明日は明日の風が吹く

明日の事を今日悩んだって何にも解決しない
まぁ何とかなるさ!

虹の数学 その4

2022-07-14 21:24:35 | 地球と物理

さてさて、虹から数学してみるという無粋極まりない試みですが、この前はラプラス変換を使ってなぜ微分方程式が解けるかというその手の事を必要とされない方にはちょーどーでもいー話をしました。

 

さて、時間や空間の関数を発散・減衰と振動を組み合わせたモードの関数に置き換えることで、微分方程式は代数計算でモードの関係式を求めることが出来るってことが分かりました。時間や空間の微積分方程式に比べモードの方程式は楽に解けるんですが、最終的に時間や空間の関数に戻してやる逆変換が必要になってきます。これをラプラス逆変換とか逆ラプラス変換と呼んでいるわけです。

 

逆変換を行うには

1/2πj∫F(S)ε^st dt

という積分を任意の実数値σにおいて虚軸に平行にσ-j∞からσ+j∞の範囲で計算することになります。

まぁ、世の中にある計算で不定積分を求めるってのは難しく、その代わりに不定積分を求めずに定積分を求める工夫をあれやこれやしてきたわけです。今回の積分は留数定理という手法を使って求めることが出来ます。

 

は?

せきぶん?

りゅーすーてーり?

ってなるのは無理なからぬ話ですが、いかめしい名前の割にはやってる計算は比較的単純な計算です。

大抵微分方程式の解はもーどsの多項式を分母に据えた分数形式であらわされます。

このとき、このsの関数が複素平面で正則でない点ってなんのこっちゃって話ですが、要するに関数が無限遠を含んで複素平面上で不連続になる、つまりは分母が0になる点、たとえばs1とでもしときましょうか・・・

そうすると(s-s1)F(s)ε^stってのは約分することで分母が0じゃなくなる。この時の式にS=S1を放り込んどきゃいいんです。

例えば1/(s-1)を逆変換したければ、s=1で正則じゃなくなるので(s-1)・1/(1-s)ε^stにs=1を放り込めばいいのでε^tになるわけです。

お次は少し複雑にしてa/(s^2+a^2)=a/(s+ja)(s-ja)

これも正則でない点はs=±jaですので同じように

(s+ja)・a/(s+ja)(s-ja)ε^stにs=-jaを放り込んだものと

(s-ja)・s/(s+ja)(s-ja)ε^stにs=jaを放り込んだものを足せば結果はsin atとなります。

 

お次に減衰振動a/{(s+b)^2+a^2}だって複素平面上で正則でない点-b±jaで同じようにすればε^(-bt)・sin atの形に戻るわけです。

って制御理論をかじったことがある方ならそんなもんラプラス変換のパターンを覚えといて部分分数の形にしてヘビサイドの定理で分子を求めときゃえーやんwって言われると思いますが、留数定理でやってる計算を見れば結局やってることは同じです。

つまりは大げさに留数定理なるものを引っ張り出して逆変換を求めましたが、そんなもん覚えたり理解する必要ははなっからなかったんです。

ちなみに同じ場所に2つ以上正則でない点が重なる(重根とか言います)という不幸な出来事が起こったときに計算方法ももちろんあるんですがめんどくさいのでやめにしておきましょうw

 

かなり無粋な算術の話になりましたが、次は微分方程式が理屈倒れではなくって言われてみればホンマやなぁwと実感できる一例としてバネの振動について解説してみたいと思います。よくこの手の事は電気回路の過渡現象から開設されますが見えない電気が振動してるっても何のこっちゃwって当然思うわけですから、身近なバネの振動が条件次第でどんな動きになるか?それが微分方程式を解いた結果と確かに同じやなぁwってことを述べてみます。

 

 

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虹の数学 その3

2022-07-02 11:41:45 | 地球と物理

虹という詩的な自然現象を自然科学的に数学的に見てみるという無粋な話ですが、この前はある量を過渡的な増減と定常的な振動を掛け合わせた量に分解するラプラス変換ってさらなる無粋な話をしました。

