朝食を終え、雑事も滞りなく済ませ、一路、南魚沼にある「外山康雄・野の花館」を目指す。のんびりと下道で行っても30分と掛からない。ちょっと早めに出たので9時半ころには現地に着いていた。
ギャラリーの前は10台ほどが止まれる駐車場となっており、その一角に「花の小径」と称する野の草の庭が設えられていた。
この山野草園を拝見して思うのは、雪国の秋の到来は当地と比べやはり早いのではないかということ。昨日の魚沼の里でもそうであったが、我が家ではまだヒヨドリバナの仲間たちのつぼみはまだまだ粟粒のままであり、サワギキョウに関してもまだ花を知らず、その他の植物も押して知るべしなのである。
北国の秋は足早に到来し、あっという間に立ち去ってしまうのであろう。
外山康雄(1940-2024)は、山野に咲く野の花を繊細かつ色鮮やかに描き、南魚沼の魅力を発信してきた水彩画家である。
「外山康雄・野の花館」とは、同氏が2002年、旧塩沢町にあった古民家を再生して開設したギャラリーである。
同ホームページの「野の花館とは[展示について]」には、同館のプロフィールが次のように記されている。
「外山康雄の描いた山野草の原画が、常時100点~200点近く展示してあります。
花の移り変わりと一緒に、展示も日々変化していきます。
モデルとなった花や季節の花々を絵の傍らに飾る事で、より絵を深く鑑賞する事が出来るのが特徴です。
館内を1周する事で、魚沼の山を散策したような気持ちを感じてもらえたらうれしく思います。
館内に飾ってある花々は、たくさんの人達が協力してくれています。」
このギャラリーには、もう6年ほど前、新潟の瀬波や湯田中温泉にそれぞれ一泊し、その帰途に立ち寄ろうと思っていた。ところが、その日は生憎の雨、その上ロングドライブの後であったがため、途中で高速を降りる気にはならず、そのままスルーしてしまった。
ご存じの通り、その後、数年に及ぶ疫禍とあって、この度の来訪となってしまったのである。
では、野の花館に入館してみよう。
こちらのホームページにも、「モデルとなった花や季節の花々を絵の傍らに飾る事で、より絵を深く鑑賞する事が出来るのが特徴です。」とあったが、館内に入ると、忙しそうに活けた花を新しいものと取り換えていた。展示された水彩画は100点近く、そのほとんどに生花が添えられているのだから凄まじいものである。
ぐるりと一巡し、ポストカードを求め、『良寛 野の花の歌」(選・解説◎本間 明、水彩画◎外山康雄:考古堂)なる書籍を購入する。
館内を一巡すると、「お茶でもどうぞ」の声がかかる。なんとコーヒーと茶菓子のお接待にあずかった。なんとも心嬉しい空間であったことよ。
魚沼の里、外山康雄・野の花館--訪れたスポットはこの二つに過ぎないが、それでも十分に満喫した越後路の旅であった。
この後、道の駅南魚沼で買い物を済ませ、へぎそばで有名な中野屋塩沢店で昼食を摂り、帰路に就こうと思う。
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