昌栄薬品です
金匱要略(きんきようりゃく)という中国の古典に日射病・現代の熱中症に対する治療の仕方が書かれています
荒木性次(あらきしょうじ)著方術説話(ほうじゅつせつわ)より 日射病 熱中症
熱中症・日射病 金匱要略雑療方(ざつりょうほう)第二十三の十四条に下記の条文があります
荒木性次著 方術説話 第五巻 より
凡中暍(えつ・日へんに旧字の渇のつくり)死、不可使得冷、冷得冷便死、療之方。
凡(およ)そ中暍死(ちゅうえつし)には、冷を得せしむる可(べ)からず、冷を得れば便(すなわ)ち死す、之を療するの方
一般に暑さに中てられて仮死状態になって居る者には、いくら暑そうでも冷したり冷やす物をやったりしてはいけない、冷たい物をやったりすればその爲に死ぬぞと謂ふこと。
屈草帶、繞暍人臍、使三兩人溺其中、令温。
亦可用熱泥和屈草、亦可扣瓦椀底按及車缸以著暍(日へんに旧字の渇のつくり・えつ)人、取令溺、須得流去。
此謂道路窮、卒無湯、當令溺其中、欲使多人溺、取令温若湯便可與之。
不可泥及車缸、恐此物冷、暍既在夏月、得熱泥土、暖車缸、亦可用也。
草帶を屈し、暍人(えつじん)の臍を繞らし、兩三人をして其の中に溺(にょう)をせしめて、温めしむ。
亦熱泥を用ひて屈草に和するもよし、亦扣瓦、椀底、按及、車缸、以てえつ人に著け、溺せしめて、流去せざらしむるにとるもよし。
此れ道路窮卒湯無きに謂ふ、當に其の中に溺せしむべし、多くの人をして溺せしめ温めしむるを取らんと欲す、若し湯有らば便ち之を與ふべし。
泥及び車缸は可ならず、恐らくは此の物冷ゆ、暍(えつ)既に夏月に在り、熱泥土、暖車缸を得れば、亦用ゆ可き也。
按ずるに本章の要點は、中暍死(ちゅうえつし)に處してはあらゆる方法を講じて暍人(えつじん)の腹特に臍を温めてやれと云ふことなり、
急場に臨み熱き湯その他温めてやれる物が有れば上乘、若し無ければ人間の小便をも利用するなり、
屈草帶具の他は皆臍を温むる液體の流去を防ぐ道具に他ならず、又茲に用ふる具は成るべく冷え易き物を避けよとのことなり。
日射病 熱中症
大塚敬節(おおつかけいせつ)主講(しゅこう) 金匱要略講和(こうわ) 雑療方第二十三
凡中暍死、不可使得冷、得冷便死、療之方。
凡そ中暍(日へんに旧字の渇のつくり)死は冷(れい)を得せしむべからず。冷を得れば便(すなわ)ち死す。之を療するの方。
屈草帶、繞暍人臍、使三兩人溺其中、令温。
亦可用熱泥和屈草、亦可扣瓦椀底按及車缸以著暍人、取令溺、須得流去。
此謂道路窮、卒無湯、當令溺其中、欲使多人溺、取令温若湯便可與之。
不可泥及車缸、恐此物冷、暍既在夏月、得熱泥土、暖車缸、亦可用也。
草を屈して帶とし、暍人(えつじん)の臍を繞(めぐ)らし、三両人をして其の中に溺(いばり)せしめ、温ならしむ。
亦熱泥を用いて屈草(くっそう)に和す可し。
亦瓦椀(がわん)の底を扣(たたきわ)りて按じ、及び車缸を以って暍人(えつじん)に著(つ)け、溺(にょう)せしめ、すべからく流れ去るを得ざらしむべし。
此れ謂う、道路窮卒にして湯(ゆ)無きは、当に其の中に溺せしむと。
多人をして溺せしめんと欲するは温ならしむるを取る。
若し湯あらば便ち之を与うべし。
泥及び車缸は可ならず。
此れ、物の冷えんことを恐る。
暍既に夏月に在りて、熱泥土、暖車缸を得ば、亦用ゆるも可なり。
〔解〕大塚
「中暍死(ちゅうえつし)」というのは日射病で死ぬことでしょう。
日射病で死んだのは冷やしてはいけない。
冷やすと本当に死んでしまう。
草をまげて作った帯を臍のまわりにめぐらせて、その中に二~三人で小便をして腹をあたためるわけですね。
また温かい泥を、かがめた草と草の間に入れて、間隙をふさぐのです。
小便が流れ出ないようにね。
瓦椀底、つまり瓦とか茶碗を砕いて、または車缸(くさび)で、ふさいで、日射病にかかった人を小便につけて、小便が流れ去らないようにする。
道路で急に倒れて湯がないから、小便を入れるのです。
多くの人に小便をしてもらって温める。もし、お湯があれば、お湯を用いる。
泥と車缸はよくないことがある。
冷えることがあるのを恐れる。
夏のことだから、泥土も車缸も温かいだろうから暖かければ用いることができる。
要するに日射病にかかって倒れたときには、冷やさないで、暖めると治る、ということです。
日射病 熱中症
熱中症で体を冷やす、冷たい水を飲ませるということは、準備体操もしないでいきなりプールへ飛び込むような行為です、五行説で心臓は火に配当されます、火を消すのは水で心臓にとって水は一番怖いのです。
水を与えるならば体温と同じ温度以上の湯に0.5%の『自然海塩ゴールド海の精』を入れのませます。
インドではなぜあのスパイスの効いたカレーを食べるのでしょうか、インドでは皮膚表面に血液が行き過ぎ胃に血液を呼び戻すためにスパイスの効いたカレーを食べるのです。
熱中症でも同じことが言えます皮膚表面は温度が高くなっていますがおなかは冷えているのです、シャワーでお腹を温めると血流が良くなりほてった体が冷えてゆくのがわかると思います。
暑気あたりにクラシエ薬品の療方調流、胃苓湯、この処方の中の白朮、伏苓、猪苓、沢潟が血中に水分をおくり利尿し、下痢や嘔吐を止める作用があります。
胃苓湯は冷え腹にもよく下痢をしやすい人には必需品で、他に参苓白朮散、療方調流、かっ香正気散等があります。
以上、分割掲載したものを一つに纏めました。
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