体制維新――大阪都 (文春新書) | |
橋下 徹,堺屋 太一 | |
文藝春秋 |
大阪都構想は具体性がないと批判の声もありますが、賛成意見も増加しています。
地方政党として「大阪維新の会」も徐々に拡大しています。
このような時代の潮流の中、日本はどうなるのか?どうしていくべきか?
少し前、「ゆとり教育」が必要であるとの方針が示され具体化されましたが、その結果、一気に学力低下を招き、日本は世界的にランク落ちとなってしまいました。
果たして「ゆとり教育」は間違っていたのでしょうか?
私は、間違っていたとは思いません。
逆に「ゆとり教育」は必要であり、正論であると思いますが、正しいから言って結果が良くならないことも認識しなければならず、行くところまで来てしまった社会構造の問題であると考えます。
本当は「ゆとり教育」は、心も豊かになり、人間形成にとっても必要な要素で、有意義なものでしょう。
しかし、グローバルな超高度化社会の中では「ゆとり」を持つことも許されないことがわかりました。
悲しいですね・・・
「都構想」の裏にあるものは、もっと大きなものが潜んでいます・・・
橋下大阪市長(本書では大阪府知事)は、この20年間の日本の衰退を止めるには 、政策ではダメ、体制の改革が必要だと言っておられます。
この本の構成は・・・
前文の[はじめに]および第1章[大阪の衰退、日本の衰退]は堺屋太一さんが執筆されています。
第2章[なぜ「大阪都」が必要か] は堺屋太一さんと橋下徹さんの対談方式、第3章から第5章までは橋下徹さんの具体論が、第6章は再び堺屋太一さんと橋下徹さんの対談となっています。
橋下徹さんの言われるとおり、政策をいくら展開してもダメ…体制(仕組みやシステム)を変えることに賛成します。
しかし、これだけ世の中が複雑、高度化してしまうと、体制を変えることは指南の技・・・
戦後60年、変なところが民主化されているから、時間も必要以上にかかってしまうことになりますね。
私は、橋下徹さんとは規模もレベルも違いますが、組織改革として仕組みを変えそれを浸透させることで、とても対応しやすくなったことを肌で感じた経験があります。
人を替えることで解決することもありますが、確かに20年で15人の総理大臣の交代は異常だし、人を替えることでは解決しないことを証明しています。
皆さん、都構想を批判する前に、一度この本を読んでみてはどうでしょう。
批判するのは、それからでも遅くありません。
最近、自転車に関する本しか読んでいませんでしたので、久しぶりに脳みそが活性化しました・・・