明日は明日の風が吹く

明日の事を今日悩んだって何にも解決しない
まぁ何とかなるさ!

ユニポーラロジックの話の続き

2023-08-27 11:09:34 | 電験2種への遠い道のり

今年の電験2種の理論問7について問題自体はそんなに難しくないと述べましたが、どのように難しくないのかを説明しとかなきゃ嘘くさい事この上ないですねw

ってことで、早速解説していきましょう。

まずはMOSFETの動作ですが、電極はソース・ドレイン・ゲートこの意味はソースは注入口、ドレインは抜き出し口、ゲートは入り口と出口の間の門ってことです。

ソースとゲートの間に電位差が生じると静電誘導によって普段は通せんぼしているソースードレイン間にキャリアが生成されて通り道が出来る。要はONになるってことです。理想的なスイッチがONになるってことはスイッチの両端の間の電圧が0になる。OFFの時はそのままってことです。

問題文の回路図を見るとM1とM2のソースは常にVDDが加わっています。並列ですのでどちらかのゲートが0Vになるとソースとゲートの間に電位差が生じてONになってVoutにVDDが伝達される。一方でM3とM4はソースがGNDにつながってて2つが直列に接続されている。ゲートに何らかの電圧が加わった時にONになる。直列なので両方がONしないとGNDとVoutがつながらない。

そうなるとVin1とVin2の両方に電圧が加わった時だけVoutが0VになるNANDゲートであることが分かります。

こうしてみると、⑴は入力が両方0なので出力はVDDになり(ワ)

⑵はVDDなので(ト)

⑶はNANDを表す真理値表Bなので(ル)

⑷はNANDの論理式つまりはANDことVin1・Vin2の反転を表す(ヘ)

ちなみにVin1とVin2をNOTで反転させるとORゲートを通すと同じ動きになります。ド・モルガンの定理って奴ですね。

最後に⑸はコンデンサに流れるパルス電圧に対する電流は周波数・電圧・静電容量に全部比例するのでfCVLDDってことで(ホ)となるわけです。

電子回路を棄て分野にされてる方は問8を選ぶんでしょうけど、なかなか難儀しそうな問題ですね。

電験で電子回路は難問が出にくいのには理由があります。一つは強電系の資格なので弱電はそんなに五月蠅いことは言わない、もう一つは棄て分野にする人が多いので電子回路を選択する人にはなるべく得点させようという意図が問題文の行間から見えてきます。

とはいっても、今年の理論の選択問題は電子回路と積分使いまくりの計測の問題、どちらも問題文を見たときにもムカッとされた方が多いんじゃないでしょうか・・・

 

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ユニポーラデバイスのロジックゲート

2023-08-21 23:02:58 | 電験2種への遠い道のり

この間の週末は電験の夏でしたけど、受験された皆様、本当にお疲れ様でした。

猛暑の中、試験を受けに行かれたというだけでも敬意を表する次第です。

さてさて、電験2種の理論問7は久々にユニポーラデバイスの問題ですね。

ここしばらく、電験2種の電子回路の問題はバイポーラデバイスの回路が中心だったように思えますが、電子回路で点数を稼ごうとされた方には戸惑いがあるかもしれません。というのも、電験って基本的に強電の資格ですので電子回路はそんなに難しい問題が出るところを拝んだことがない。

この問7は問題自体はそんなに難しくないんですがMOSFETの動作機構を知っていないと真理値表にたどり着けませんのでバイポーラデバイスみたいにベースに電流が流れたらONと違って、Vgsの電位差の有無でON・OFFが決まるってことですね。

両方に電圧が加わった時のみOFFになるNANDゲートですのでそれに沿った選択をすればよいわけです。

TTLのようにバイポーラデバイスを使ったロジックの方が即応性はあるんでしょうけど消費電力はユニポーラデバイスに軍配が上がります。実際にPCのICに組み込まれてるロジックはユニポーラデバイスでできているんでしょう。

さてさて、今年の2種理論はなかなか難しいなと思いましたが、これを冷静に解ききった方にはただただ敬服するしかありません。私だったら問題冊子を開いて10分後には出題者に殺意を覚えている頃合いでしょうから(笑)

