現在週に8コマ 私立高校2年生と3年生に「情報I」および「パソコン研究」
という授業で情報Iだけでなく「入力練習・ワード、エクセル全般」を教えています。
そこで感じることを不定期にお伝えしていきたいと思います。
実は今回、試行テストの分析をもう少しご紹介する予定でした。
しかし、休み中に前々から気になっていた私立大学の「情報I」への対応状況を改めて調べてみてびっくり。こちらを先にお伝えするべきだと急遽内容変更です。
国立大学で2025年の共通テストから「情報I」が必須になることは、このブログをご覧になっている方であれば、ご存じかと思います。
いろんな方とお話をしていると
- 私立大学のみ受験の場合は関係ないと思っている
- 自分は文系なので大して関係はないと思っている
そんなニュアンスを感じることも少なくないのですが、
今回は“それ違いますよ!”っていうお話です。
そもそも国立大学が大きく影響を受けるのであれば、
私立大学が影響を受けないハズがありません。
いったいどういう影響なのかをできるだけ簡単に説明したいのですが、
何しろ現在の大学受験は昔と大きく変わってきています。
必要最低限の知識は前提条件として理解しておかないと、
「何が何だかわからない」ということになりかねません。
そこで今回は<基本のキ> まず「共通テスト」の概略の説明から。
ここは、かつて私自身も大きく誤解していた部分であり、
そもそもの前提の話になります。
「共通テスト」というと、
その前に「センター試験」「共通1次試験」といわれた時代がありました。
これらのテストは、かつて国公立の受験の時だけに必要でしたが、
今ではほとんどの私立大学で、一般入試と呼ばれる受験とは別に、
この共通テストで受験することができます。
(実はその各々の学校によって更に細かい区別があるのですが、
話を単純化するためにここでは触れません)
どちらで受験するかは、なかなか悩ましい問題ですが、
すこしでも可能性を高くするために
両方の試験で受験することはめずらしくありません。
したがって、まず認識するべきは
「私学のみの受験生でも共通テストを受ける場合がある」ということです。
(その場合は国公立受験のように5教科7科目とかではなくて3科目のみ受験とかになるのです)
そういった前提を踏まえて、関東近県の私立大学を調べて見てみました。
(情報は前回紹介したここにまとまっていました。)
さらにそのなかで、名の通った、身近にある以下の私立大学に関して細かく見てみました。
・青山学院大学・学習院大学・鎌倉女子大学・関東学院大学・専修大学・東京都市大学(旧武蔵工業大学)
・日本大学・日本体育大学・東京電機大学・東京理科大学・明治大学・明治学院大学・武蔵大学・立教大学・早稲田大学
細かく場合分けすると、かえって全体が分からなくなるので、
大雑把にまとめます。
- 私立大学の1/3が「情報I」の試験を採用するといっている(確定、もしくは方針として表明している⇒今後さらに増えることが予想される)
- その大学は特別な大学ではなく、ごくごく知られた大学。上位レベルの大学からまんべんなくある。
- 「情報I」の試験とは現状、共通テストの「情報I」そのものであり、大学独自で「情報I」を出題する大学はほぼ見当たらない。
(慶応のSFCは「情報と数学」という独自試験を用意する⇒これが一般的にはならないと言われている) - 「情報I」入試を採用しているのは、ほぼ文系学部である(理系の単科大学の場合は、採用しているケースもある)⇒これはイメージと違うのではないか。
- 受験方法は以下の2パターン
-
- その1
もっとも多いのが、
共通テスト受験の理科、社会と同様
<選択科目に「情報I」が増える>パターン - その2
一般入試の選択科目 理科とか社会とかの選択科目に
<共通テストの「情報I」が選べる>パターン
(情報Iを選択する場合、共通テストは1科目のみ受験⇒現状では少数派⇒日大の文理学部)
- その1
つまり・・・
- 私立大学の入試も特に文系学科で「情報I」の影響を大きく受け、社会(場合によっては理科)の選択科目と同等の扱いになる。
- 受験生の側から考えれば、「理科」「社会」と「情報I」から選択するという判断が必要になる。人によっては「理科」「社会」より、「情報I」を戦略的に選ぶということも十分ありうる。
最終決定ではないので、あまり世の中で騒がれてないように感じます。
しかしこの大枠は変わらないでしょう。
<今回の結論>
「情報I」は
「私立受験(のみ)の方」も、「文系学科受験の方」も大きく影響を受けるのです。
次回は、「では受験生はどのように準備すればよいか?」を考えていきます。