このラプラス変換ってもので微積分方程式が解けるわけですが、そもそも微積分方程式って何じゃーいwそれ以前に微積分ってなんやねんって話をしましょう。

まずは微分とは変化の法則を求めるってことです。例えば歩いているおっさんの位置は常に変化しているわけですが、道のりをかかった時間で割れば平均の速さが分かります。この時間帯をある時刻に向かって幅を縮めればその時刻の速さがだんだん特定されていきます。究極的には時間の幅をゼロに近づければその時刻の速さが特定されます。そして、同じ要領ですべての時刻に対して進んだ道のりの変化の法則をつかむという行為を導関数を求めるって言います。ある時刻の道のりを示す関数の導関数を求めるってことは、その時刻の速さの法則を求めることと同じだと言えます。この導関数を求めるという作業の事を微分するって言います。

 

じゃあ積分とは何か?皆様は財布や口座の残高を気にしないで生きていけるって方は少数でしょう。この残高を変化させているのが収入や支出ですよね。収入や支出があるたびに足し引きすれば残高になってきます。収入は少なく物要りな私には切実な問題ですw。では風呂桶の湯量は流入あるいは排出される流量で変化しています。連続して変化をもたらしている量を細かい区間に区切って足し合わせる、あたかもある時の収入や支出のように連続している量を際限なく細かく区切って足し合わせるという作業を積分するって言います。要は連続した量の累積を求めているってことです。

 

もともとは別々に発達した微分法と積分法ですがあるときライプニッツって親父が積分するってのは微分して元に戻る法則を探すことなんだと気が付いたわけです。ホント余計なことをする奴がおるって呪いたくなる気持ちは分からなくはありませんが現代文明はこのおっさんの見出した手法に多大な恩恵を受けているわけです。そんなこと言っても分からんもんは分からんってのは別に悪くないわけです。自分が分からなければ他にその手法を理解する誰かが現れますから。人生「俺がやらなきゃ誰がやる!」って気負うから苦しむんであって、「俺がやらなきゃ誰かやるw」と開き直った方が精神衛生上圧倒的にいいに決まってます。この2つの文言濁点が一つ違うだけですが、気負いという心の濁りを取ることで、物事が澄んで見えるようになって今迄気負ってた時に前に進めなかったことが進めるようになったりします。まぁ、私事ですが電験2種を取ろうと気負って苦しんでいた時にこのことに気づいた、気づいたときに試験に受かって免状が手元にやってきたわけです。

 

そんなもん数学のテストだったらイミフでも手法を覚えときゃ点が取れるでしょ?って言われればその通りです。が、物理系・電気系の方などですと、微積分とは何なんだ?ってことが分かればどんな場合にどの量に対して微分すればいいのか積分すればいいのかすぐに分かるようになるわけです。逆にわからずにパターン化して丸覚えすると覚えることがやたら滅多に多くなってただでさえ分からんものが余計に訳が分からなくなるわけです。

 

じゃあ、微積分方程式って何かってことになるとある状態の変化と累積の制約ってことになる。その状態があるところでどうなっているかを特定できれば、その前後の状態は制約から一意に決まる。ってことは微積分方程式とあるところの状態(初期条件ってよばれてます)が決まっていればその量の法則が決まるってわけです。この作業を微分方程式を解くって言います。

 

で、例えば時間的に変化するf(t)って量をラプラス変換したものがF(s)としてラプラス変換の手続きから微分するd/dt  f(t)のラプラス変換はsF(s)-f(0)、積分は微分して元に戻ればいいわけですから∫f(t)dtのラプラス変換は積分値の初期条件をF(0)とするとF(s)/s+F(0)/sとなるわけです。

 