 

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けふはがうかくはつぴやう

2023-08-17 22:27:24 | 電験2種への遠い道のり

今日は電工2種の合格発表ですね。

久々に電気技術者試験センターの合格者の検索にアクセスします。

思えば電験2種の時は最後の方はどうせ受かってないんでしょwと諦観丸出しで葉書待ちしてましたから。で、6年目に合否通知の郵便が来てると妻から知らされたときに「いつもの葉書ねw」って言ったら「今回は大きな封筒が来てる!」ってことで合格通知を見て「ヒャッホー!!」とアホ丸出しの雄たけびを上げてたことをつい昨日のことのように覚えてます。

今回は自信があるハズ!!

職場の人にも言ってたりしますので、電験2種の時のように滑り続けて周囲にお楽しみのネタを提供するわけにもいきませんw

で、受験番号を入れて検索して無事合格したことを確認しました!

さて、あとは電験1種の受験勉強ってことになりますが、電験2種の時のように本気度全開で臨むとメンタルがぼろっぼろにやられるのは分かりきっているので、ぼちぼちとれたらいいなぁ程度で進めることにします。

 

 

 

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エアコンを孤軍奮闘させない初等熱力学入門

2023-08-13 15:44:58 | 地球と物理

こんなに暑くっちゃブログ更新もめんどくさくなるわけです。

お盆に入ると7月に元気だった小学生のテンションが下がる頃合いでしょうか・・・

まぁ私自身、地蔵盆を過ぎると残された宿題を前に顔面蒼白になってましたから。とは言っても私が小学生の頃に比べ気温も高くなって、こんな酷暑さなかに人様に勉強させようって発想自体が犯罪的に思えてきてしまいますw

無理せずエアコンをったってエアコンが頑張ってもあまり効かないってのも珍しくありません。

ってことで、初歩的な熱力学から少しでもエアコンの効きを良くして涼しく過ごす術を考えてみましょう。あまり詳しいことは工業熱力学や統計物理学が良く分かっていない私では荷が重すぎますw

 

まず、温度がどうやって上がり下がりするか?ってことですが、熱が加われば温度が上がり熱を奪えば温度が下がるってことです。ってことは外気温が高ければ外の熱が入ってきますし、直射日光が当たれば熱が発生します。なるたけ部屋に熱を入れないためには直射日光を部屋の中に入れないことですね。カーテンを閉めるのも一定の効果はありますがカーテンにあたった直射日光が発熱して部屋に拡散しますから、窓の外にすだれを付けて日光の熱を外で発散させるようにすれば部屋に入る熱量をかなり減らせます。

次にエアコンですが梅雨時は効きがいいのに乾いた夏になると効きが悪くなりますね。これはエアコンには除湿機能があって空気中の水蒸気を水滴に変えるときに冷却媒体に熱を与える分、熱の輸送能力が大きくなるわけです。

となると加湿器で湿度を増やせばエアコンが同じパワーで冷却媒体を循環させて送風しても除去できる熱量は増えるんですが、スチーム式では加えた熱を捨てるだけの電気代の無駄遣いに終わってしまいます。

ちなみに冷風扇はミストで涼しくするんですが、室内で冷風扇単体で使うときは風通しを良くして風上に設置しないとやがて水蒸気が飽和して温度が上昇するとただただ不快になっていきます。

冷風扇や超音波の加湿器をエアコンから遠い位置につけて、気化熱で涼しくする。そしてエアコンの除湿で加えた水分を取り除けばミストを通じたちょっとしたヒートポンプを構築できます。これを扇風機で下の空気を上にかき回せば室内機の効率が上がります。

次に室外機ですが直射日光の反射板や屋根を付けるなどして日光による過熱を少しでも防ぎましょう。

ただし日光を防ぐために風通しが悪くなれば逆効果なので注意が必要です。

最後に除湿で室外に出た水を室外機周辺に打ち水して加湿器の水を利用すれば、かなりエアコンの効きが良くなります。

 

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