今日の青空の綺麗だったこと!
雨と風で洗われたような空、木々の緑もきらきらひかっていた。
こんな日、どんな着物を着ようか、はたと考えてしまった。
紬、よりやわらか物が着たい。今日はきりきり立ち働きたくない。日曜日ですから。
自分で決めないと休みがないのです。
やわらか物を身にまといたいということは「休みたい」ということになる。
『休日にしましょう』と心の声がした。で一越の葡萄色の小紋にする。
久し振りの休日となりました。
洗濯だけして、本棚に手を伸ばし、取り出した本は、志村ふくみ「たまゆらの道」
染織りの天才は、文章の達人でもあるのです。
「たまゆらの道」のなかにこんな文章が。
私が気に入っているきものというのは、着ていることさえ忘れるような、自分の
肌のように馴染んだきものである。20年、30年、洗い張りをして縫い直し、
人から「あら、志村さんまたそのきもの」といわれるほど自分に同化したきもの
であると。
家庭と仕事との板ばさみに悩む女性には、頬をひっぱたかれるような一文もある。
染織りの源流を探る諸外国の旅、美しい写真、大切な一冊です。
たまゆらの道 志村ふくみ 志村洋子 世界文化社