こうすればある量f(t)の変化と累積の制約である微分方程式そして初期条件が分かれば、ラプラス変換をすればその量とモードσ+jωの関係式になる。そうするとここで算出されるF(s)ってのは過渡的な増減と振動を含むモードの関数になるわけです。で、各モードの大きさが算出されてそれを足し合わせれば微分方程式の解になるわけです。

 

せっかく虹を拝んで素敵な詩や俳句を詠むでもなく、なんて無粋な話を!ってことなんですが次はさらに無粋に微分方程式の実例とラプラスの逆変換からモードの大きさを求めて微分方程式を解くっていう話をすることにします。

 

 

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虹の数学 その2

2022-06-25 13:50:35 | 地球と物理

前に虹は可視光領域の各周波数の電磁波に分けられたものが現れてるって話をしました。

雨が上がって美しい虹を見て率直にきれいだなぁと思うにとどめたほうが健全な生き方とは思うんですが、ここで虹が現れるってことを数学的に考えてみようってわけです。

波の一番きれいな形は正弦波あるいはサインウェーブと呼ばれる形で、三角関数の波形になるわけです。

それ以外のきちゃない波形の波というのはいろいろな周期・位相をもったサインウェーブの集合体と考えられるわけです。

このきちゃない波形を正弦波の集合体の形にしたらどの正弦波がどんだけ含まれてるよ?ってことを調べるのをフーリエ変換あるいはフーリエ解析ってわけです。

ある周期の正弦波は基準点があるならAsin(ωt+θ)って表せます。Aが振幅、ωが角周波数、θが位相です。

こうした波形は直行する2つの波形A1sin ωtとA2cos ωtを足し合わせたものに分解できます。

で、きちゃない波形が時間的にf(t)って表せるなら、各成分は例えばA1を調べたいならf(t)にsinωtを掛け合わせてほんのちょぼっとの時間dtの間にどれだけの量になるかを周期に渡って足し合わせて周期で割るという作業をすれば出てくるわけです。数式で書くと1/2T∫f(t)sinωtdtを周期Tにわたり計算するという作業になってきます。これを周期の整数で割ったものに相当する周波数でsin cosそれぞれ計算すればきちゃない波形がきれいな波形を足し合わせた形であらわせるわけです。

なお、この手法はきちゃない波形から別のきちゃない波形がどんだけ含まれているかを調べるときにも使うことが出来ます。

 

一方できちゃない波形が周期性を持ってなかったらってことを考えると無限遠の周期に渡ってすべての周波数と位相を表す関数をかけて積分すれば時間の波形が周波数のスペクトルの強さに変換できるわけです。すべての周波数と位相を表す関数といえばオイラーの数式e^(iπ)+1=0から出てくるe^iωtをf(t)に掛け合わせて無限遠で積分すればスペクトルが出てくるわけです。これをフーリエ変換といいます。ちなみにiは単位虚数でイマジナリーからきていますが、電気系出身の私はε^jωtって書くことが多いです。

 

なんだかきれいな虹からズイブン無粋な話になってきましたが、さらにここから余計な話をすると、物理的な状態は定常的には振動を続けていますが、過渡的にその状態に行き着くまでに指数関数的に減衰しますし、システムなどが暴走するときは指数関数的に増大します。同時に振動を繰り返す場合も多く、振動と指数的な増減の掛け合わせになるわけです。すると、指数的な増減の度合いをσとすると、ε^(σ+jω)で減衰振動などを表せるわけです。

いっぽうですべての関数は別の関数と掛け合わせて積分することでその関数の成分を取り出せるわけですからε^(σ+jω)の成分だって取り出せるわけです。

ここでさらに無粋なことを考えるおっさんが現れるわけですが、彼の名はラプラスって言います。まぁ、制御理論というくっそおもろない理論を学び始めるときに真っ先にコノヤローって思う人物ですね。で、学びを進めるとボード、ラウス、フルビッツ、ナイキストなど肖像画をダーツの的にしてやりたくなる人物が増殖していくわけです。

