釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

9月9日 巻けない

2021年09月10日 | 日記
夜明け前から、ポイントを目指して沖に向かう。

東からのウネリが、寄せている。

けれども、波長が長く、船の進行に支障には成らない。

ウネリを一つ一つ乗り越えて、ポイントを目指す。


船上から見る海の色は、青みがあるように感じるが…。


ポイントに入り、ベイト反応を確認する。

海底に張り付いて、固まった様な反応が出ている。

「ベイトは少ないけど、やってみましょうか」

日高さんに、海中の様子を伝える。

潮の流れは、緩い下り潮が0.6ノット前後で流れている。


2、3度船を流す。

「来た。来ました」





日高さんの竿が、弧を描いた。

ゴンゴンと叩く、真鯛独特のアタリ。

「真鯛ですね」と朝日に、日高さんの緊張した笑顔が、照らされる。





見事な真鯛が、上がってきた。


「71センチ有りますね」と、メジャーで計測する。

「やった。自己新記録です」と、笑顔が満開になった。

「おめでとう御座います」と、ガッチリ握手で祝福する。

「よっしゃ、これで楽な気持ちで釣りが出来る」と、日高さんにファイトが漲る。


海中には、上層に、中層にと、大きなベイトボールが出てくる様になってきた。




その正体は、小型の鯖だった。

フォール中のジグに、ガンガン当たってくる。

「ベイトの鯖に、何かが付いていると思います」

海底付近を中心に、探っていくと…。


「来た!来ました!」





日高さんの、大物狙いの堅い竿が、大きく曲がっている。

PEは6号、リーダーは24号と「絶対逃がさない」太い仕掛けで勝負だ。


海底から5~6メートル位巻き上げたところで、ガツンとヒットしてきた。




強烈な走りで、海底の岩場に逃げ込んでいるのか…。

「折れる!。竿が折れる!」と、リールが巻けない。

「逃がさん。竿が折れても逃がさん!」

ガッチリした体格の日高さんと、海底の岩場に逃げ込む大物と力勝負。




日高さんが、歯を食いしばって勝負している。


「頑張って!ここが勝負所ですよ」

傍らで応援していて、手に力が入る。

「引きずり出してやる」

今にも、竿が折れんばかりに、曲がっている。

「出てこい!」

「折れるなら、折ってみろ!」

覚悟を決めた勝負に出た時「あっ…抜けた…」


一瞬、時間が止まった気がした。


「あーっ、くっそー駄目か!」

「くっそー、腹が立つ!」

日高さんが、肩で息をしている。

その格闘の、もの凄さを語っている。


数日前は、針が伸ばされ、今回はリールが巻けなかった。


「今回は、負けた。だけど、次は対策を考えて頑張る」

海中には、とんでもない大物が、潜んでいる。