さてさて、虹から数学してみるという無粋極まりない試みですが、この前はラプラス変換を使ってなぜ微分方程式が解けるかというその手の事を必要とされない方にはちょーどーでもいー話をしました。
さて、時間や空間の関数を発散・減衰と振動を組み合わせたモードの関数に置き換えることで、微分方程式は代数計算でモードの関係式を求めることが出来るってことが分かりました。時間や空間の微積分方程式に比べモードの方程式は楽に解けるんですが、最終的に時間や空間の関数に戻してやる逆変換が必要になってきます。これをラプラス逆変換とか逆ラプラス変換と呼んでいるわけです。
逆変換を行うには
1/2πj∫F(S)ε^st dt
という積分を任意の実数値σにおいて虚軸に平行にσ-j∞からσ+j∞の範囲で計算することになります。
まぁ、世の中にある計算で不定積分を求めるってのは難しく、その代わりに不定積分を求めずに定積分を求める工夫をあれやこれやしてきたわけです。今回の積分は留数定理という手法を使って求めることが出来ます。
は?
せきぶん?
りゅーすーてーり?
ってなるのは無理なからぬ話ですが、いかめしい名前の割にはやってる計算は比較的単純な計算です。
大抵微分方程式の解はもーどsの多項式を分母に据えた分数形式であらわされます。
このとき、このsの関数が複素平面で正則でない点ってなんのこっちゃって話ですが、要するに関数が無限遠を含んで複素平面上で不連続になる、つまりは分母が0になる点、たとえばs1とでもしときましょうか・・・
そうすると(s-s1)F(s)ε^stってのは約分することで分母が0じゃなくなる。この時の式にS=S1を放り込んどきゃいいんです。
例えば1/(s-1)を逆変換したければ、s=1で正則じゃなくなるので(s-1)・1/(1-s)ε^stにs=1を放り込めばいいのでε^tになるわけです。
お次は少し複雑にしてa/(s^2+a^2)=a/(s+ja)(s-ja)
これも正則でない点はs=±jaですので同じように
(s+ja)・a/(s+ja)(s-ja)ε^stにs=-jaを放り込んだものと
(s-ja)・s/(s+ja)(s-ja)ε^stにs=jaを放り込んだものを足せば結果はsin atとなります。
お次に減衰振動a/{(s+b)^2+a^2}だって複素平面上で正則でない点-b±jaで同じようにすればε^(-bt)・sin atの形に戻るわけです。
って制御理論をかじったことがある方ならそんなもんラプラス変換のパターンを覚えといて部分分数の形にしてヘビサイドの定理で分子を求めときゃえーやんwって言われると思いますが、留数定理でやってる計算を見れば結局やってることは同じです。
つまりは大げさに留数定理なるものを引っ張り出して逆変換を求めましたが、そんなもん覚えたり理解する必要ははなっからなかったんです。
ちなみに同じ場所に2つ以上正則でない点が重なる(重根とか言います)という不幸な出来事が起こったときに計算方法ももちろんあるんですがめんどくさいのでやめにしておきましょうw
かなり無粋な算術の話になりましたが、次は微分方程式が理屈倒れではなくって言われてみればホンマやなぁwと実感できる一例としてバネの振動について解説してみたいと思います。よくこの手の事は電気回路の過渡現象から開設されますが見えない電気が振動してるっても何のこっちゃwって当然思うわけですから、身近なバネの振動が条件次第でどんな動きになるか?それが微分方程式を解いた結果と確かに同じやなぁwってことを述べてみます。