このラプラスっておっさん、何をしたかといえば過渡現象を含むσ+jω=sとおいてすべての関数を過渡項を含モードと呼ばれる成分に分解できる。つまり∫f(t)ε^(-st)dtという変換を考え出したわけです。これが制御理論でぜーったい避けられないラプラス変換って奴です。

これに懲りず、さらに次はラプラス変換で微分方程式が何で解けるねんという無粋な話を考えてみましょう。

 

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虹の数学

2022-06-17 21:17:09 | 地球と物理

雨上がりに虹が出ていると何歳になってもワクワクするものです。

古くは旧約聖書で大洪水の後に契約の虹なんてのもありますね。

ドラクエでは虹の架け橋を渡って竜王を倒しに行ったりもしました。

 

さて、そんなロマンチックな虹を数学、物理学で説明しようという無粋な話なんですが、太陽の光ってのは専門的な言葉を使わせてもらうと様々な周波数の電磁波が混成されたものだってことです。真空中の電磁波の進行速度は周波数に関係なく一定なんですが、物質中では周波数に応じて速度が遅くなります。これまた知識をひけらかすみたいでやーらしーのですが周波数に応じて屈折率が変化する、即ち物質の誘電率に分散性があるということです。真空の誘電率は相対論的に慣性系間の変換でもかけない限りスカラー量と考えて差し支えないんですが、物質の比誘電率は定数じゃないんです。定数になるのは線形・等方・非分散・非履歴性となる場合なんですが厳密には大抵の物質はどれかに引っかかるわけです。それぞれ一体なんじゃらほいってことになるんですが、逆の場合について解説すると

非線形・・・誘電率が電界強度に依存している

異方性・・・誘電率が電界と電束の間で大きさと向きを変換するテンソル量として作用する

分散性・・・誘電率が電界の時間変化に対して依存性がある=周波数に依存性がある

履歴性・・・ヒステリシスとも呼ばれ、誘電率が電界強度の履歴に依存している。誘電体では顕著に表れるのはPZTなど限られた物質ですが、透磁率の場合は鉄・ニッケルなど割と見かける物質にこの性質があって、電気設備の施設管理では色々厄介のタネでもあったりします。

 

水滴ってのは低い周波数では特に誘電率に分散性が見られるわけじゃないけど、可視光領域になると赤い光と紫色の光では誘電率がそこそこ変わってくる。誘電率の変化は物質中の電磁波の進行速度に直結します。波動の速度が変わるということは屈折率が変わるということにつながってくるわけです。屈折率が変われば入射光の曲がり方も変わる。

 

で、表題の虹が現れるわけです。

 

で、虹を見てるとある瞬間に確かに様々な波長の光が混ざってるってことは分かりました。

次はそれをどうやって計算するかという厄介な話をしてみましょう。

 

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学びなおし

2022-05-27 23:38:11 | 地球と物理

このごろ必要に駆られて伝送回路の勉強を始めているがちーっともはかどっていない。

時に伝送線路間あるいは接続部のインピーダンスマッチングがきちんとしていないと線路の長さがλ/4に該当する周波数の整数倍ごとに線路から強烈に電磁放射が起こるってことだけど、今一つイメージがつかめていなかった。

と思ってたらい~ずみ先生の動画がタイムリーに説明しているではないですか。

 

【物理基礎 定期試験対策】気柱の固有振動【波動】*

 

まぁ、高校生で将来電気系に進もうってのなら、電磁気と並んで波動はしっかり学んだほうがいい。

世の中の現象のほとんどは推し進める力と引き戻す力のバランスの間で振動あるいは指数関数的な発散や収束あるいはその組み合わせになる。電力関係なら時間軸の電気の振動が分かってれば大抵事足りる。商用周波では送電側はともかく受電側は集中定数回路が分かってれば充分です。商用周波の波長なんて東京-新大阪間の10倍ぐらい(私は関西在住なので60Hzで計算してますが、東日本に住まわれている方で興味や暇のある方は50Hzの波長で計算してみるのも頭の体操にはなります)、そんな長い線路を考慮しなければならないような電気設備の管理をされる方なんて選ばれし者でしょう。

