通常は、はさみ測定工具をさす。対象物の外径をそっと両側から挟みこみ測定する。ノギスは一種の機械式計算機で、最初に考えた人には感服する。
機械は単純なほど完成しているんだ。バカは複雑にして完成していくと思っている。ソユーズはもちろんアポロにも日本のクルマ一台分のCPU能力はない。月の周回軌道に入る予定がないなら、今のクルマにある電子機器は必要ない。
メーカーは卑怯にも安全性という錦の御旗を掲げ、あったほうがいいか、そうではないか、と迫ることでクルマの価格を吊り上げた。
一方で、車体はまるでダンボールだ。一度ひしゃげ始めるとせんべいになる。外力に対する抗力は強いが、一度降伏するとぺしゃんこになる。最後まで粘りつづけるクルマはもうない。
うちの近くで、電子機器満載のクルマが、行楽帰りに居眠りをしてベンツと正面衝突した。軽とベンツじゃあしょうがなかろう、で済ませてはバカだ。衝突回避だ、LEDの視認性だ。はたまたホイールだブレーキだ。僕は、そんなことグダグダ言っても何の役にもたたぬだろうが、といっている。
さらにバカはつづける。そんならベンツに乗れよ、と。貧乏人は死ねよ、と。
これは暴論だ。歩行者に対し、クルマに跳ねられたくなかったら、お前もクルマに乗れよというのとおんなじだ。
どんなブレーキも踏まなければ正面衝突を回避できない。ブレーキは部分である。クルマは全体である。メーカーの甘言はケーキの上の小さなビスケットが増えたことを強調する。ダボハゼはそれに目を奪われる。メーカーは大笑いをする。
Caliper 、ブレーキのキャリパーについて。
同じく挟み込むものには変わりはないが、キャリパーの片側だけにピストンをつけた片押し式と、両側からディスクを挟む両押し式がある。これはあたかも片側だけから押すより両側から押したほうがブレーキがよく効くような気がする。否。
二人でそれぞれ紐の両端を持って引っ張っても、紐の片方を壁に固定して一人が引っ張っても紐の張り具合はおんなじだ。片押し式の場合はキャリパー自体がフロート(移動式)になっていて、ピストンが押すとキャリパーも反作用として反対側から押す。モノとしては片押し式が賢くて高級だ。逆ではない。機械は単純なほど完成している。
こう書くとせっかく大枚をはたき6ポッド、両押し、メッシュホースを購入した人は、お怒りのことだろう。あ、キャリパーカバーもあった。
両押しもいいことがある。何でもはさめるオネーチャンのものは、片押しでは、なんか変則的だ。腕がきついからと片手で押すのはいかん。やはり両押しの中にうずもれたい。
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