来年のことをつらつら考えながら歩いている。そう、いつもの街なかのブラ散歩の道すがらのことである。
お前ごときが何を考えることなどあろうか、生きてるだけでめっけもんじゃないのかえなどという声も聞こえないではないが、生きる死ぬなどという大仰なことではなく、来年猫の額では何が咲き、さらにどんな山野草を育てようかということなのである。
ポリゴナムが目に入ったから、とりあえず撮っておこう。この子は強い子だね。いまでは、コンクリート舗装された道路のひび割れから顔を出し、相当なコロニーさえ作っているのだから。
もう、それほど増やせるわけではない。所詮、猫の額なのだから。
いや、猫の額であればこそ、苗は大柄であっては困るし、種類だって入念に選別しなければならないというわけだ。
おや、今度はボンボンつながりということで、センニチコウとの遭遇だ。もうすでに干からびた苞を見せているものさえあるのだが、まだまだ現役ということか。
来年の話など早いって? その通りだと思う。ひょっとして咲いてる花のネタが尽きた? いや、一つや二つは咲いてる花だってあるんだよ。
小さくて白いワイルドストロベリーの花が、今日も一つほころんでいた。
すっかり花は終わってものだと思っていたダイモンジソウ、いつの間にかとっても小さな花茎を伸ばし、いくつかのつぼみを育み、ついに、その一つがほころんだ。
12月の声を聞き、すでにいくつかの萌芽が見られたり、挿し芽をした苗たちが順調に着床したりするのを目にすることができる。
胎動ってやつかな。春の胎動。小さな草本が土の中で動き始めている、そんな微かな蠢きが感じられはしないだろうか。
カラスバリュウキンカの名誉のために記しておくが、鉢物が増えると所構わず小庭を掘り返し植えてしまう庵主がいる。どこに、何を植えたのかすっかり失念してしまい、あっちに植え、こっちを掘り返ししているからこんな惨状が露呈するというわけだ。
切り花として鑑賞でもしたらと頂いたシセンウツギ、迷わず挿し木である。十数本差したのだが、たった1本だけ命脈を保つことができた。
今年、花を付けてくれなかったウメバチソウ、それでも新たな生命を残してくれた。来年こそは・・・。
何度となく挑んできた冬越しなのだが、今年始めて、雪割草の葉が枯れることなく冬を迎えることとなった。そう、下手っぴーなのだよ。まだ、安心はできないが、しっかりとした花を付けてくれたら嬉しいなぁ~。
昨年、たくさんの種子をばら蒔いたアケボノソウは、当然のことのように今年は花を見せることなく青々とした苗ばかりがあちこちで跋扈していた。
二年目を迎える2023年、アケボノソウの開花が見られるはずである。しかし、二年草ってやつは、どうしても一年あいだが空いてしまう。このローテーションをなんとか崩さなければならないね。
この春の胎動は、まだ始まったばかりだ。師走が終わり、年が改まり、新しい一年が幕を開ける。留まるところを知らない山野草たちの胎動に、これからもひたむきに耳を澄ませていこう。
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