いつのことだったであろう。年の瀬が迫ったある日のこと、埼玉県嵐山にある農産物直売所を訪れた。
野菜類を物色し、バスケットに詰め込む。支払いを済ませて商品を車に詰め込み、直売所脇の花卉売り場に目をやる。
すでに寒さが募る頃、目ぼしいものとてなく、そのまま車に乗り込もうとしたが、苗トレーに丈の低い木本らしき苗が2、3ポット放置されているのを発見した。
それでも、値札シールが貼られているのだから売り物なのであろう。名札を見ると「ゲンペイシモツケ」とある。
20cmはない。15cmほどか。色の褪せた葉が数枚付いているのみで、枯れてんじゃないのと思わせるほどうらぶれていた。
改めて値札を見ると、250円とある。まぁ、いくらなんでも枯れてる木を置いておかないだろうと、ダメ元でつかんでレジへと足を運び買ってきた。
そんなバラ科シモツケ属のゲンペイシモツケが、猫の額のあちこちでいまでも息づいている。
言うまでもなく、蕊美人だ。見ていて飽きることがない。

📷2020年6月14日:こちらの枝は、平家が優勢のようだ。
昨日(4/21)、急須の注ぎ口などを掃除する小振りのブラシを買ってこいと命じられた。
猫の額の庵主に、こんな口をきけるのは世の中でもだた一人、居を供にするあの御仁だけである。そそくさとHCへと急ぐ。
屋内の売り場へ入る手前、その屋外には花卉ブロックがあり、さまざまな花木が並んでいる。たまたま覗いたら、キョウガノコの白花が売られていた。
さらに、春先に購入したユキザサが、ここにもあった。
最近、大きめの苗トレーにいろいろな山野草の苗を詰め込んで販売している事例をよく目にする。
今回も、そのようなケースで、白花キンバイとか、オノエマンテマとか、なんだとか、・・・、その数種類の中の一つがキョウガノコであったり、ユキザサだったのだ。
腹いせというわけではないが、小振りのブラシを物色する前に、その2ポットを即買いしてしまった。

📷2022年4月21日:白花のキョウガノコである。その花姿から、ナツユキソウ(夏雪草)などとも呼ばれる。

📷2022年4月21日:丈は低いが、このユキザサにはしっかりとした花穂が付いていた。
このキョウガノコだが、バラ科シモツケソウ属の多年草である。そう、草本なのだ。
シモツケソウ属とあるだけに、同属のシモツケソウととても良く似た花を付ける。
このシモツケソウだが、別名をクサシモツケというだけあって、上述した木本のシモツケととても良く似た花を付ける。
したがって、シモツケもキョウガノコにとても良く似ている花を付けるというわけ。
キョウガノコは・・・・・・、シモツケソウは・・・・・・、下手を打ったプログラムによく見られる無限ループのようだ。
キョウガノコの白花、花を付ける前だけど、イメージできたかしら 笑
さて、ユキザサだが、一鉢あったのに、なぜ、同じものを買い足したか? それは、下記の写真が物語っている。
右が先住者、草丈が20cmほどで花付きが良くない。そして、1本が萎えてしまっている。
左が今回求めた新規参入者、草丈は10cmほどと小さいが、花付きが良い。
ユキザサ、とにかくあの白くて小さな花が見たかった。そして、花数が多ければ、真っ赤な果実が実る確率も高まるものね。

📷2022年4月21日:先住者と新規参入者との比較。そう、うまい具合に花穂が成長しなかったのだよ。

📷2022年4月20日:こちらは先住者のズーム。結局、花と咲くのはこの二粒だけなのか・・・。
植物を相手にしていると、上手くいくことばかりではない。何度も言うが、大方の宿根草、多年草でも、一年草で終わらせてしまうことも多いのだ。
どんなに頑強だと言われる種類であっても、相性が悪いって事がある。それは、人だけではなく、植物とだってあるようなのだ。
ミヤコワスレ、キク科ミヤマヨメナ属の多年草だ。同じ町内のおばちゃんに言わせると、これほど蔓延る植物はないね、ときた。
ご覧の通り、6種もあったのに今年花をつけようというのはこの子だけ。ミヤコワスレとも相性が悪いみたいだ。

📷2022年4月20日:6種類あったのだが、今年花を付けそうなのはこの子だけかもしれない。