 

ですが高周波の伝送回路では140MHzの帯域は無線では別名ツーメーターと呼ばれているように分布定数回路で考えなければならないのです。

 

ですがイメージをつかまないままに難しい理論を呑み込もうとすると訳が分からなくなります。

 

ということで、今回もい~ずみ先生の動画にて波動の学びなおしです。小難しい手法ではなく基本的なところを解説してくれる動画や参考書で学ぶ方が、自分のレベルに合わない難しい書籍や動画で学ぶよりもはるかに価値があります。

 

やはり物理学ってのは基本の理解が大事ですね。土台をしっかり構えずに逆エッフェル塔のごとく高度な知識を積み上げれば破綻をきたすことは分かりきった話です。

 

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あからさまなてぬき

2022-04-03 19:52:11 | 地球と物理

最近伝送回路を学び始めてますが、線路を集中定数回路で近似できるシミュレーションモデルのところ、まぁ、今日日のシミュレーターは大抵分布定数回路の機能がついているので学びも手抜きになってきます。

本当はlattice-π型等価回路は伝送行列がどーなってるか検証すべきなんでしょうけどパスw

クロストークへと駒を進めます。

 

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数学と物理学の違い

2022-03-23 23:54:01 | 地球と物理

【ゆっくり解説】無限と有限を繋ぐ数学図形!パラドックスに引っかかるな!

 

この動画、確かに数学的には無限大の面積を有限の塗料で塗装できる。

しかし、物理学で考えるとペンキの分子以上の薄さで塗装が出来ず、結局無限大の塗料を必要とする。

ちなみに、x-y平面で原点近くで面積1の長方形を描くにはそれぞれの軸方向の辺の長さを⊿x、⊿yとすると⊿x⊿y=1になるように辺の長さを選んでやればよい。ここで⊿xを際限なく0に近づけると⊿yは無限大になる。つまり長方形を囲む線分の長さは無限大になるけど囲まれる面積は確かに有限になるわけです。で、便宜上x軸とこの関数に囲まれる面積が1でx軸上の辺は0、y軸上の辺の長さは無限大ってやつはデルタ関数と言ってy=δ(x)って表されるわけです。

そんなもん知ってもトリビア以外の何物でのないでしょーwって思われるかもしれませんが、世の中には「制御理論」と呼ばれるちょーくっそおもろない理論があって、そこでは同位相で全帯域同一強度の入力をぶっこんだときの出力からシステムの法則を知るという訳分からん話に使われているわけです。

 

ってか、最近伝送回路を学びだしてるんですけど、クロストークと呼ばれるお隣の電話が漏れて聞こえる的な回線の評価には状態方程式という制御理論が生み出したくっそおもんない手法を使わなきゃならないんですが、今から気がめいっていたりします(笑)

 

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新しい講座だ!

2022-03-15 20:55:47 | 地球と物理

3月にもなると来年度を見据えた動きがいろいろあるもんですが、いーずみ先生の新しい講座がスタートするみたいですね。

昨年は最初はビジュアルにつられた野郎どもと思しき連中が再生回数をやたら押し上げてたけど、下心をもって見てる連中が講義の内容についてこれなくなってだんだん少なくなってくるのが面白かったです。まぁビジュアルにつられて生物や日本史あたりだったら最後まで視聴してるんでしょうけど、あろーことか理科の中でも一番訳が分からん「物理」だったのが下心野郎どもにとっては不幸だったのでしょうw

 

【物理基礎 定期試験対策】単位・次元【計算】*

 

