しながら、竿を出していく。


アラカブ、オオモンハタを釣り上げ、喜んで写真を一枚。
「海底の様子が、少しは分かる」
「何となく、分かります」
「岩場ならコツンと、砂地ならフワッとした手応えが有るやろ」
「有ります」
そんな話をしながら、どんどん移動していく。
海底の瀬がどんな形をしているか、魚探に出てくる反応で確認。
「ほら、こんな形しているよ」
「凄い形していますね」
「回りに出ているのが、ベイトだよ」
「こんな形が良いんですか」
「一概には、これが良いとは言えないけれど、居る事は確認できるよね」
ポイントに入ると、こんな話で盛り上がる。
小さなワンドでは「何処まで船が入れるか、入ってみるよ」と、船を進める。
「結構、入れるんですね」
「周囲にある、浅瀬には気を付けろよ」
「海底に岩が見える時は、白っぽく見える事が多いよ」
「少しだけ、頭を出している瀬が見えるやろ」
と、教える。

日高さんが、岩場に潜む大物を掛けた。
「岩場に入られました」
「待って、船を回すよ」
引きずり出したいと、船を回すが…。
針が外れてしまった。
「残念だったね」
最後まで、大にぎわいで楽しく時間を過ごした。