奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

人間であらねばと

2012-12-20 | 心詩~こころうた・己
細分化された感情に支配され
進む道を
依存する環境を
生きる速度で選択する運命を
余儀なくされた 人間

目に見えぬ攻撃を避け
望む未来を手に入れるには
みずからを偽る覚悟さえ
必要なときがあるのだろう

汚れぬままに
生き延びられる世界ではない
だが汚れてしまえば
破滅に向かうだけの非情な世界だ


人と人とが理解しあうのは
容易なことではない

善は悪に取り込まれ
清は濁に飲み込まれ
人は怠惰に流されて
己が良心を曇らせる

誰かが誰かを支配する
その関係に慣らされて
己が意思さえ見失う

人を恐れ 警戒し
同じ価値観を持つものしか
信じられなくなってゆく


それでも
純粋でありたいと願う
正義の心を貫きたいと抗う

傷つけたなら
後悔に胸を痛め
傷ついたなら
誰も傷つけまいと誓う

互いの弱さを補い
才能を惜しみなく役立て
この世界が良くなるように
そのために自分が存在すると
誇りを持って生きられる

それこそが
人間であるという意義


心の善悪
心の弱さ
他人には見せぬ
丸裸の自分との葛藤

露わにできぬ感情を
肉体の檻に閉じ込めて
内部崩壊寸前の魂は
声なき悲鳴をあげている

人間であらねばと
思うばかりに……

抗う

2012-12-20 | 心詩~こころうた・己
ひとつの石つぶてが
いく粒にも砕け散るように

ひとつの失望が
体中に弾け飛び
何百ものダメージを
心に与える

打たれ強くなど
なれなかった
かわす術さえ
備わらなかった

馬鹿正直なほど
真正面から受け止め
醜態など晒せぬと
ひとりですべて抱え込む

もう とっくに
力尽きているのに


なんのための人生か──

あの頃と同じ思考に
また支配されている

ただ生きているだけならば
なんの価値もない

なにも生み出さず
ただ毎日を
繰り返すだけの人生ならば

どこにも吐き出せない感情を
もがきながら
足掻きながら
胸の底に封印する

こんなくだらない運命に
いつまで纏わりつかれる
宿命(さだめ)なのか

希望など
どこにもないのか


こんな感情に襲われるたび
もう終わってしまいたいと
惨めに嘆くだけの
自分に苦しめられている