新しい講座のスタートは単位とディメンジョンですね。ま、数学と決定的に違うのは計算が崩れるとディメンジョンに矛盾が出ることが多くなるわけです。微積分といっても単位、ディメンジョンの世界では単純に微分は割り算、積分は掛け算です。ですから2つの物理量から別の物理量を求めるときに単位を見れば微分すべきか積分すべきかはすぐにわかるわけです。

 

そして計算が崩れていないかを見るコツとしてディメンジョンチェック、これはとっても大事なんです。ってことで来年物理で受験しようと思ってる人にはスタートとして実にいい内容の講義ではないでしょうか。とはいってもマークシートは選択肢のディメンジョンチェックで済むんですが、記述ではややこしい計算の途中で気づいたときに涙が出そうになる。それも一度や二度じゃないw

実際最近では電験2種って本質的には記述の試験を受けてたんですが、ディメンジョンが狂っていることに気づいてもそこからの修正能力が若い日に比べ格段に落ちてしまっているのです。で、何度も計算を崩しました。特に分布負荷の積分計算で多項式が狂って半泣き状態になったのはできるならば消去してしまいたい記憶の一つです(笑)

 

ホント、去年も思いましたが物理系の試験を受けるときにはこの方の口座で随所に述べられている基本的な考え方を学ぶってのは重要ですよね。ビジュアルだけに釣られてのこのこ動画を見に来るんじゃなしに・・・

 

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消しゴムと伝送回路の話

2022-02-23 20:33:56 | 地球と物理

最近は職務上必要に駆られて伝送回路の勉強を始めました。いかめしい本で学び始めても挫折するか上っ面の理解にとどまることは目に見えているので実用性を重んじた初学者向きの本で学んでいますが、それでも考え込んでなかなか進まないものです。

伝送回路の理論ってのは何のために必要かといえば、例えば下の動画・・・

 

J. Brahms - Hungarian Dance No. 5 guitar cover loop

 

記憶されたビートを適切に再現するためには途中の線で波形の変化とパワーの減衰が一定レベル以下に抑えられることが求められるわけです。エレキギターではじいた音色が再現されるためにはコードの伝送特性が粗悪なものを用いるわけにはいきません。何より地球の裏側のラトビアの動画を適切に再生するには画像と音声の信号が適切に伝送される必要がありますし、PCの処理速度を上げるには高周波に耐える回路設計が求められるわけです。

高周波回路では集中定数回路の理論が通用しません。分布定数回路で考える必要があります。さらに電力回路では長い線路でも分布定数回路で抵抗をモデル化すれば周波数によって変化するのはリアクタンスであり抵抗は一定と考えて差し支えないのですが高周波回路では導電体では表皮効果によって抵抗は増大し、絶縁体では分極の振動周期が短くなることでコンダクタンスが増大するわけです。

あくまで電気の計算で巨視的にオールマイティなのはマクスウェル方程式であって、放射が無視できる場合は分布定数回路(一次元に限らず三次元の分布定数回路理論もあるわけです)、特性要素を点で集約して差し支えない場合は集中定数回路の理論が適用できるわけで、電気回路の諸定理には限界があることを知っておくと電気技術者としては一段上に行けるんじゃないでしょうか・・・

 

ってことで表皮効果はホンマかいなwってことでマクスウェル方程式に立ち返ってみます。

いやぁ、普通に公式をまるっと受け入れればそんなにややこしくない話もマクスウェル方程式から根拠を算出しようとすれば手間のかかることw

当然消しゴムも多用します。そしてなぜ表面に比べて電流密度がネイピア数の逆数倍になるところを表面厚さとするかの検証も入れておきます。要はこの厚さの範囲で全電流が表面と同じ密度で流れているものとみなせば芯までの電流のトータルに等しくなるからってことです。まぁ積分記号を見ただけで嫌悪感を持つのは無理なからぬ話ですが、いかめしい数学記号を一旦忘れて積分とは何ぞや?と問われるなら散り散りになっている何かのトータルはどうなってんの?って話です。

 

