煬帝、とてつもないことをやってくれたもんだ。南の物資が届かない?よし、じゃあ川をつないじゃえ。と思いつく方はいいが、女子供まで動員して4分の一は6カ月で作る。1600㌔の4分の一だ。
僕は5年ほど前この大運河の10分の一ほどを下った。南国賓館に泊まったと思うがここは1952年にできた由緒あるところだ。しかし、改装をして室内に池をひいて鯉を泳がせたりいかにも日本の田舎者の趣味になっている。
きっと日本の下品な田舎ものが札束を中国人の口にねじ込んで思いどおりにさせたんだろう。どのホテルにも日本のチンピラ資本が入っている。中国的なモノではなく日本人が思う中国的なモノであふれている。カネの力ですべてを破壊するのは自国だけにしなければならない。
蘇州の街はどこに行っても楓橋夜泊だ。ホテルの玄関、刺繍、虎丘、バカにしている。
全くよくないのに結構バカは中国かぶれになって帰る。焼き肉食って韓国かぶれになるのと全く同じだ。悠久の時を感じたとかぬかす。ばか。お前の頭が悠久にだらけているだけだ。
煬帝が掘った江南江を杭州まで船で下ろうと思った。船着き場までがかなり遠い。こんなことなら人力車にすればよかったと思ったがあとどれくらいあるか分からないのでひたすら歩いた。きつそうにしていたので哀れに思ったのだろう。高校生ぐらいの自転車の子供が荷物を乗せてくれた。ホントは僕が乗りたかったんだけど。
そこはただの階段だった。10人ぐらいうろうろしている。いつ船が来るかと聞いてもみんな怪訝な顔をするばかりだ。つまり、だれにも分からないのだ。来たとき乗って行く。秒単位の日本ではない。
中国にいるとだんだん体が慣れていく。行かれたことのある人は分かるだろう。日本の空港にいるとき飛行機が一時間遅れたら、待ち遠しくてコーヒーを飲んだりゲームをしたり電話をしたりする。中国にいると4時間ぐらい待つのは平気になる。田舎に行くとコーヒーショップは高いので中国人はあまり行かない。女給たちは暇そうにしている。賢そうなのをつかまえて筆談するのは実に楽しい。
しかし、僕はここでとんでもない失敗をした。船に乗りこんでしまって分かったのだ。到着時間は夕方ごろというので、そんなもんかと思っていた。ところが、
明後日の夕方だった。