微分法その1. 変化の平均を捉える
距離と速さと時間の関係ってのを小学校の算数で習いますね。算数と数学の違いと言えば数えることと論理的思考の差ではないでしょうか。実用的に数えることを重視する算数と、役に立つかどうかは知らんけど論理的に思考してパズルを解くように数という最も客観的に俯瞰できるものの法則を探る。ちなみに私は算数も数学もめっちゃ成績が悪かったのであしからずw
微分法ってのは割と決められた手法をその通り実行するわけで、数学というより算数に近い。一方で積分計算ってのは決められた手法で単純にできるのはごく一部で、算出にインスピレーションが求められるケースが多くパズルを解くがごとく数学的な分野と言えるでしょう。
さて、そんな微分法の手法の原点はその場所、その時の変化とは?って問に答えを出そうってところにあります。
まずは小学校の算数の問題として100m進むのに50秒かかりました。速度は何m/sでしょう?ってのを考えてみましょう。答えは100m÷50s=2m/sですね。早ければ早いほど時間はかからなくて済む。遠ければ遠いほど時間がかかるってことをイメージ出来れば学校を卒業した後で充分に歳月が経過して数理能力を問われない職種にあってはそれで十分だと言えるでしょう。けど、中学校以降の数学はともかく小学校で習う算数の能力が無いと多くの職種で苦労しますから、わからないなら今からでも算数の勉強はしておいた方がいいってものです。
次にビールをピッチャーからジョッキに5秒かけて500ml注いだとしてビールの流量は?ってきかれるなら100ml/sだってことが分かります。
どこかの傾斜を知りたいときに距離が100m離れたところが2mの標高差があれば傾斜は0.02です。三角関数が分かる方はtanでエクセルなり関数電卓なりで計算すれば傾斜角が出てきます。ただし、出力は°(設定ではdeg読み方はディグリーって言います)かrad(ラジアン)かは確かめておいてください。関数電卓を持っている人は少ないでしょうけど、大抵家のPCにはワードとエクセルが仕込まれていますね。ラジアンで計算する必要がなければ常に°で結果が出るようにしてやりゃいいんです。私のような職種の人がラジアンが分からないってのは致命傷に近いものがありますが、多くの方は°が分かればラジアンなんて知らぬ存ぜぬでなんら不自由しないことでしょう。
さて、ここまで速度、流量、傾斜について述べましたが、これらはあくまでかかった時間や距離の間の平均した数値だということです。
ビールを注ぐときだって最初はジョッキを傾けてゆっくり注ぎ始めて最初にビールが接触するときの泡を抑え、だんだん勢いを増やしてやがて泡がこぼれそうな勢いであるのを見ればおっとっと!wと勢いを弱めます。つまり5秒かけて生中を注いだといってもその5秒間の中で流量は変化し続けているわけです。
ではある時刻を中心に時間帯を狭めていけばだんだんと瞬間の流量に近づいていきます。
傾斜だってある場所を中心に際限なく距離を縮めればその場所の傾斜が分かるでしょうし、分度器を当てれば確かにある場所の傾斜ってのは距離を取らなくったって分かります。
ある瞬間、ある場所での変化の度合いを分かるために何をすべきか?
もし移動した距離やビールの量、標高が関数として与えられるなら厳密に算出できるだけでなく速度、流量、傾斜の時間や場所に対する法則も算出できる。
この考え方が微分法の原点なわけで。
次はもう少し具体的に「微分する」という手法について述べてみましょう。
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