ところで消しゴムは英語でeraserですがこれを周知したのはこの人の功績が大きいでしょうね。

重盛さと美さんの名誉のために言っておきますがめちゃイケのこの場面、不正行為に当たらないのでは?と思うわけです。特別に答えを意図的に仕込んだものではなく、どこででも使われる消しゴムからヒントを得て回答しても、回答者の不正行為ではなく出題者の責任に帰されるべき問題なわけです。もし不正行為に当たるというのであれば公正を期するために正解者全員の持ち物検査をするべきでしょう。ってことで岡村さんにこそ「ボーっと生きてんじゃねーよ!!バカー」って番組名が変わってしまいましたねw

また重盛さんのニュースでヤフコメが義務教育程度の事を理解していないことをバカにする内容が目立ちましたが、重盛さんも濱口さんも川栄さんも皆さん立派に生計を立てています。特に川栄さんは朝ドラの主演を張るなどしてますので、義務教育の内容を分かっていないことをバカにされる謂れはないはずです。また職場でピタゴラスの定理を分かっていない者がいることをバカにするコメントもありましたが、設計側で分かろうとしていないなら問題ですが、製造する側に対してピタゴラスの定理のような高度な数学手法が分かっていなくても製造側でモノが造れるように仕様を落とし込むべきじゃないかと思うのです。知識というものは持っている側が持っていない人にも社会的に利益を得られるように使うべきもので、知らない人をバカにするために存在しているわけではありません。

そして、義務教育で習得する内容は教え子たちにその程度の事は理解する義務があると規定しているのではなく、教育者には理解させること、保護者にはその程度の教育を受ける機会を与えることを義務付けているわけです。ですので小中学校で教師が物わかりの悪い児童・生徒を罵ったり笑いものにしたりあまつさえ一昔前なら体罰の対象にもなっていたりするわけですが、恥じるべきは分かるように教えない側にあるわけで、権利者である児童・生徒の側に授業についていけないことを非難される謂れなど本来ないはずなのですが、実情は逆転しているような・・・

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エントロピーのはなし

2022-01-24 23:26:13 | 地球と物理
熱力学第1・第2・第3法則を習ったのは遠い昔・・・
かすかな記憶を頼りに書き出してみると

第1法則・・・閉ざされた系のエネルギーの総和は保たれる
第2法則・・・閉ざされた系では変化があるたびにエントロピーの総和は増大する
第3法則・・・絶対零度の系のエントロピーはゼロである

言い換えれば

第1法則・・・変化があっても保たれるべき要素によって変化の在り方が制約される
第2法則・・・自然に変化が起きると無秩序な姿に崩れていく
第3法則・・・これ以上整えようがないきちっと整った状態を温度の底という

ってことなんですけど・・・

話は変わってカレーなどを食べた後の口直しにフェンネルを口に含むわけですが、インド料理屋に行くとローストしたフェンネルにザラメを混ぜてあるか、カラフルなスイートフェンネルが置いてあります。
我が家ではローストしたフェンネルにいくばくかのスイートフェンネルを混ぜることで甘すぎない口直しを作っています。
混ぜる前の状態がこれ

この状態からシェイクして冒頭の待った状態のオリジナルソーンフになるわけです。

話を戻して熱力学の話ですが、混ざる前の状態ではフェンネルローストとスイートフェンネルそれぞれに許される状態は境界線の上下で制約を受けていたのが、混ざった後は許される状態が多くなる。ある粒子に許される状態の数がエントロピーというわけです。

では混ざったソーンフをシェイクして自然に元の状態に戻りうるかといえばそんなことはあり得ないわけですね。

この原則を様々な現象に当てはめると熱力学第2法則の様々な表現方法を得られるわけです。

粒子の無秩序な運動が熱なのですから勝手に規則正しい運動にはならない。
エネルギーの変換が行われるたびに他の形のエネルギーをすべて熱に変換できますが、すべての熱を他の形のエネルギーに変換するのは無理だということです。


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